何だかかなり久しぶりな気がするクラナド。今回はことみの過去がことみ本人の口から明らかにされます。その過去にはもう涙・・・。切ないです。これを聞いた朋也はどう動いてくるのか気になります。
前回不法侵入でことみの部屋に突入した朋也(大体間違ってはいないはず)夕日の光が差し込む部屋で朋也はことみに声をかけます。
「最初から俺だって分かっていたんだろ?なんで言ってくれなかったんだ・・・」
「学校の図書室に朋也君が来た時、私本当に嬉しかったの。
あの時の男の子が戻ってきてくれたんだって。
でも・・・すぐに気がついた。朋也君私のこと忘れているって。
なのに私とまたお友達になってくれて、
初めて会った女の子として大切にしてくれて、
いろんな友達を紹介してくれて・・・分からなくなったの。
思い出して欲しいのか、忘れて欲しいのか、あの時の私のことを・・・」
ことみの想いが切ないですね・・・。ここまで見てみると今までのことみの不思議っぷりについて分かってきそうです。それからことみは自分の過去について朋也に語りだします。それはことみの幼い頃の話。ことみは両親の考えについて幼いころから話をされて、すこやかに育ってきたみたいです。そんな中ことみは父に自分の名前の由来を訊ねます。
「どうして私はことみっていうの?」
「・・・見てごらん、ことみ。この世界を形づくっているのは、
目に見えないハープだ。ハープは「琴」ともいう」
「ことみの琴?」
「世界はハープに満ちていて、
そのひとつひとつがそれぞれ異なった音を奏でているんだ。
そうしてあらゆる音が複雑に響き合い、たったひとつの調べが生まれる
だから、世界はこんなに美しいんだよ」
「何でも大げさに話したがるのは父さんの悪い癖。
本当に大切なことはいつでも本当に簡単なことなの。
ことみちゃんはことみちゃん。とても綺麗な3つのひらがな。
お父さんとお母さんの大事な宝物」
ここはこの脚本を書いた人ならではの世界観がある描写だなと感じました。ことみの父はやっぱり聡明な学者だったみたいですね。良い両親です・・・。暖かい家庭でことみは育っていたんですね・・・。ことみの笑顔がとても可愛かったです。ことみは淡々と語っていきます。ことみにとってこの家、家族がすべてだったようです。
そんなある日、バイオリンの練習をしていたことみは、遊んでいて家に迷い込んできた朋也と出会います。これが前回の蝶と繋がっていくんですね。些細なところも見逃せません。しかし子供朋也もかなりかわいいんですが・・・。ここでことみはあのお決まりの言葉を朋也に言います。
「ことみ。ひらがな3つで、ことみ。呼ぶ時はことみちゃん」
名前の由来を聞いてからだとこの言葉しんみりしますね・・・。と、そこにことみ母もやってきて朋也は家に招かれます。ケーキがおいしそうです。そして2人とも可愛すぎる・・・。こうして朋也は一之瀬一家と付き合いが出来たようです。ことみは朋也との出会いを思い出しつつ語ります。
『私は学校では一人だった。
皆が読まないご本を読んだり、皆が考えないことばかり考えているから。
でも、岡崎朋也という男の子は、学校の子達とはちょっとだけ違うようだった』
やっぱりことみは小さい時から周りから浮いていたんですね。でも朋也については別の何かを感じていたようです。
そんな小さい頃のことみはある日父に誕生日にはくまさんのぬいぐるみが欲しいとお願いします。はしゃいでいる様子のことみでしたが、プレゼントはなんでもよく、ただ単に女の子は普通ぬいぐるみを欲しがるものだと本に書いてあったからそうお願いしたのだと語ります。ことみもただの天然系少女ではないと感じ始めてきました・・・。
しかし幸せな日々は唐突に終わりに近づいていきます。誕生日近くになったある日ことみの両親は飛行機で仕事で出張に行くことになってしまいます。ことみはこれに猛反対し、誕生日には一緒に過ごしてくれると約束した、朋也も来てくれると言い、どうにか引きとめようとします。でも両親は困った様子でお誕生日の料理は作ってあるからとことみを説得しようとします。やっぱりご馳走だけあっても寂しいですね・・・。そう言われたことみはショックのあまり、
「お父さんとお母さんのうそつき!!大っ嫌い!!」
と言ってしまいます。どうにかなだめようと母はくまさんのぬいぐるみを買ってきてあげるからといいますが、物に執着していないことみは、
「いらないもん!!お父さんもお母さんも大っ嫌い!!」
と泣きながら強く言いました。ああ、言ってしまった・・・。劇的な黒い効果が絶望的です・・・・・・。それから両親は飛行機事故で帰らぬ人に・・・。何とも後味の悪い別れとなってしまいました・・・。これは・・・トラウマになりますね・・・。
それからお誕生日の日。ここを語ることみがいつになく悲しそうに思えました。
「お誕生日の日は誰も来なかった。家政婦さんも急病で、私は一人だった。
そして朋也君も姿を見せなかった」
これは悲しい以外に言う言葉が思い浮かびません・・・。朋也もこなかったとは・・・何故これなかったのでしょうか。いずれにせよ、来なかった理由が気になるところ。クラナドのことですし、何かあったとしか思えません。
そんな時、ことみの家のチャイムが鳴ります。両親かと思い笑顔で出ることみでしたが、そこにいたのは今までことみに絡んできたことみに「悪者」と呼ばれていた老人。老人は中に入れてくれるように頼みますがことみは、
「知らない人は入れちゃだめって言われているの」
とまあ正論なことを言います。それを聞いた老人は
「お父さんとお母さんのことはまだ聞いていないの?」
と聞き、それからことみに両親の事故について教えてくれました。でも老人が父の論文を探していると聞き、これを拒み帰るようにと言います。悲しむことみは夕空を見上げてお願いをしますが・・・。
「これからはうんと良い子にします。わがままも言いません。
お勉強もたくさんします。ご本もたくさん読んで良い子にします。
だから神様お願いです。お父さんとお母さんを帰して下さい・・・。
だからどうか・・・返して下さい・・・・・・」
泣きながらそうお願いすることみ。ことみはそれから両親の事故についてのニュースを見たり、家で両親を捜し求め彷徨い泣き崩れます・・・。それからことみは父の書斎に。そこに立ったことみは論文らしき書類を見つけ、こんなものがあったから・・・と言わんばかりにその書類を燃やしてしまいました・・・。それを悲しく思いつつも、家、よく燃えなかったなと思ったのは自分だけでしょうか。前の朋也の燃える部屋の回想と関係がありそうな予感。
それからことみは父の論文を燃やしてしまったことに罪悪感を感じるようになり、その罪滅ぼしのつもりなのか両親の事故を書いてある記事を切り取って集めるようになります。最初は新聞からでしたが、それでも足りないと本からも切り取るようになったようです。これがこことみが本からページを切り取る理由だったんですね。ちゃんと理由がここに。
それからことみは今の自分のしなくてはならないことについて語ります。
「それから私、たくさんたくさんお勉強したの。
お父さんとお母さんの痕を継ぎたいって思ったから。
お父さんとお母さんはこの世界の成り立ちを、
一番綺麗な言葉で表そうとしていた。
それは世界中の人に伝えなくてはならないこと。
他の誰にも真似することはできない。私にも・・・。
でも私がそれをしなくては、
神様は論文を燃やしてしまった私を許してはくれないから・・・」
そう語ったことみは泣き出してしまいます・・・。何と悲しいことでしょうか・・・。朋也も話を聞いて辛そうな様子。そんなことみの過酷な過去に、今はこれ以上朋也は深入りすることは許されませんでした。
「もうあんな悲しいことは嫌なの・・・大好きな人を亡くすのはいや。
・・・今は帰って」
それから朋也は次の日学校で、ことみがしばらく学校を休むこと、ことみの担任の先生からことみのアメリカへの海外留学について聞かされます。そして先生はことみは昨日まで乗り気ではなかったのに、今日になって話を進めるように言われたと聞き朋也は驚くばかりでした。
それから朋也はことみのことを渚に話した後、またことみの家に向かいます。今回は朋也がことみの為に尽くしている感じが。
庭に入った朋也。そこで朋也はまた荒れた庭を目の当たりにして、草刈をすることにします。そこに渚も心配で駆けつけます。そして杏達もことみのために何かしようとしているのだと朋也に教えます。それを聞いた朋也はことみの誕生日が4日後の今週の土曜日だと聞き、渚に伝言を頼みます。そして渚はことみを助けられるのは朋也だけだと言います。
「杏達に伝えてくれ。お互いに頑張ろうって」
「はい!ただことみちゃんを学校に戻してあげられるのは、
世界中で岡崎さんだけだと思います」
「大げさだな」
「大げさではないです」
始めこそ軽い様子の朋也でしたが、渚の真面目な言葉に反論ができませんでした。確かに今ことみを助け出せるのは朋也の他にいません。
朋也はそれから何かを感じたのかひたすら草刈に明け暮れます。草刈をしているシーンを見るたびニコニコ市場が面白いことになりそうだと思いつつ見てしまいました。そうして時間は夕方を過ぎ夜に。朋也は草刈がひと段落した後、ことみに
「おやすみ、ことみ・・・」
と呟き帰っていきます。ちょっとドキっとしてしまいました。
次の日も朋也は朝早くからことみの家の庭にやってきてことみのことを思いつつ、草刈をします。やっぱりこの尽くす朋也を見ていると胸が痛くなってきます・・・。とにかく朋也は一生懸命です。Tシャツがさり気に良い感じ。
と、そういう風に草刈をする中で朋也は草の下に隠れていた花壇を発見します。草に埋もれて見えなかったんですね。それを見た朋也は一瞬花がたくさん咲いていたころの花壇を思い出します。それから朋也は今の草刈のペースでは誕生日に間に合わないと悩みます。
それから朋也はガーデニングの知識を得ようと本屋に立ち読みしに行ったり、道具を買いにいったりします。これかなりの出費そう。どこからお金が出ているのだろうか・・・と思っていたら、そこにちょうど通りかかった杏が答えを聞いてくれます。渚・椋も一緒。朋也はそれに
「いつか家を出ようとバイトの金を溜めていたんだよ」
と、答えます。やっぱり朋也はあの家から出ようと考えていたようですね。納得です。バイトもしていたとは意外でした。
一方杏達は杏達なりにことみのために何かしようと、ことみのお気に入りにしていたバイオリンを話を通して手に入れていたものの、通りかかりのバイクに衝突されて、そのせいでバイオリンが壊れてしまい途方にくれていたところでした・・・。なんて運の悪い・・・。バイク許すまじ。
それを気にする渚・椋でしたが、杏はバイクの方が100%悪いとフォローします。しかし鉄パイプが手元にあったら~と言う杏が怖い・・・。鉄パイプが手元にあったらどうなっていたところやら。
その後は朋也の提案でバイオリンを修理してくれる楽器屋を探す事になります。しかしかなり破損している楽器の修理を受けてくれるところはそうそうなく、4人は途方にくれます。でもこのまま諦めるわけにはいかないと4人は懸命に楽器屋を回ります。そうしてようやく修理を引き受けてくれる楽器屋を見つけますが、修理に1ヶ月~半年かかる、元の音が戻るかは保障できないと状況はよくありません。修理代はどうやって集めるのか気になりますね。
そんなバスの中、杏はふと呟きます。
「こないだまではあんなに楽しかったのに、
なんでこう上手くいかないのかしらねー」
そんな杏の言葉に皆頷くように沈黙してしまいます。確かにあんなに賑やかだったのに今はとても静か。寂しいものがあります。その杏の言葉を受けて渚は今もことみが家にいるのかどうか心配になります。
それから夜、ことみの家に。朋也はさっそくまた草刈を再開しようとします。杏、椋は大分草が減った庭を見て朋也を褒めます。確かにひとりでなかなかここまではできないと思います。でも朋也は
「全然だ。こっちも土曜日に間に合うか分からない」
と、状況は良くないといいます。どちらもなかなか上手く進みません・・・。それを感じ4人はまた沈黙します。が、また杏がことみに呼びかけます。必死に呼びかけますがことみの反応はなく・・・。そんな中渚は
「岡崎さん、私達もお手伝いしてもいいですか?」
と朋也に聞きます。が、朋也は渚達のことを気遣って、
「ありがたいけど、もう遅いだろ?帰りが遅いと家の人が心配するぞ」
と家に帰るように3人に言います。何だか朋也がいつになく優しくみえました・・・。別人のよう。そう言われた3人は朋也の心遣いを受けて帰宅していきます。渚は朋也を気遣ってから帰っていきます。
「岡崎さんもあまり無理しないで下さい」
「分かってる。道具を整理したら俺も帰るよ」
そう渚には言ったものの、朋也は土曜日に間に合わせる為にと3人と別れた後でも草刈を再開します。しばらくは黙々とシャベルを動かしつつ、あることを確信し、不安になっていきます。
『埋まっているのは、きっと子供の頃の俺自身の記憶だ。
ことみは眠っているんだろうか・・・悪い夢は見ていないだろうか・・・?
もしかしたら、いまやっていることはすべて無駄かもしれない。
そうなった時、俺はそうすればいいのだろう?
・・・そうなった時、俺には耐えられるだろうか・・・』
何だか今回の朋也は痛々しいシーンが多いですね。そしてどこかいつもの朋也とはまた違いやはり優しい気がします。庭の草刈が終った時、朋也は何を思い出すのか気になります。とにかく気になるのは何故朋也はことみの誕生日の日にことみの家に来なかったかということでしょうか。これで特別な理由がなかったら凹みます・・・。あの朋也の火事の記憶からすると、もしかするとことみが知らないだけで来たのかもしれませんが。
と、そんな風に辛い思いをしながら草刈を進める朋也でしたが、その時
「岡崎さん~!!」
と渚の声が聞こえてきます。そして杏・椋も。
「戻ってきちゃいました」
「渚の言った通り、やっぱりまだやってたわね」
「私達にも、お手伝いをさせて下さい。お願いします」
「それじゃ、あと30分だけな!」
「はい!!」
ちょっと癒されましたね。今までの数々の交流が実を結んできたように思えます。まだ状況は変わりそうですね。4人に頑張って欲しいです。3人が戻ってきてくれたことで、朋也の心境も明るくなっていきます。
『そうだ、不安がることなんてない!
俺はひとりじゃないんだから!!』
ここの渚を見ての朋也の笑顔が良い感じでした~。ふとこのセリフでドラゴノーツを思い出してしまった私は一体・・・。忘れたいです。
その後は朋也はもちろん、渚達も草刈を一生懸命手伝います。膝を土につけてまで・・・。渚はいいとして、藤林姉妹のタイツが気になってしまったのは私だけでしょうか・・・。ちょっと土がつくのではと不安に。
と、作業を進める中、渚が2階のカーテンが少し揺れたことに気づきます。これはもしかすると・・・。それを聞いた3人は笑みを浮かべ、気合を入れて草刈を進めていきます。
「さあ続けようぜ」
「うん!!」
何だか良い青春ものを見ているようでした・・・。今回はどん底な状況ながらも、まだ希望を感じさせるような終わり方で良かったです。果たしてことみの誕生日の日まで色々どうにかなるのでしょうか。今回は今までで一番見ていて時間が短く感じました。皆の思いがことみに伝えればいいのですが・・・。
しかし見ていてやっぱり気になるのは、この段階までくればいてもいいはずの春原がこの中の面子にいないことですね。これは原作の脚本を、違う方が書いていた影響なんでしょうか。ちょっと寂しいです・・・。いれば作業能率も上がると思うんですけど。
次回は「Theory of Everything」次回予告の音楽がまた泣かせます・・・。ことみの意味深な台詞が気になります。何らかの意味があるはず。アニメ誌のあらすじによれば次回でことみの話は一区切りになりそうです。果たしてことみは皆の前でまた笑うことが出来るのか見ていきたいと思います。クラナド・・・本当に本筋に入ると泣かせてくれますね・・・。