今回、いよいよ札幌戦での達海の狙いが明らかに…。ここまで達海の考えがあまり見えませんでしたが、今回の話を読んで色々納得しました。やっぱり達海は達海でした。監督は色々なことを見通せないといけませんね…。あとベンチ外の選手の和気あいあいとしているシーンが面白かったです。なんか楽しそう…。
今回は感想を書くのに無駄に時間がかかりました。実際文字数も多めです。やっぱり札幌戦は毎回濃い内容なのかも。
はじめは札幌の監督が動転しているところから。前回は貫禄があり、どっしり構えていた札幌の監督でしたが、ETUの同点ゴールですっかり気を取り乱してしまいます。この慌てっぷり、前回の札幌の監督と同一人物とは思えません…。なんがギャグっぽくて笑。札幌スタッフのツッコミナイスでした。
試合ではまた札幌が攻めようとしていましたが、ここで熊田がカットに出て攻撃を止めます!激しく当たりましたが、ファウルはとられず、逆に焦った札幌の選手がファウルをとられてしまいます…。札幌の監督とスタッフのリアクションが面白すぎでした~。
その後熊田は村越から声をかけられます。村越も熊田の動きを褒めてくれます。
「いいぞ熊田!
後半向こうは右から攻めあぐねてる!
お前の守備が効いてるぞ!」
「はい!村越(コシ)さん」
これまで今までのレギュラーメンバーと比べると見劣りした部分があるように見えましたが、熊田にもやはり他の選手と違った長所があるようです。
それから熊田は反省しつつ、このチャンスを生かそうと改めて決意。
『ホントはもっと攻撃に絡まなきゃいけないところだけど…
達海さんは俺の守備力をかって使ってくれたんだ…
ようやくもらったチャンス…
どんだけ地味でもいいプレーをして
チームに貢献すれば…
達海さんなら……』
そんなひたむきに向かっていく熊田が、どこか椿と重なって見えました。こういう選手の思いを聞くと更に感情移入しやすくなって良いと思います。サブキャラでも試合にかける思いは皆強いものだと感じられてよかったです。
そして達海の方を見ると、そこには手を上げ笑みを浮かべ拍手をする達海の姿が…。達海も熊田の働きを認めていてくれました。それに熊田は最初は驚いていましたが、認められたことに喜びを感じ、更にチームに貢献しようと決意を新たにします…!
『達海さんなら…
それをちゃんと見ててくれてる……!』
こういう監督と選手の信頼関係がまたチームに良い効果を出していくんだろうなと感じました。ピッチへまた向かっていく熊田の姿にグッときました。熱いです!ジャイキリはこういうキャラの掘り下げがやっぱり上手いと思います。
一方スタンド席から試合を見守るETUの面々。皆で次のメッセージをどうするか考えていました。今回も1コマ1コマ選手の表情や配置が面白くて見入ってしまいました。
また今まであまりしゃべっていなかった選手(住田とか)が発言することも。外側だからこそ見えるものもあるようです。
最初まず話にあがったのは亀井のポジショニングについて。この試合でも前で奪おうとするあまり、裏を狙われたりと危ういシーンが多かった亀井ですが、それも攻撃したがりのCBという面があったからでした。どうやら選手達はそれを合宿中に知ったようです。なんでも黒田に伝えた目標があれだったとか…。
「<後半戦の目標はゴール>って言って
黒田さんに超怒られてましたもんね」
「この夏キャンプまでそういう人だとは
思っていませんでしたよ俺」
確かにCBなのに攻撃したがりというのは問題かも…。ここの回想中の黒田に超怒られる亀井がなんかかわいそうでした…。黒田が杉江に止められていて笑。相変わらずの黒田でした。でもその出来事があって、選手達も今まで知らなかった亀井の一面に気付いたようです。なんかますますETUの面々が仲間っぽく見えてきたような…。
亀井のミスについて言及する選手もいれば、それがむしろ得点に繋がったのではないかと捉える選手もいました。更に守備を固めるべきだという意見も。様々な意見が出てきて選手達もどうすればいいのか迷います。
次に発言したのは世良。世良はFWの上田が気になっていました。やっぱり成果を出していないことが気になっているようで…。ですが選手達は割と冷静。
「いや堂々としてるぜ上田は」
「!!」
「うん開幕当初のお前より頼もしく見える」
しかもガブリエルにも「ドードーしてる」とツッコまれてしまう始末…。世良かわいそう。
またその横で試合を見ていた宮野は、前のアドバイスを考えたのが殿山だったということを思い出します。殿山結構鋭い面があるんですね…。それで宮野は殿山へ話を振ろうとするのですが、何故かいなくて…。で、よくよく見てみると殿山はなんとガブリエルに乗っかられていました~。この瞬間はもう爆笑でした。
「…ってあれ?いねえ
ん?
いた――――っ!!!」
宮野のオーバーリアクションがナイスでした。必死に耐えている殿山が~。やっぱり存在感が希薄な殿山でした。今回出番までよくよく見てみると、確かにちらっと描かれてはいるんですよね。殿山、どこまで存在感ないんでしょう…。
その後は焦った世良がガブリエルをどかしたことで何とかなりますが、殿山はやっぱりしんどかったようで顔が真っ青です…。そんな悲壮感が殿山の魅力なのかも。
「どけよガブ!失礼だろ!!」
「シツレー?」
「だ…大丈夫
もう少し早く気付いて欲しかったけど…」
でも皆ガブリエルをカブと呼んでいたり、この二人もチームに馴染みつつあるのかもしれません。試合で出るまではどうなるか分かりませんが…。
それから気を取り直して殿山はまた試合状況を把握しようとします。そんな選手達のやりとりを見ていたのが笠野さんと藤澤さん。藤澤さんがようやく伝言ゲームの謎に迫る時がきました~。藤澤さんはその光景に驚くばかり…。
「舞台裏はこんな感じだ
藤澤ちゃん」
「……」
『こ……こんなに
和気あいあいとやっているとは――!!』
今回見るまでは選手も色々複雑なのかなと思ったりしていましたが、皆影っぽいところはなく、こうしてみると笑いあったりと、楽しそうに色々考えているように見えます。というかこれまで読んできて一番仲よさそうにしているかも…。みんな嫌そうにやっていないということは確かだと思います。
ですがそれでも藤澤さんは納得できないところがありました。
『だからってこんなこと…
プライドのある選手ができることでは
ないでしょ
ベンチ入りを目指す選手は
もっとハングリー精神を持ってないと
いけないんじゃないの?』
確かにこれがプロサッカーである以上、藤澤さんの思うことも分かる気がしました。リアルで話を聞く時も交流している時間はあるものの、競う時は競っている気がしますし…。そこをどうETUの今回外された選手が捉えているか気になるところです。半分半分な気もしますが…。
そうして藤澤さんが考えている最中に、殿山がアドバイスを考え、実行に移すことになります。
「おお!いいね殿山
それでいこう!」
「よーし書け書けー」
「間違えんなよ!?」
「俺何?」「<さ>!」
ここでメッセージを書いているシーンも出てきました。ガブリエルがボードを持っていなかったのはどうやら日本語がまだ分からないからのようです。皆結構ノリノリで書いているのが印象的でした。
そうしてメッセージがまた送られる瞬間が――
「よーしいいかー?」
「せーのっ」
相 手 混 乱
パ ス で ゆ さ ぶ れ
「伝わるか?これ」
「念じれば伝わる!」
これまた的確なアドバイス…。皆、頼もしいです。そのメッセージからスタンドにいる選手の気迫や強い思いが伝わってきます。読んでいてとてもワクワクしました~。
そんな光景を見た藤澤さんは、そんな選手達に驚くばかり…。そんな藤澤さんに笠野さんが声をかけてきます。
「不安そうな顔してんな藤澤ちゃん
さてはあれだな?
ETUのベンチ外の選手は
こんなことまでさせられて哀れだなー…
とか思ってんな?」
痛いところをついてきた笠野さん…。その瞬間、選手達の動きも止まります…。どうやらこれは聞き捨てならないことだったようで…。なんかヤバい雰囲気です。藤澤さんも大慌て。
ですが時既に遅し…。その直後選手達が凄まじい形相で藤澤さんを「なんだと?」と言いたげに睨んできます――。こんなに怒りをあらわにするETUの選手を初めてみた気がします。背景が黒目なのが更に怖いです。特に宮野…とても怒っています。でも殿山だけはその勢いに慄いたままでらしいなーと思いました。さすがの藤澤さんもビビり気味。
どうやら選手達にもなにか秘めている思いがありそうですが…?一体彼らは何を考えてここにいるんでしょうか…次回が気になります!スタンド側の話もいよいよ核心に迫ってきました。
一方そんなベンチ外からのメッセージを見た達海はご機嫌。これもまた達海の意図通りのようです。そして札幌の監督がこっちを見ているのを確認すると、達海はまたもや何か企んでいそうな笑みを札幌の監督へ向けます――。達海、良い笑顔~。これに札幌の監督は更にたじろいでしまいます~。小物っぽさがまた素晴らしい…。ますます札幌の監督がやられ役に…。スタッフのツッコミも冴えています。
達海が自分達をなめていると考えていた札幌の監督でしたが、どうやらそうではなかったということがこの辺から見えてきます。
「そもそも何だ
向こうのメンバーは!
こっちはベストメンバーで来ると踏んで
対策を立ててきたというのに!」
どうやらこの試合、今までのETUのレギュラーメンバーとは違うということで、札幌にとって色々やりにくいところがあるようです。
「CBは攻撃に参加してきて
捕まえづらいし…
SBはきっちり守ってて
サイドのスペースが使えん!
新人のFWも思い切りのいいプレーをするし!
やりづらいったらありゃせんよ」
そしてゴールのことについても何故村越が上がってきた、攻撃的なボランチは椿じゃなかったのかとイライラする札幌監督…。これまであまり達海の作戦があまり見えずにいましたが、ここで一気に狙いが見えてきたような気がしました。これまでのレギュラーメンバーと変えてきたのはどうやら札幌をかく乱する目的もあったようですね。やっぱり達海は策士でした。
そして札幌の監督、地団駄ふんだりといいやられ役~。
「まったく!
修正に時間を取られて
こっちのプランが台無しじゃないか!」
ここの札幌の監督のセリフ…札幌はどうやら達海の策にハマってしまったようです。ETU側からするとしてやったりという感じでしょうか。
そして札幌のスタッフも達海の狙いに気付きます――。
「ひょっとして
我々のそういうところが
つけ込まれたんじゃないでしょうか」
で、札幌スタッフはそこから達海の狙いについて推測します。達海はETUに連敗している札幌が自分達のことを調べた上で挑んでくるとよんでいて、それでデータにない新しい選手を起用することで、札幌をかく乱しようと考えたようです。ただこの時点でまだ新規加入選手を使わないかは謎なままです。しばらく温存する気なんでしょうか。
で、実際監督もパニック状態…。まさしく相手の思うツボ状態です。驚く監督と対照的にやけに冷静なスタッフがいい味出していました。なんというか、もう呆れているのかも…。意外にしっかりしている札幌スタッフでした。
驚きつつ達海を見つめる札幌の監督に、スタッフは更に語ります。それは今回のETUの挑む姿勢そのものでした。
「きっと達海監督は我々をなめてたわけじゃ
ないんですよ
自惚れることなく
我々をとことん打ちのめすために
ETUは最善のメンバーで
覚悟をもって
向かってきたんじゃないんでしょうか」
1ページ使って描かれるETUベンチの達海・松原達コーチ陣の姿がそのセリフの説得力を更に増させていた気がしました。ベンチの前に立ち、試合を見守る達海は自身満々でした。
札幌がバタついているのに達海と松原も気付いていて、更に何か仕掛けようとします。
「だったらもう一度
あたふたしてもらうまでだ」
達海はまた何かが起きることを確信していました。どうやらこの試合、まだ何か起きそうです――。
試合ではちょうどジーノにまたボールが回ってきたところでした。相変わらずジーノは余裕ありげに狙いを見定めようとしていました。そしてジーノが目をつけたのは椿――。
「狭いところでキープしてると
削られそうで嫌なんだよね
だから君にあげるよ
バッキー」
この試合、あまり目立たなかった椿がようやく動き出しました!ここまで出番がなかったものあってか画からもそんな椿の気迫が伝わってきました。やっぱり椿!あとどうでもいいかもしれませんが、札幌戦に入ってから達海と椿の輪郭の描き方がなんか変化したような気がします。これからどう変化していくのか気になるところ…。
スカルズもそんな椿の上がりに驚きます――。
「うおお!
前半上がりの少なかった椿が
ここで来た!!」
これもまた作戦の一部だったのかもしれません。これは追加点のチャンスかも…!
「おおっしゃ速攻――っ!!!
持ってけ椿―――!!!」
そして今回ラストは椿が誰にボールをパスするのか揺らいでいるところで終わり。札幌も警戒しますが、最後の方のコマでは駆け込んでくる熊田の姿が…!熊田、ここで名乗りを上げるんでしょうか。追加点が入るかどうか気になるところで次回へ続きます!
次回も札幌戦が続くようです。で、気になるのは追加点のことですが、今までの展開をふまえて考えると、1回目のチャンスはダメでも、2回目のチャンスで入るんじゃないかと予想しています。札幌もやられ役みたいになっていますし…。なんかこの上調子の流れだと入りそうな予感がしますし…。引き分けでいいかもと思っていましたが、是非ここでETUに勝利して欲しいです!
あと気になるのはベンチ外の選手がどういう気持ちで伝言を続けているのかどうかですね。次回でそこも明かされそうで楽しみです。きっと悔しいという思いも、試合に出ている選手に頑張って欲しいとという思いもあると思います。チームの団結・連結力を強める一歩になるんでしょうか。
あとツイッターの方でもつぶやきましたが、第34回講談社漫画賞の贈呈式が行われ、その記事が公開されていました。綱本さん・ツジトモさんのお二人のお姿が見れるチャンスなのでファンの方は是非チェックして見て下さい!とりあえずお二人が並んでいるのを見て、色々安心しました。こうしてちゃんと顔出しするのは初だと思いますが、お二人とも素敵です。モーニングのHPのプロフイラストそっくり~。ツジトモさんのネクタイの柄がETUカラーでつい気になってしまいました。
ではまた次回に!