周平の『コトノハノハコ』

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『ブサメンの音楽隊』~第5話~(シューピー散文クッキング第2弾)

2022年07月10日 | シューピー散文クッキング
周平本人が目を瞑りながら国語辞典を適当なページで開いて適当な場所を指差し、目を開けた時に指が指している単語(1話につき5個)を全て文章のどこかに組み込まなければいけない「シューピー散文クッキング」の第2弾『ブサメンの音楽隊』の第5話です!

さて、今回の材料は…

「振り絞る」…小さじ3杯
「蹴落とす」…大さじ2杯
「ふざける」…小さじ2杯
「仮死」…大さじ7杯
「序幕」…大さじ4杯

毎回真剣!、”ふざける”つもりなんて一切ない第5話スタート!!

『ブサメンの音楽隊』~第5話~

「どうしても僕も加わらなきゃダメかな?」
次期生徒会長最有力候補のネコが僕ら3人に訊いてきた。

イヌは答えた。
「たしかに生徒会の選挙控えてて大変だと思うけど、バンドやって、さらにお前の人気を高めて他の生徒会長候補を”蹴落とす”チャンスだと思わない?」

「まぁ、ネコばかり目立って僕たちが全然モテなかったら困るけどね。」
ニワトリも笑いながら言った。

「そうだ! 選挙ってたしか体育館で全校生徒の前で5分間演説するよね? そこでうちらでオリジナル曲披露するのはどうよ?」僕は言った。

「いや、”ふざける”なよ! そんな事して何のアピールになるんだよ!」珍しくネコが声を荒げた。

「ごめん、たしかにそうだよな。もう文化祭は終わっちゃったし、なんか披露できるチャンス無いかな?」

「披露する場がないとモチベーションも上がらないよなぁ。」イヌがぼやいた。

そこからしばらく4人とも黙ってしまった。

すると仕方ないかのようにネコが話し始めた。

「分かった! じゃあとりあえず僕が曲を1曲作る! だから歌詞はロバが書いてくれ。披露する場はまた考えよう。」

「僕に歌詞なんか書けるかな? 歌詞書き上げる前に”仮死"状態になっちゃうよ。」
僕が言うと、またしばらく4人とも黙ってしまった。
ただでさえ極寒な真冬の校舎の屋上が、さらに冷えてしまった。

兎にも角にも、こうして「ブサメンの音楽隊」の活動は”序幕”を迎えた。

1週間後、ネコから完成したオリジナル曲のオケをもらった僕は、少ない脳みそを”振り絞る”ように歌詞を書き始めた。

メロディに歌詞を当てはめていくという作業は思った以上に大変だったが、思った以上に面白くもあった。
メロディの音符の数と、歌詞の文字数がただ合っていれば良いという単純なものではなかった。
この母音だと歌いづらいとか、この文字だとキレが無いとか、奥が深いなぁと実感させられた。

そして、数日後「ブサメンの音楽隊」初のオリジナル曲の”仮死”、いや、歌詞が完成した。

《第6話へ続く》


2 コメント

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>イワガタさま (周平)
2022-08-03 19:52:29
俺はまずこんなテーマの曲を作ると決めてから、タイトルになるようなワードを決めます。
それを元にサビのメロディを決めて、サビの歌詞をなんとなく完成させます。
それからABメロを作っていくという感じです。
イワガタさんのお父さんの曲はセンス以前に放送コードギリギリですね(笑)
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始動 (イワガタ)
2022-08-02 22:18:35
周平さん お久しぶりです。

いよいよバンド活動始動!という感じですね。
周平さんはメロディーと詞のどちらが先に浮かぶんですか?
私は子供の頃に父が聴いてたT-Squareの曲に無理やり歌詞当てはめていた事ありました。
子供の思い浮かぶ言葉なんで、今考えると何を言いたいか全く分からないものでした。
逆にメロディーが思い浮かぶ事はなかったので、亡き父がよく即興で口ずさんでいた独り言SONGは今考えると凄いなと思います。

♪すっちゃかちゃんの~ すっちゃんちゃん!

♪おしっこちゃんして~ おしっこちゃんして~ お風呂に入りましょ!

・・・センスは皆無ですな。
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