今日も苦しい一日だった。最近は休日でもずっと苦しい。精神的にも肉体的にもずっと疲れている。満たされず、ずっと何かに追いかけられているようだ。
今日は映画館に行ってみた。道中のドライブが楽しかったな。トンネルに入ると黒いシルエットにすっぽりと世界が包み込まれてようやく気分が落ち着いたのを覚えている。そこからは少し前向きな気持ちになって映画館に向かった。本当は帰りに風呂屋に行こうと計画していたけれど、あまり人の多いところにはいきたくなかったので止めた。
映画は面白かった。帰り道ではずっと映画の事を考えていた。以前よりもすんなりと映画の事が理解できるようになったと実感した。作り手の気持ちをとても敏感に汲み取っている。ただ、それだけなんだけれども。
この映画は主に優しさを巧みに描いていたと思う。
主人公の兄貴の粗暴ながらじんわりと温かい優しさ
主人公の父親の見守るような優しさ
花屋の女主人の信じぬく優しさ
おばあさんのよりそう優しさ
弁護士の妹の寛大な愛
弁護士の父親の贖罪の愛
弁護士の贖罪の愛
ジュンの命を賭けた愛
臨床心理師は優しさの描写は無かったように思う。ちょっと人を選ぶタイプの人間だったのかも知れない。
主人公は結局救われたのか?その答えは正直分からない。例のトンネルで主人公の記憶はほぼ回復し、凄惨な事故シーンが始まる。そこからジャンプ、主人公の笑顔に切り替わる。最後に弁護士と抱き合い、別れる。ジュンの母親に会い、改めて感謝される。ジュンの思い出の場所に赴き、そこでおばあさんに出会う。おばあさんは失った夫の話を主人公に聞かせる。おばあさんは、小康とでもいうのだろうか、それなりに人生を楽しんできたようでもある。主人公はラスト、ジュンの霊感を得る。このとき、主人公は言う「生きている」と。過去、現在、未来がそのとき、つながる。事故からの自分、今生きている自分、ずっと想いを秘めて生きたおばあさん。みんな、つながる。彼女は救われたのだろうか?それは分からない。ただもう、後戻りはしないだろう・・・。
僕個人的には弁護士の涙を流すシーンが印象に残っていて、僕自信もうるると来た。父親が仕事でミスをしてから豹変したと語られていたが、いったいなにがあったのか具体的なところはぼかされている。ミスをしたから職場での立場が無くなったとも見れるし、元々極端な気質の人だったのかも知れない。家庭の場では感情が抑えられなくなったのだろう、母親と妹にとりかえしのつかない暴力をふるってしまう。そして、父親は自らの意思で去るのである。長女は不思議な事にその父親同様、以来自分を責め続ける。しっかりと父親の遺伝子を受け継いでいるように思えるのは僕だけだろうか?妹は私を恨んでいると思い続ける。上京してずっと孤独にサバイバルをしてきたのだ。だが誰に対しても厳しい態度で臨む彼女にはにじむような優しさが、悲しさが漂っている。それは妹と共に置いてきた優しさだったのかもしれない。その心の氷が主人公の力を借り溶けてゆく・・・。妹は何もかも理解してくれていた、そして寛大な愛で自分を、自分の妹への恐れも、自身への憎しみも理解してくれていた。これ以上の愛があるだろうか、彼女は救われた・・・。
映画:「瞬またたき」
監督・脚本:磯村一路
原作:川原れん 「瞬またたき」
今日は映画館に行ってみた。道中のドライブが楽しかったな。トンネルに入ると黒いシルエットにすっぽりと世界が包み込まれてようやく気分が落ち着いたのを覚えている。そこからは少し前向きな気持ちになって映画館に向かった。本当は帰りに風呂屋に行こうと計画していたけれど、あまり人の多いところにはいきたくなかったので止めた。
映画は面白かった。帰り道ではずっと映画の事を考えていた。以前よりもすんなりと映画の事が理解できるようになったと実感した。作り手の気持ちをとても敏感に汲み取っている。ただ、それだけなんだけれども。
この映画は主に優しさを巧みに描いていたと思う。
主人公の兄貴の粗暴ながらじんわりと温かい優しさ
主人公の父親の見守るような優しさ
花屋の女主人の信じぬく優しさ
おばあさんのよりそう優しさ
弁護士の妹の寛大な愛
弁護士の父親の贖罪の愛
弁護士の贖罪の愛
ジュンの命を賭けた愛
臨床心理師は優しさの描写は無かったように思う。ちょっと人を選ぶタイプの人間だったのかも知れない。
主人公は結局救われたのか?その答えは正直分からない。例のトンネルで主人公の記憶はほぼ回復し、凄惨な事故シーンが始まる。そこからジャンプ、主人公の笑顔に切り替わる。最後に弁護士と抱き合い、別れる。ジュンの母親に会い、改めて感謝される。ジュンの思い出の場所に赴き、そこでおばあさんに出会う。おばあさんは失った夫の話を主人公に聞かせる。おばあさんは、小康とでもいうのだろうか、それなりに人生を楽しんできたようでもある。主人公はラスト、ジュンの霊感を得る。このとき、主人公は言う「生きている」と。過去、現在、未来がそのとき、つながる。事故からの自分、今生きている自分、ずっと想いを秘めて生きたおばあさん。みんな、つながる。彼女は救われたのだろうか?それは分からない。ただもう、後戻りはしないだろう・・・。
僕個人的には弁護士の涙を流すシーンが印象に残っていて、僕自信もうるると来た。父親が仕事でミスをしてから豹変したと語られていたが、いったいなにがあったのか具体的なところはぼかされている。ミスをしたから職場での立場が無くなったとも見れるし、元々極端な気質の人だったのかも知れない。家庭の場では感情が抑えられなくなったのだろう、母親と妹にとりかえしのつかない暴力をふるってしまう。そして、父親は自らの意思で去るのである。長女は不思議な事にその父親同様、以来自分を責め続ける。しっかりと父親の遺伝子を受け継いでいるように思えるのは僕だけだろうか?妹は私を恨んでいると思い続ける。上京してずっと孤独にサバイバルをしてきたのだ。だが誰に対しても厳しい態度で臨む彼女にはにじむような優しさが、悲しさが漂っている。それは妹と共に置いてきた優しさだったのかもしれない。その心の氷が主人公の力を借り溶けてゆく・・・。妹は何もかも理解してくれていた、そして寛大な愛で自分を、自分の妹への恐れも、自身への憎しみも理解してくれていた。これ以上の愛があるだろうか、彼女は救われた・・・。
映画:「瞬またたき」
監督・脚本:磯村一路
原作:川原れん 「瞬またたき」