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コツコツ一直線

好きな作品をアニメ・ジャイキリ・牙狼<GARO>中心に感想レビューしています。

GIANT KILLING(ジャイアント・キリング)#82 モーニング41号 感想

2008-09-12 23:56:19 | GIANT KILLING (原作感想)

 前回良いところで終わったジャイキリ。今回はその後の試合の様子が描かれていきます。果たしてETUは3得点目を取ることができるのでしょうか。今回は達海・世良に注目です。そして遂に待ち望んでいた瞬間が・・・!あと来週号は嬉しい表紙&巻頭カラー!とても楽しみです。


 大阪戦、前半は2-0と攻められっぱなしになっていたETUですが、後半に入り達海の作戦が効果を現し、その結果、大阪は守りに徹することになり、徐々にETUが盛り返してきました。そうして点数は2-2の同点に。でも流れは着実にETUに。今回もその好調は続きます。

 そんな中、試合ではジーノが夏木にパスを出す場面に。この試合で夏木に対してぞんざいな態度を取り続けていたジーノですが、1点目を取った時の夏木の健闘ぶりを見て納得できたのか、ゴール近くにいた夏木へパスを出します!これは期待できるかも!と構えてここから読んでいました。
 そのジーノのパスは見事に夏木の元へ向かっていきますが、結局背の高い大阪の選手のマークに阻まれてしまいます。これに応援していたベンチの杉江達はがっかり。ジーノも、

「・・・・・・・やはりナッツはやめておけばよかった」  

 と苦い表情を浮かべます。1回目読んだときは夏木が当たり負けしたという印象しかありませんでしたが、ここは2回目読んでみると、後の展開の布石だったのかな~と感じます。
 今回地味に面白かったのは杉江・清川が一生懸命応援しているのに、赤碕だけがベンチに座って休んでいるところなのではないかと思います。これまで全力を出してプレイしていて疲れているのは分かるんですが、杉江を見ていると、もうちょっとこう・・・と思ってしまいます。でも赤碕が必死に誰かの応援をする姿は思いつかないんで、らしいと言えばらしいのかも。

 しかしそこで攻撃は途絶えず、そのこぼれたボールに飛び込んでくる選手が!世良です!!世良は諦めず、ボールへと向かっていきます。でもここでも夏木と同じように大阪の選手に阻まれ、攻撃を止められてしまいます。これにETUの面々はまたまた悔しがります。

 一方コーチの松原はいつも通り、空気を読んだリアクションをとっていてくれました。松原はいつも読者視点でリアクションをしてくれる良いキャラだと思います。松原は世良が当たり負けしているのを見て、

「やはりああいう場面・・・ガタイのない世良には酷ですかね―」

 と、言いますが、達海はというと・・・

「んなことないよ」

 なにやら違う様子。その後も達海は確かな根拠があるかのように、そんなことはないと、松原の言葉を否定します。

「まったくもって
 んなことない」

 達海には世良に何か見出しているものがあるようです。それは果たしてどういうものなんでしょうか。それはここの達海の表情がまた良い感じでした。もしかすると前回達海が期待していた選手というのはやはり世良だったのでしょうか・・・!

 そうして試合時間は終わりの後半45分を迎え、残りはロスタイムの4分!ここが正念場です。応援も更に加熱していきます。世良も変わらずボールを追い続けますが、その中で世良はもっと集中を、早く追いつかないとと、焦りを感じ始めます。そう考えていく中で世良は、身長もない・頭も悪いと自分には足りないものばかりだと落ち込んでいきます・・・。

『俺にはないもんばっかりだ・・・
 プロ選手に必要なもんが
 ・・・・・・
 俺に・・・才能なんてもんはない・・・・・・』

 この世良の思いはすべてではないにしろ、分かるような気がしました。きっと誰もが一度はそんな思いを抱いたことがあるのでは。私もいつもそんな思いでいっぱいです。ここのコマの白い空間がそんな世良の心境を物語っている気がしました。

 と、そんな悩む世良を達海が見つめていました。達海は世良を見て、確かに体格的に選手としては恵まれていないのかもしれないと前置きした上で、

「でもね」

 
と、何故世良はダメじゃないのか、その理由を語り始めます。それは・・・

「世良みたいな選手ってのは
 自分に何ができないかを知ってる

 それはつまり
 自分にできる限られたことが分かっているってことだ

 だからピッチで迷わない」

 ということ。自分に何ができないかを知っているがゆえに これは予想していませんでした。思わずなるほど~と思ったり。リアルの間も忘れないでいたいです。
 それから達海は、その世良のその強さが劣等感からきているものだと読みます。

「おそらく世良みたいな連中は・・・・・・
 劣等感から始まってる

 できないことを消去法でそぎ落とし
 できることだけを磨いてプレーしてる」

 確かに人間何か物事の言動力となるのは劣等感からという気がします。そしてそう思うからこそ、良くしようと前を向けるのかもしれません。達海の言葉には納得させられました。
 また判断も鈍らずこぼれ球に反応できたからこそ、大阪の選手と競り合うところまでいけたんだと、これまでの世良の動きを評価。世良の頑張りは達海にちゃんと伝わっていました。達海はちゃんと選手達をよく見ていたんだなと改めて感じます。流石は達海です。一方で選手時代、達海もそう感じたことがあるのか気になったり。
 そして達海はそんなプレイしている世良の背中を見て、こう結論づけます――。

「・・・・・・
 磨いて輝かないものなんてない

 だから期待するんだ俺は
 そういう奴が才能ってもんを凌駕すんのを

 そういう奴の頑張りが
 チームを強くするんだ」

 このセリフに関しては、語ろうにも語ることはできません・・・。ただ読んで達海のセリフに唸ってほしいと思います。このセリフにはもうシビれました。1回目読んだときはニヤニヤが止まらず苦労しました。
 その一方でこの達海のセリフ、書き出してみて改めて思うのですが、何と言うかちょっと熱すぎる気が・・・。でもその熱さがジャイキリの魅力なんだと思います。このセリフもまた達海名言入りですね。リアルで辛くなった時、このセリフを思い出して頑張れたらと思います。ジャイキリには読み始めてから色々もらっています。

 それからまた試合に。藤澤さんは大阪が守備を集中している今の状況を見て、

「何か意外性のある・・・」

 と、ETU側に何かアイディアがなければ、得点することはできないと考えます。確かにこれまでの状況を読んできていると大阪に勝つには普通にプレイしてても勝てる気はしません。ETUもここで今までと違ったものを見せて欲しいと思いますが・・・。

 一方試合は村越が畑を抜き、そのままゴールへ向かっているところ。大阪は村越を猛マークしようとしますが、これは

『コッチに釣られろ!!』

 
村越の思惑通り。村越の狙いは別にありました。それは自分に敵を引き付けて空いたスペースに駆けてきた椿にパスを出すことにありました。
 その村越の作戦は見事成功!椿はゴールへシュートを放ちます――!ここのシーンは読んでいて、キタ――!と一人興奮しつつ読んでいたりしました。そんな椿のシュートの行方を様々なサイドの面々が見つめます。ここのボールを蹴った後の椿の表情がまた良い感じで満足でした。
 が、ボールはキーパーに弾かれてしまいます。予想通りとはいえ、残念でした。これにがっかりするサポーターですが、まだ試合は進みます。そのこぼれ球を大阪の選手・夏木が追います!でもそのボールはまずジーノへ。そして世良もボールを追います――。
 その最中世良は、また自分に対し後ろ向きで、こう思います。

『俺には才能なんてもんはない
 プロでやれてるだけで奇跡だ』

 ここは世良の胸の内が黒背景だということが、世良の今の心境の暗さを感じさせられました。世良はずっとこれでいいのかと迷い続けていました。またここのコマの流れにもリズムがあって絶妙だなと感じました。名古屋戦でもこの辺光っていると思っていた部分でした。ふきだしがない分、絵に力を感じます。
 そう思っているうちに、ボールは宮野へ回ってきます。宮野もマークされつつもゴールへシュートしますが、ゴール内に向かっていったものの、キーパーにはじかれそうに――。
 ゴールへ向かっていくボールを見つめる世良。変わらず落ち込み気味な世良ですが、ここで達海が自分を交替させなかったことを思い出して、次第に考えが前向きになっていきます――。

『けど

 監督は
 こんな俺を使ってくれてる・・・・・・

 それなら
 信じて見てもいいかもしれない
 俺が・・・俺っていう選手のことを・・・・・・』

 世良は監督が信じるなら、自分を信じようとします。ここはそんなゴール前へ向かっていく世良の姿がまぶしく見えました。世良もまたこれまでの椿と同じように迷っていたのかもしれません。この辺若さを感じるような・・・そんな気がしました。

 そうして世良はゴールへと駆けていきます。世良は迷いなくボールへ向かい、ヘディングでボールをゴールへと押し込めます――!ここのシーンにもセリフが一切なく絵だけで表現されており、これまでのゴールとはまた違った印象がありました。静かなゴールというイメージが。でもこの後スタジアムはその反動で熱気で溢れるはず。ここ一連のシーンもまた本誌で直接ご確認下さい。コマのリズム感が素晴らしかったです。
 と、遂に世良が得点を入れました!!これでETUに3点目が入り、点数は3-2ETUがまさかの逆転!これこそまさしくジャイアント・キリングだと思います!
 今回最後は世良がゴールに自分が入れたボールを見つめるシーンで終わり。最後の1pを見た時はもう心の中で叫びまくりました。世良もFWとしての意地をようやく見せてくれて嬉しかったです!ここまでずっと期待していただけに。今週は良い気分で過ごせそうです。


 次回はこの展開でいくと大阪戦の締めに入っていくのでしょうか。これでETUの勝利は揺ぎ無いものになったんじゃないかと思いますが、果たして・・・。個人的にはこの得点後に堺の出番に期待しています!ここで出番がなかったらショックです・・・。世良はやることをやったんですし。
 今回は世良がFWとしての意地とかを見せてくれて安心しました。世良の心境の移り変わりもしっかり描かれていたと思います。今6巻でのあの堺の言葉を思い出すと、またこみあげてくるものがあります。世良は諦めませんでした。とにかく世良ゴールおめでとう~と今は思います。

 また次回は表紙&巻頭カラーです!前日に公式で見て次回予告のトップに名前があってもしやと思っていたら、やっぱりきました!この流れで行くとカラーでは得点を喜ぶETUの面々が見れるかもしれません!この時をまた待っていました~。
 
これまで単行本合わせでカラーとかになっていたことを考えると、ペースが早くなってきていますね。それだけ世間のジャイキリへの注目度も上がってきているのかもしれません。実際この夏チェックしてみたところ、平積みにされている本屋はかなり増えているようです。嬉しいような寂しいような・・・。
 
あと中村選手のインタビューも載るということで、もしかするとツジトモさんとの対談の様子も見れるのかもと楽しみです。載るといいんですが・・・。今回から始まった選手のインタビューも普段と違った一面が見れて面白いなと思いました。

 ちなみに今号で私がジャイキリを読み始めてから1年になりました。何だかとても短かったような・・・。ジャイキリに会ってから毎週木曜日が生きがいになりました。幸せです。これまでジャイキリからは様々な勇気をもらい続けています。それを忘れず、これからも自分なりに、ジャイキリプッシュを続けていきたいと思います。

(追記)
 遂に予告に堺が~!今までで一番テンションが上がりました。しかもセリフがFWとしての自覚について…!これは期待できそうです。とにかく今は今週の木曜日が楽しみで仕方ありません。

 ではまた次回に!