四季に暮らす

季節の着物、食卓、ベランダの植物たち
和と洋が仲良く並んでいるような衣食住の風景

鳳凰祭四月大歌舞伎@歌舞伎座

2023-04-22 | 着物コーディネート

歌舞伎座は、明治22年の開場以来約130年にわたり古典演劇を上演し続けており、その歴史もまた興味深いです。
隈研吾氏によって現在の姿にリニューアルされ、2013年4月の新開業から10年。

*新歌舞伎座開場十周年記念「鳳凰祭四月大歌舞伎」夜の部を、夫と鑑賞してきました。

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新開場十周年を記念し、L社とN社よりそれぞれ新緞帳が寄贈されていました。
開演前に写真を撮ることに。

●こちらの原画は 東山魁夷作「朝明けの潮(あさあけのうしほ)」
山口県 青海島の瀬叢(せむら)と呼ばれる岩礁 をモデルにしたといわれており、皇居 長和殿「波の間」にある縦約3.8メートル、横約14.3メートルの大壁画です。

●こちらの原画は 横山大観作「霊峰飛鶴(れいほうひかく)」
(以下の説明文↓はネットから抜粋)
冠雪の富士が黄金の光に照らされ、群れをなした丹頂鶴が雲海の中を悠々と飛翔する姿が吉兆を感じさせる作品。威厳ある霊峰富士と気品あふれる鶴は静と動の対比であり、無窮を追求し続けた横山大観画伯の高い精神性と心象風景が象徴的に表現されています。

これまで、期間限定の祝幕緞帳を除くと見慣れてきた緞帳は格調高いこの4種類。
 ・『水辺の四季(みずべのしき)』
上村淳之画 
 ・『夕顔図(ゆうがおず)』
 ・『春秋の譜(しゅんじゅうのふ)』
中島千波画
 ・『朝光富士(ちょうこうふじ)』 松尾敏男画

今回新調された内、 東山魁夷作「朝明けの潮(あさあけのうしほ)」の緞帳は、これまでと少し趣が異なっているような・・
目に眩しく飛び込んでくるような勢いがあり、私はなんだかこれがとても気に入りました!

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1階から2階に上がる階段の踊り場に飾られているのは、
『青獅子』川端龍子(かわばたりゅうし)画
1950年(昭和25年)歌舞伎座再建を祝して描いたもの。
いつもしばらく見入ってしまいます。魂が宿っているような心に残る絵です。

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■夜の部(16:00開演〜)

 一、与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)
     木更津海岸見染の場
               赤間別荘の場
               源氏店(げんじだな)の場

 二、連獅子

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*『与話情浮名横櫛』は通称、
「切られ与三(よさ)」「お富・与三郎」「源氏店」と呼ばれる人気の演目。
見初め→別れ→再会・・という歌舞伎のメロドラマ。^^

今回は、与三郎(片岡仁左衛門)・お富(坂東玉三郎)。
美男美女役がぴったりでした。
舞台を通して着物の着方や帯結び、仕草、部屋の設えなど・・江戸の暮らしと人情模様にどっぷりはまり込んでいきます。


2005年に71歳で亡くなった義父は、ちょっとした粋人でした。
義父が35年位前に建てた家(夫の実家)は、ずばり、黒塀に見越しの松。^^

物心ついた頃から、夫が何度も聞かされた義父の十八番は、春日八郎の「お富さん」だったとか。
酔っ払うといつも歌っていたそうです。
「当時は子供だったのでよく意味がわからないところもあったのが、この歌舞伎の演目を鑑賞してやっと理解できて腑に落ちた!」と大喜びの夫。
そのまんまだもん。よかったね〜



和泉屋多左衛門役で出演予定だった市川左團次さんが先日お亡くなりになり、河原崎 権十郎が代役として出演しました。

昨年7月に鑑賞した『夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)』。
釣船三婦役での市川左團次さんの味わい深い演技が思い出されてなりません・・
82歳でいらしたのですね .. ご冥福をお祈りします。

 

*『連獅子』は言わずと知れた歌舞伎舞踊の代表作。
歌舞伎座には外国人の姿も多く見かけました。
今回、清涼山の霊獣、親獅子の精(尾上松緑)・仔獅子の精(尾上左近)。

親子ならではの阿吽の呼吸、ぴたりと決まっていました。
尾上松緑さんの親獅子の力強さに圧倒されながら、仔獅子の左近さんの凛々しさとお父さん譲りの力強さに惹き込まれました。17歳なのですね。これからも目が離せない役者さんです。
本当に獅子の親子のようでした。

 

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1回目の幕間
夫に3階売店まで走ってもらい、歌舞伎座名物の鯛焼き「めでたい焼き」を買ってきてもらいました。
あんこの中に紅白の団子が入っているのがまた嬉しい感じ。
すぐに売り切れてしまうので、今回は買えてよかったです!
熱々が美味しかった♪♪

2回目の幕間
開演前に買っていた「天むす弁当」を食べました。^^

 

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当たり前ですが、家を出た時は明るかったのに歌舞伎座を出るとすっかり夜。 
夜の観劇もいいですね。たっぷり余韻に浸れます。

 

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