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禅と薔薇

高島市 曹洞宗 保寿院 禅の話と寺族の薔薇のブログ

2014年10月20日 | 小さな法話
最近姿を見ないけれど、どうしているの?
特に何をしているわけではありませんが、毎日を過ごしています。

そうそう、そういえばこの前、地獄を見に行きました。
出かけていくと、ちょうどお昼の時間でした。
食卓の両側には罪人がずらっと並んでいました。
「地獄の事だからきっと粗末な食事に違いない」と思って食卓をみると、あにはからんや豪華な食事が並んでいます。それなのに罪人たちはガリガリに痩せています。「おかしいな」と思ってよくみると、恐らく1メートルはあろうかという長い箸を持っていました。その長い箸を使って、ご馳走を食べようとするのですが、できるはずもありません。イライラして怒り出すものもいます。それどころか隣の人がつまんだ料理を奪おうとして、醜い争いが始まる始末です。その場は、まさに地獄でした。

あくる日、今度は極楽へ出かけました。
極楽はちょうど夕食の時間らしく豪華な食卓の前に極楽に往生した人が座っていました。「極楽の人はみんなふくよかで肌もつややかだな」と思いながら、手元に目をやると、持っている箸は、地獄と同じように1メートルはある長い箸でした。
「一体、地獄と極楽はどこが違うのだろう」と不思議に思っていると、食事が始まり、人々は長い箸でご馳走を挟むと、「どうぞ」といって向こう側の人に食べさせ始めたのです。さも満足そうな相手は、「ありがとうございます。今度はお返ししますよ。あなたは何がお好きですか」と自分にも食べさせてくれるのです。にこやかに会話が弾む、楽しい食事風景でした。

グルースアン・アーヘンが一輪、咲いています。とても淡い色ですが、きょうは淡い色が美しいと思います。