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パイロット養成講座

多くの機長、副操縦士を育てた坂井優基が、パイロットになろうとする人や訓練生に送るアドバイス

初めての教官

2013-07-09 | その他

今回の教官は、先月教官資格を取ったばかりで、今回が初めての教官デューティだったと報道されていました。

始めての教官と、経験の浅い訓練生の組み合わせは感心しません。

 しかしながらコックピットには他に二人のパイロットも乗っていました。彼らが何故口を挟まなかったのか、教官あるいは訓練生に遠慮したのかが問題です。

軍隊出身のパイロットばかりだと軍隊内の先輩後輩や階級がそのまま継承されることがあります。

また国の文化として先輩を立てる、先輩に意見しないという文化が強く根付いていると、口を挟むのが難しくなります。

副操縦士あるいはPM(PILOT MONITORING)の最大の責務は、状況の監視とそれを口に出して言うことです。

これは序列や、先輩後輩、社内の地位に関係なくおこなわなければなりません。


墜落時のビデオ

2013-07-08 | その他

墜落時のビデオがありました。

http://www.cnn.co.jp/video/11281.html?tag=mcol;topVideos

画面の右から出てくるのがアシアナ機です。

これを見る限りまずダウンバースト、マイクロバーストのような急激な降下は起きていません。あくまで画像からの判断ですが、そのような気象状態は無かったと考えて良いかも知れません。

アプローチ中のピッチが高すぎます。この事からかなり速度が遅い状態で飛行していたと推察されます。

パスが低すぎます。ほとんど最初から岸壁をめがけて降下しています。この状態では滑走路の見え方がどんどん低くなりすぎるはずですし、進入角度を示すPAPIも全てが赤だったと思われます。パイロットは自分で判断してゴーアラウンドすべきですし、他のクルーももっと早く言うべきです。

最後は機首を上げていますが、速度が遅すぎ、かつ機首上げが遅すぎるためにほとんど浮き上がっていません。

衝突した後の飛行機が回転しています。もっと多数の死傷者が出ていた可能性もありえます。

 


アシアナ航空の事故

2013-07-08 | その他

詳しくは事故調査委員会が正式な報告を出すまで待つべきですが。今までに知り得たことから問題点を推察してみます。機体の故障や、ダウンバーストなどが無かったと仮定して考えて見ます。(これらは詳しくデーターを調べなければわかりません)

新聞報道やテレビなどによるとこれまでにわかってきたことは、まず当該ランウェイに接地されているILSが完璧な形では使えなかったことです。

パイロットは他のアプローチを行っていたはずです。

次に操縦を担当していたパイロットは他機種の経験は十分にあるものの777は移行訓練中でした。移行訓練中ではILS以外のアプローチに習熟していなかった可能性があります。

7秒前にクルーの一人が加速するように言っています。

4秒前に失速警報であるスティックシェーカーが作動

1.5秒前にゴーアラウンドを開始しています。

副操縦士または副操縦士役の教官の最大のデューティは、フライトのモニターと気付いたことを口にすることです。

これが遅すぎます。ひょっとしたら昔の先輩、軍の先輩、階級、社内での地位このような物が邪魔をして言うのが遅くなったのかも知れません。

個人そのものではなく社会や会社の中の文化的な背景まで含めて考える必要がありそうです。

ひょっとするとオートスロットルが切れていたのに作動していると思っていたあるいは、オートスロットルを過信していたのかも知れません。

この部分には自動化とそれに対する人間との関わり合いが問題となります。自動化への過信は危険です。

ゴーアラウンドの決断が遅すぎます。

ゴーアラウンドしようとして操縦桿を引くと、先ずは水平尾翼が下がります。

この事が最終的なトリガーとなって尾部が岸壁に衝突したのだと思われます。地上近くでのゴーアラウンドは、通常のミニマム付近でのゴーアラウンドとは操作が違います。大きく操縦桿を引くのではなくエンジンの推力を上げ、尾部をこすらないように徐々に操縦桿を引かなければなりません。この地上近くのゴーアラウンドをどれだけ訓練していたかも問題です。

もっとも後知恵でいろいろというのは簡単です。後知恵にならないようにパイロットはたくさんの過去の事故事例を、自分ならどうするという形で学ばなければなりません。それを毎日のフライトに生かす必要があります。

 

 

 


サンフランシスコの事故

2013-07-07 | その他

サンフランシスコ空港でアシアナの777が着陸に失敗して死傷者が出ているようです。

テレビの映像を見る限り滑走路手前のオーバーラン部分に尾部から先に接地し、その時に水平尾翼や垂直尾翼がとれたようです。

原因ははっきりしませんが、最近非常に気象が乱暴になっています。

ひょっとると着陸直前に下降気流があったのかも知れません。

亡くなった方のご冥福を祈るとともに怪我をされた方の一日も早い回復を祈っています。


離陸操縦方法を詳しく書いている本

2013-06-16 | その他

質問

変な質問ですが、航空機の離陸操縦方法を詳しく書いている本などありませんか?ボタン一つ一つまであるものがあればいいのですが、
機種などは何でもいいのでお願いします!

 

回答

日本語となるとなかなか難しいかも知れません。比較的良く書いてあるのが、講談社のブルーバックスシリーズの中の

「エアバスA380を操縦する」とイカロス出版の「旅客機の操縦」でしょうか?

英語であれば元ユナイテッドのキャプテン Mike Rayさんが書いた

「Airbus A320 Pilot Handbook: Simulator and Checkride Procedures (Airline Training Series) 」

などが良くかけています。

あくまでシミュレーター用としてですが他の機種のマニュアル本も書いています。


訓練の主目的

2013-05-31 | その他

多くの人がパイロットになるために訓練を受けていることと思います。

 ここで大事なのが訓練の主目的を見誤らないようにすることです。主目的をライセンスをとることに置くと、確かにライセンスはとれるかも知れませんが、ただライセンスを持っているだけの人になってしまうかも知れません。主目的をエアラインに入社することに置くと、入社はできるかも知れませんが、かつかつの成績でひょっとすると、訓練課程でフェイルしてエアラインのパイロットには成れないかもしれません。エアラインのパイロットになることに置くと、確かになれるかも知れませんが、キャプテンに言われたことだけはかろうじてできる最低限の副操縦士になってしまうかも知れません。

 主目的をエアラインのキャプテンにおけば、十分機長として通じるようになります。その中でも、さらに日本一、世界一のパイロットを目指せば優秀なキャプテンになることができます。日本一、世界一の中身は安全なでも良いですし、優秀なでも、気象に強い、工学に強い、信頼される・・・好きな物を目指してください。

ハードルを上げるほど、学ばなければいけないことや、考えなくてはいけないこと、練習しなくてはいけないことが増えてきます。その反面、キャプテンに近い技量と判断力を持てば、入社試験では楽に合格することができるでしょう。

どうせ訓練をするならば、短期の目先のことに焦点を当てず、もっと遠く将来を見据えて、それを細分化したある部分を訓練すると思って訓練することが結局は最善な道になるかと思います。

 


鳥は夜も飛ぶ

2013-05-21 | その他

一般には「鳥は鳥目だから夜は飛ばない」などと言われていますがこれは大間違いです。

バードストライクを見るとその40%は夜間に起きています。

決して夜だから安心なわけではありません。

鳥が見えたからといって急激に操縦桿を動かして避けようなどとはしないでください。

機体の安定をそこねたりかえって別の危険を誘発する可能性があります。

もっとも大群が遠くから見える場合は話が別です。

 


航空身体検査

2013-05-16 | その他

航空身体検査の項目に目をつぶって30秒立っていてふらふらしないという項目があります。

最初は両足を普通に揃えて目をつぶって30秒、次には右足を前に左足を後ろに縦に足を揃えて目をつぶって30秒、その後は、反対に左足を前に右足を後ろに縦に揃えて目をつぶって30秒です。平衡感覚に異常があると30秒立っていられないそうです。一度試してみてください。

この後、両目をつぶって真っ直ぐ前に10m程度、歩くという検査があります。普通の人間は必ず右か左かに少しずれるそうです。これは一人でやると危ないので体育館などの広くて安全なところで誰かに見てもらいながらやってみてください。


あてずっぽうのATC

2013-04-22 | その他

副操縦士の訓練生と一緒に乗ると、ATCが良く聞き取れなかったり判らなかった場合たぶんこうだろうと勝手な数字をでっち上げて言う人がいます。これは絶対にやってはいけません。管制官は自分が言った指示に対するパイロットの答えを予見を持って聞いています。管制官の指示が10000ftの時に良く聞こえなかったからといって多分11000ftだろうと答えて、管制官が修正しなかった場合11000ftまで上昇してしまうかも知れません。実は11000ftに他の飛行機がいるから10000ftで止めたのかも知れません。

少しでも怪しかったらあてずっぽうを言うのではなくセイアゲインと確かめる必要があります。


准定期運送用操縦士

2013-03-28 | その他

昨年、准定期運送用操縦士の資格が新設されました。

従来はエアラインの副操縦士になるには、事業用操縦士、陸上多発、計器飛行証明の3つの資格が必要でした。

しかしエアラインの副操縦士だけならばいらない項目が含まれます。

エアラインの副操縦士だけに特化した資格です。

これができると自社養成の経費を削減することができます。

しかしながら現在自社養成は1社しか採用していないはずです。当然狭き門となります。

各大学や民間の会社で自費でライセンスをとって受ける道もありますが、莫大な費用がかかるのと必ずしも就職が保証されているわけではありません。

また外国の会社で取る場合は玉石混淆です。

航空大学校は経費はやすいのですが、これも就職が保証されているわけではありません。

自衛隊や海上保安庁のパイロットから転身するコースもありますが、まず入ったところで必ずしもパイロットになれるわけではありません。

またパイロットになっても簡単に転出を許可してくれるわけでもありません。

転出した後一定の民間パイロットになれない期間が存在します。

コースは多様化しています。

その中でどの道を選ぶかで大きく人生が変わる可能性があります。

どの道がいいのかしっかり考えてみてください。

 

 


上手い操縦

2013-03-19 | その他

一昨日の風は半端ではありませんでした。

そこで今日は上手い操縦について考えてみたいと思います。

空気が静穏な時に上手い操縦とは、無駄な舵を使わず最小限の舵で操縦することだと思います。

飛行機が動こうとするのを、動く直前に押さえるような舵を最小量使います。

こうすると操縦桿は大きく動くことなく、飛行機もほとんど姿勢を変えずに飛ぶことになります。

 

 ところが一昨日のように、非常に強い風が吹きそれにともなって、渦ができる場合は違います。

このような場合、多少大きな舵、素早い舵を使ってでも姿勢を安定させることが必要です。

 

上手い操縦とは、どちらか一方しかできないのではなく、その時の状況に合わせた最良の操縦ができることを言います。


安全のマニュアル

2013-03-12 | その他

パイロットの友人が安全に関する本を出しました。

イラスト仕立てで、題材は主に飛行機のことを扱ってどうしたら安全が保てるかを書いています。

個人的にはとっても楽しく読めました。

よろしかったら読んでみてください。

羽田の地下1階にある書店ブックスフジにおいてありました。

ない場合は下記からも注文できるようです。

http://www.hobun-books.com/products/detail.php?product_id=253

 


身体検査に向かってできること

2013-03-08 | その他

shinichirouさんのコメントに答えて

やはり大事なのが目です。暗いところで本は読まない。

電車やバスなどの揺れる中では本は読まない。

時々は遠くを見るといったことをお勧めします。

その他の検査項目は練習できるものではないですし、どうなっているかはなかなか判りません。

後は怪我をしないように注意することでしょうか。


A350のバッテリー

2013-02-16 | その他

エアバス社は開発中のA350にリチウムイオンバッテリーを使わないことを決めました。

リチウムイオンバッテリーは確かに効率は良いのですが、制御がうまくいかないと発熱、発火の危険性があります。

自動車にもリチウムイオンバッテリーが積んでありますがこれは電極を効率が悪いがより安全性が高いものにわざと変えているそうです。

飛行機全体の重量から考えるとリチウムイオンにしてセーブできる重量はわずかなものです。

危険だけれども効率が良いバッテリーを難しい制御下で使うよりも、多少効率は悪くても安全なものを使った方がはるかに良さそうです。


競争は寡占へ

2013-02-13 | その他

アメリカでUSエアウェイズがアメリカン航空を買収する話が出てきました。

まだどうなるかはわかりませんが、これが実現するとアメリカの航空会社はユナイテッド、デルタと新会社の3つに集約されます。

アメリカでは新規参入をさせて運賃を安くするということをうたい文句に、路線や便数を自由に設定できるようにしディレッグと呼んでいました。

その結果が寡占です。自由にできると大手でお金に余裕があるところは、損してでも良いから運賃を下げて今まであった会社をつぶします。

つぶした後、競争相手がいなくなったところでで運賃をどんどん値上げします。

競争がある路線は大幅に安く、そうでないところは大幅に高くとなります。

日本の航空会社もたくさんあるようですが実はそうではありません。

ほとんどの会社がJALかANAの参加にあります。

ディレッグはあまり良くない結果につながります。

電気で発電、送電の分離が言われていますが、これも様々な問題を引き起こします。