マンション管理士綾さんのブログ

マンション管理士は「正義の味方・月光仮面」?

34年前の工事瑕疵等認め100万の修繕約束

2014-04-25 09:47:30 | インポート

 1980年私鉄大手関連の百貨店がマンションを販売
Gゼネコンが建設したマンションの不具合が原因で、その後の
保守管理の不足もあり、2階ベランダから1階店舗正面に
雨のあとはしばらく水漏れが続く状況が放置されていた。

住民は10年もたたない内に子会社である管理会社に何度も
改善、修繕を要求したというが、管理士が関与するまで、
管理会社もゼネコンも全く対応しなかった事実があった。

管理士が関与し、管理会社と関係のない業者に点検依頼した
ところ、避難ハッチの構造が悪く、そこに水がたまり、
その水が原因となり、排水構造が不十分のために水漏れが
発生していることが、容易に判明した。建物調査を依頼
した1級建築士もこんな排水のやり方は見たことがない
との感想を述べたことも、大きな力となった。

現に、第1回大規模改修前の建物点検で改良指摘があえり、
同工事計画と設計図にも避難ハッチの水回り処理の必要が
明記された事実があったのに、何故か大規模改修工事前に
管理会社が避難ハッチの取り換え工事だけ実施し80万円
もの領収書が存在した。この工事が水回り処理を放置し
て、改修工事以前の形状のままに取り換えただけだった。

品確法では、基礎部分でも10年の時効で、30年も過ぎた
不具合に対応するか疑問ではあったが、天下の大企業、
大手ゼネコンの作品、販売元も大企業の百貨店部門であり、
何とか認めさせようと交渉方針を練り上げ、行動開始。

裁判までの見通しで、規約の改正を行い、並行して文書で
瑕疵を認めよ、責任をもって修繕してほしいと要望、
管理会社が無視してきた経過もあり、要望書は管理会社、
親会社である販売元に提出、本社に陳情に出かけて、
交渉が始まった。

現場確認の後の報告会では、問題があることは認めるが
せめて10数年の間に言ってくれれば改善したが、今と
なってはいかんともしがたい、改修見積もりを出して、
組合が負担するなら工事を行うとの態度であった。

組合、販売元、ゼネコン、管理会社の4者協議が続き、
壁の排水口を拡大すれば治るとか、ベランダの排水溝
の拡大はベランダの強度をなくするからできないとか、
避難ハッチだけはやったほうが良いとか、何かといえば
素人の組合役員をあきらめさせようと画策したが、
3度の改修計画と見積書による交渉も、別会社の改修
計画の説得力に及ばず、最後には3社が共同責任で
別会社の設計通りの改修工事を実施する約束をした。

地区30数年後の工事瑕疵の確認と責任施工を
認めさせた事例の一つである。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿