はからい

朝の冷え込みが厳しさを感じます
この寒さは、私のはからいかねるもの

温かいお茶を一杯
　このお茶の温かさは、私のはからいのできるもの

窓越しの日差しが、温かさを感じます
この温かさは、私のはからいかねるもの

さあ、あなたもいっぱいのお茶を
　このお茶の温かさは、私のはからいのできるもの


楽しい人生も、今はそうでも、これからも続くものとは限りません。永遠でないことに「苦」があります。
「四苦八苦」の四苦とは、「生老病死」この四つの苦です。
「苦」を、単純に苦しみと捉えるのではなく、生老病死を私たちの煩悩（執着）からの苦しみ迷いのもとと捉えます。

生老病死は、自分自身のはからいごとでは、いかないことです。
そのことをしっかり踏まえると、自分のできることを行っていくことに、いきつきます。

ブライダルティアラの薔薇の白さが光るようです。
この白さは、私のはからいかねるものです。

観

最近は、お寺参りも椅子が主流になりました。
膝が痛くてと云われる方が多くなり、また畳の上に座ることに慣れていない方が多くなりました。

少し前は、畳の上に正座する姿がよく見受けられました。
そんな中で、ひとりのおばあさんが、膝が悪くて座ることができません。
でも「私はお寺参りが好きだから」と、毎月お参りくださいました。
正座ができないので、寺参りのときは、足を投げだします。
「行儀が悪くてごめんね」といいつつ、座布団を一枚、伸ばした足の上にかけます。

一枚の座布団は、ほとけさまへの心遣いと、ほかの方への気配りです。

このおばあさんのことを、行儀がわるいといえるでしょうか？

「ほとけさまは、ちゃんと見ておられます」
どうぞ、お参りください。


ペルシアンミステリーがやわらかい花びらをつけています。

咲

薔薇がきれいな季節です。
庭には、いろいろな種類の鉢植えが、今だとばかりに咲いています。

子どもの頃、犬を飼いたいと両親に言ったことがあります。お参りの方に吼えるのでだめだということで、結局猫を飼うことになりました。

薔薇には「とげ」があるから、お寺にはどうかと思っていましたが、大正時代にはここの門柱に薔薇が巻かれていたそうです。

あるお寺では、たくさんの薔薇を栽培されていますが、薔薇の「とげ」には厄除けの意味があるそうです。
それはともかく、たくさんの花を咲かせている薔薇は、美しいものです。

秋空のもと、毎日「ガブリエル」がきれいに咲いています。

秘仏

秘仏の御開帳をされているところがあります。
秘仏とは、厨子の中などに秘蔵して外から見えないようにした仏像をいいます。
なぜ、秘仏となっているのでしょうか。
人を錯覚させるほど仏像の霊験が強すぎるため、あるいは人から誤解されやすい異様な姿のため、または仏像が失われたり、損傷が著しいなどが考えられます。
代わりに、お前立を拝んだりする場合もあります。

絶対秘仏のところもありますが、お寺によっては、毎年、あるいは数年にまたは数十年毎に御開帳されているところがあります。中には、出開帳という場合もあるようです。
御開帳のときにお参りできるとよいのですが、時期が会うとは限りません。
秘仏のときのお参りになることもあります。

私たちは、木や石、土、金属、漆などでつくられた仏像を拝んでいます。
でも、本当はそこにおられる「ほとけさま」を拝んでいるのです。

大輪は花を咲かせると、うつむくのが多いのですが、少しこぶりな「インフィニティ」は、花が上を向いています。

そつ啄同時

鶏の雛が卵から産まれようとするとき、殻の中から卵の殻をつついて音をたてます。これを「そつ」と言います。
このとき、すかさず親鳥が外から殻をつついて破ることを「啄」と言います。
この「そつ」と「啄」が同時であってはじめて、殻が破れて雛が産まれるのです。
これを「そつ啄同時」と言います。
親鳥の啄が、少し早くても、また少し遅くても、中の雛が殻を破って出てこれなくなります。雛の命に関わるたいへん重要な瞬間ということになります。
禅語では、親鳥を師匠に、雛を弟子にみたて、弟子の悟ろうとする心と、師匠の悟らせようとする心が一致し、悟りに至るということをいいます。
同時と言っても、お互いがあらかじめ相談し、つつく時を示し合わせたものではありません。
見方によっては、奇蹟的なことだと感じてしまいますが、これも縁です。
人間のはからいでわからないことは、不可思議という言葉になります。

「真夜」が咲きました。
虫が周りをとんでいたので、花に穴があかないかと思っていましたが、きれいな花が咲きました。