史書から読み解く日本史

歴史に謎なんてない。全て史書に書いてある。

記紀神話:人話と神話

2019-11-25 | 記紀神話
神と人の狭間で以上ここまで『古事記』と『日本書紀』に収められた神話の中のイザナギ・イザナミ両神による神生みまでの部分、即ち『日本書紀』で言うところの神代上巻第五段までの部分を通しで読み進めてきましたが、特に黄泉巡りの件を読めば誰しも気付く通り、これらの物語は人の世の出来事が神格化されたものと、自然界にまつわる伝承や迷信の類が入り混じる形で構成されています。従ってこうした神話を少しでも史実に近付ける . . . 本文を読む

記紀神話:『日本書紀』に見る黄泉めぐり

2019-11-13 | 記紀神話
一書に曰く(第六)その後に伊弉諾尊は、伊弉冉尊を追って黄泉に入り、共に語った。伊弉冉尊が言うには、我が夫よ、何とも来るのが遅すぎた、私は既に黄泉の食物を口にしてしまった、今から眠るので、決して寝姿を見ないで欲しいと。伊弉諾尊はこれを聞き入れず、密かに火を灯して妻の姿を見てみると、そこには膿が沸き蛆が集っていた。伊弉諾尊は大いに驚いて、吾は思いがけず酷く穢れた所へ来てしまったと言い、速やかに逃げ帰ろ . . . 本文を読む

記紀神話:日本と大陸の神話の間で

2019-11-06 | 記紀神話
一書に曰く(第六)(冒頭部は前出)火の神軻遇突智が生まれるに至って、伊弉冉尊は焦かれて世を去った。伊弉諾尊が十拳剣を抜いて軻遇突智を三段に斬ると、それが各々神になった。また剣の刃から垂れた血が天安河辺にある五百箇磐石となった。これは経津主神(ふつぬしのかみ)の祖である。また剣の鐔から垂れた血が神となった。名を甕速日神(みかはやひのかみ)と言う。次に熯速日神(ひのはやひのかみ)。この甕速日神は武甕槌 . . . 本文を読む