goo blog サービス終了のお知らせ 

禅と薔薇

高島市 曹洞宗 保寿院 禅の話と寺族の薔薇のブログ

老倒疎慵無日

2015年03月30日 | 小さな法話
「老倒疎慵無日 閑眠高臥対青山」(ろうとうそようぶじのひ かんみんこうがしてせいざんにたいす)という言葉があります。
漢字ばかりが続くと、難しいように勝手に思い込んでしまします。
年老いてすっかり丸くなった人が、高枕で青山を眺めながら寝ているということです。
こだわりのない禅僧の境地をあらわしているということです。


うらやましい環境かも知れませんが、その環境は、自分の外の環境ではなく、
自分のうちの環境にあります。

心の持ち方が大切なのです。


薔薇「禅」は、春がうちに満ち満ちているようです。

彼岸

2015年03月19日 | 小さな法話
春のお彼岸です。

自分の足元を見つめ直す、よい期間です。

彼岸は、此岸から彼岸へ至るといわれますが、
言葉を変えれば、此岸はそのまま彼岸になるのです。

「今」を生きている私が、彼岸になるのです。

そこに何の区別も境も無くなるのが彼岸です。

薔薇「禅」は、誰かに言われることもなく、花を咲かせる準備をしています。


八風吹けども動ぜず

2015年03月11日 | 小さな法話
昨日はひどい風が吹きました。比良八荒の時期を迎えます。

『寒山詩』に「八風吹けども動ぜず」という句があります。
八風とは八方から吹く風のことで、
八方とは、利・誉・称・楽の四順と衰・毀・譏・苦の四違を言います。

利は自分の意に叶うこと、誉は影で褒められること、称は直接褒められること、楽は人を喜ばせることで、この四順は人が求めることです。
衰は意に叶わないこと、毀は陰口を言われること、譏は直接そしられること、苦は苦しみのことで、この四違は人が避けることです。
いずれも私たちの迷いのもととなります。

比良八荒の時期は卒業の時期です。
新しい道にも八風は吹き付けますが、この風に心が揺さぶられることなく、
真理にそって一生懸命生きることが仏さまの教えです。


薔薇「禅」は、降雪により屋内待機中です。

常楽我浄

2015年03月06日 | 小さな法話
立春、雨水、啓蟄と二十四節気の名が次々に変わります。

すべて移り変わるものを「常」と認識し、
苦に満ちているのを「楽」と考え、
無我であるのを「我」があると考え、
不浄を「浄」と認識することを、四顛倒と呼び、
さかさまな見方となります。

「涅槃経」では、お釈迦さまは涅槃こそ楽の境地であり、
無常や自我にとらわれることなく、
煩悩を離れたところであることを説かれたとあらわしています。

これを「常楽我浄」と言います。

薔薇の様子が、日に日に変わってきました。

葉々起清風

2015年03月05日 | 小さな法話
暖かくなったと思ったら、また寒い日となりました。
これを繰り返しながら、春となるのでしょうか。
禅語に「葉々起清風」があります。 
葉々(ようよう)清風を起こすといいます。
虚堂和尚の住まいに集った友が帰る際、見送る側と送られる側が別離を惜しむ心情と、
一期一会をとらえた心情をあらわしています。

春は、旅だちの季節でもあります。
「今」を大切に生きることが、新しい日々となります。