ハロウィーンの日、残業で帰りが少し遅くなった。
家に帰るなり、家族から
「やっと帰って来た~」と云われて
早くメシを食えと催促を受ける。
今夜はモッツァレラチーズとトマトのカプレーゼに
IKEAで買ったミートボール、
IKEAで買ったポテトのグラタンに
IKEAで買ったパスタのペペロンチーノ、
…何だ、IKEAづくしじゃないか。
ヒトが夕飯を食べている周囲で
甥っ子や姪っ子が何やら室内を飾り付ける。
皆でハロウィーングッズを持ち寄って、
収穫祭の夜を楽しもうじゃないかということらしい。
この燭台は雰囲気あるなぁ。
まるでホーンテッドマンション。
TVを消し、
室内のライトも最少にし、
BGMはホラー映画の おどろおどろしい曲ばかり。
今宵に相応しい、
私の中ではかなり怖かった映画の上位にランクインしている
‘ハロウィーン’の曲が流れると
「おぉ~、まさしくピッタリだ!」と喜ぶ一同。
変態に近いかもしれない。
よく見りゃ父の仏壇の上に
ハロウィーンの飾りを置いているじゃないか。
姪や甥といった孫たちは
「不謹慎だなぁ。じーじ驚いてるんじゃない?」と云うけれど
父が無類のホラー好きだった事を熟知している我々子供たちは
「いや、喜んでると思うよ」と笑う。
この暗闇の中で私は
何を食べているかもよく分からないまま夕飯を終え
食後に紅茶を入れて、姪っ子が作ったクッキーを食べながら
ハロウィーンの不気味な夜を思う存分、堪能した。