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高松市内を歩く

2016年01月14日 13時34分39秒 | 旅行
高松市内の商店街にあった果物屋さんで見つけた「さぬき紅」のみかん。
紅いみかんとは、とっても珍しかったので、おみやげに買ってきた。

 

香川県は、年間の降雨量が少ないことで知られている。
それが幸いしてか、香川産のみかんは、とても甘いそうだ。
この紅いみかんは、昭和47年、ある農家の畑のみかんの一枝に、突然実を付けたそうだ。
20年間、農業試験場で研究され、栽培が可能になったとのこと。
この品種の実から、見かけや糖度など厳選されたもののみを「さぬき紅」とブランド化して販売しているという。
食べてみると、一粒一粒がジューシーで甘くとても美味しい。
開発の苦心のほどがうかがえる。

 ★ ☆ ★
 

今回の旅行では、高松市内にあるホテルに2泊した。
「菊池寛通り」から一歩商店街の中に入ったところにあった。

菊池寛といえば、戯曲「父帰る」でよく知られている。
中学校時代、2級上の先輩たちが、この劇を上手に演じていたのをよく覚えている。
当時としては珍しくテレビ局の取材が来て、テレビ放映されたのだった。

菊池寛は、この高松の生まれ。
菊池寛記念館があることを知り、是非訪ねてみたいと思った。

高松市は、北に瀬戸内海に望む高松港がある。
たくさんの瀬戸の島々を持つ県である。
南北に大きな通りが3本、東から「フェリー通り」「中央通り」「県庁前通り」とある。
東西には、北から「県庁北通り」「菊池寛通り」「観光通り」と大きな通りがある。
その道路をつなぐようにアーケード街が縦横に通っている。

「高松市中央図書館・菊池寛記念館・高松市歴史博物館」と表示された看板を見ながら、中央通りの五番町交差点から高松市役所前を通り、ひたすら西に向かって歩いていった。
繁華街を離れ、街並みは人通りも少なく静か。
歩道は広く、自転車道と歩道がきちんと区切られ、とても歩きやすかった。
ずんずん行くと、香川大学の巨大なキャンパスが見えた。
さらに歩く。初めての場所は、何と長く感じることか。

20分は歩いただろうか、何やらきらきらと光る総ガラス張りの大きな建物が見えた。
それは四階建て建築物で、サンクリスタル高松と呼ばれていた。
1・2階は中央図書館、3階に菊池寛記念館、4階が歴史博物館となっている。
近代的な文化施設をねらったのだろうが、周囲の景観とあまりに異質で戸惑う。
しかし中味は充実し、落ち着いた学びの場となっていたと思う。


菊池寛記念館では、1時間かけてゆっくりと展示された資料を鑑賞し、菊池寛について学ぶことができた。
菊池寛は、ヒューマニストであり「生活者の文学」を貫いた。
さらに、作家以外の活動でも、長く現代まで大きな影響を与えた人だ。
文藝春秋社の設立から「芥川賞・直木賞」「菊池寛賞」の設立、著作権擁護、作家の地位向上など、多くの業績を残していることを初めて知った。

作品では、戯曲に焦点を当て、実際の舞台づくりや後に映画(映像化)製作にも関わっている。
大映社長となっていた頃の写真もあり、驚いた。
演劇や映画を通して、文学を大衆文化へと近づけたことが、成功へとつながったようだ。

私生活では、29歳で妻包子と結婚した。
写真を見て結婚を決めたそうだが、この結婚は、我が人生のなかの成功の一つだと話していた。
結婚当初に買ってもらった金縁眼鏡を大事にしていたようだ。

また、競馬の大ファンで競走馬を持っていたとのこと。
学生時代の懸賞作文で入選した時にもらった双眼鏡を使って、競馬の応援に熱中していたとかで、その双眼鏡も展示されていた。
なかなか面白い人だと思う。

芥川龍之介や直木三十五を友として、親しく交流があった。
そのほか、文学を通して過去から現代まで、多くの人とつながっている。
この記念館は、その人となりや功績がていねいに展示されていて、行ってよかったと思う。








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