読書・映画日記

 読んだ、観た情報をもう一度思い返して感想を書くことによって理解を深めるために始めました。

「地球の食卓」を読んで~その1~

2010年06月01日 | 読書日記
 今日、僕は「地球の食卓」を読んだ。この本は2,3冊あれば漬物石にちょうどいいぐらいのずっしりとした本だ。適当にパラパラとめくると各国の家族ポートレイトと机にぎっしりと詰まれた食物の山が色彩豊かに現れる、写真に写った人々の目から多くの言葉が語られてくるようで、僕は埋もれるようにページをめくっていった。

 この本を読んでない人にはどのように僕の感じた事を話していいのか分からないのだが、この本を通して読んで(まだ途中だが写真のみ最後まで見た)みて思う事は、実にこれは不思議な事なのだが先進諸国の人々の食事よりも後進国の人々の食事の方が独特で風合いのあるものだなと思った事だ。これは食べ物が主に自給自足で風土に即したものになるからであろうが、またそれとは別の問題を写している。それは先進諸国の食卓にグローバル起業が確実に影響し始めているという事である。すでに先進諸国どこでもアメリカ産のフランチャイズがひしめいて新たな食を提供している。ポートレイト写真で並べられた食卓にはマッカス(日本で言うマクドナルド)やKFC(ケンタッキーフライドチキン)が豊かな国ではどこでも見られた。各国伝統の食卓が今、根幹から揺らいでいるのではないだろうか、人類の展望する未来の食卓にはみな均一かつ整然とした食事が並べられていくのだろうか。僕達は日々漠然と食卓を囲み、その未来を想像することもなく過ごしている。しかしこのままの流れで世界の食文化が”豊か”になってゆくと多くの伝統的な食文化が失われていく事は想像に難くない。これからの食卓の在りかたを注意深く見守ってゆかねばならないのはコンビニ弁当ばかり食べて胸焼けをおこして暫く弁当恐怖症になった僕を見ても明らかであろう。

タイトル:地球の食卓 世界24か国の家族のごはん
出版社:TOTO出版
作者:ピーター・メンツェル+フェイス・ダルージオ