読書・映画日記

 読んだ、観た情報をもう一度思い返して感想を書くことによって理解を深めるために始めました。

夢日記

2011年02月08日 | 夢日記
 糞をひねり出そうとした。暗い箱のような家のトイレで、交換されず放置された電球の下、あせりと共に・・・。
 弟が暴れた。何かを一心不乱で追いかけ、ほうきを叩きまくる弟。鎧武者のように果敢で、映画の主人公のように冒険心を露にして。ぽとりぽとりと、虫が降ってくる。
 誰しも止められぬ欲望、復讐。私が何をした?いや、沢山した。兄と弟、察しはつくだろう。私がトイレで便器に座り、最も無防備な姿をさらけ出す事にも、頭上の無数の何かにいたずら心でちょっかいを出すのも、是家族が所以。
 何か、カブトムシのようなものだった。手のひらにおさまるくらいの甲殻類で、服にとびつくといくたはたいても落ちず、虫とは思えぬ力でしがみついてくる。それが足元から影のように現れ、足にまとわりつく。思い切り手で払う。弟も驚き、また自分のように全身の虫を払い落とそうとする。弟は足をすべらせ、転んだ。
 首筋にぞわりと感覚があった。弟が熱心に頭上の蜘蛛の巣をはらうように何か、おそらく黒い何かだったと思われるが、それを刺激したので、どさっと降ってきた。弟も一瞬それに覆われ、ほとんど狂気に染まった。だが私は冷静にも、それをはっきりと見ずにすんだので、ようやく振り払うくらいの勇気は出た。
 頭の上から降って来たそれは無数のてんとう虫であった。泥のようにまとわり付く黒い虫よりも可愛げに思えた。こんなものと払い落とし、倒れている弟に復讐のつもりで払いつけていたが、だんだん首が重くなってくる。頭を大きな手でわしずかみにされたような、奇妙な感覚。ぐらりと揺れた。

 一匹残らず振り払いたい。
 櫛が私の髪を撫でた。黒い塊から足が、腹が、胸が現れ、白いおでこが見えた。私と言う女であった。無音の風に吹き飛ばされるように虫が消滅していく。黒髪の生え際に櫛が一本入り、そそと腰まである髪の先を跳ねた。
 最後の一匹が、舞った。

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