雑賀孫市(まごーん)の中の人ブログ

まごーん(中の人)が独りでぼちぼち呟く。

前田正名男爵宛封筒5点

2018年02月13日 02時15分56秒 | 書簡・葉書(所蔵品)
こんにちは。今月は珍しく2回目の更新(基本月一更新なので)
今日は前田正名宛の封筒(中身なし)を展示します。

前田正名男爵(『男爵前田正名君略伝』)

前田正名は1850(嘉永3)年、薩摩藩士の子として生まれました。
1865(慶応元)年には長崎に留学し、翌年にはユニオン号問題で薩摩藩士に同行しています。
明治に入ってからは1888(明治21)年に山梨県知事、1890年には農商務次官、元老院議官、貴族院勅選議員を務め、1921(大正10)年に男爵に叙爵され亡くなりました。

前田正名に関する資料は現在、国会図書館に所蔵されています。
では下記に当方所蔵の前田宛封筒を展示します。



宛名:滋賀県大津市伊勢屋町 西川太○郎様方 前田正名様 平信
送り主:東京麹町区紀尾井町二(ママ)番地 前田正次
年月日: 明治40年10月7日届



宛名:彦根町 江州 五二会*本部気付 前田正名様
送り主:東京麹町区紀尾井町三 前田○(エア?)子
年月日:明治41年5月17日付



宛名:東京市麹町区紀尾井町三番地 前田正名殿 閣下
送り主:静岡県小笠郡和田岡村各和 萩田総十郎
年月日:大正4年2月18日付



宛名:東京市麹町区紀尾井町三番地 前田正名殿 甚親展
送り主:名古屋市東区車道東町 大村幸造
年月日:大正4年3月7日付



宛名:東京市麹町区紀尾井町 前田正名殿
送り主:なし
年月日:大正4年4月14日届


五二会…前田正名が創設した織物・陶磁器・金属器・製紙器・雑貨類の5品と敷物類と彫刻の2品の品評会。

参考文献・サイト
本間恒治『男爵前田正名君略伝』(1922)
「前田正名」『近代日本人の肖像』(2018年2月14日閲覧)
「前田正名関係文書目録」(2018年2月14日閲覧)
五二会商品陳列館(2018年2月14日閲覧)

2018年度ネット展示〜片山哲の葉書〜

2018年01月04日 21時32分30秒 | 書簡・葉書(所蔵品)
新年明けましておめでとうございます。
今年もまごーん中の人ブログをよろしくお願いします。

新年1回目は葉書を紹介します。

こちら、昭和35年に片山哲が榎原氏に宛てた葉書です。

宛先の榎原氏はよくわかりません。
送り主の片山哲とは、総理大臣を務めたこともある政治家です。(写真は国立国会図書館「近代日本人の肖像」より)


片山哲の経歴は以下のとおり。

1887(明治20).7.28 和歌山県田辺市に生まれる
1912 東京帝国大学法学部独法科卒業
この間、東京女子大学講師、弁護士を歴任。
1926(大正15)12.5 社会民衆党結党・同党書記長
1930(昭和5) 衆議院議員当選(-32.1.21)
1932 社会大衆党結党・中央執行委員
1936 衆議院議員(-42.4.30)
1940 社会大衆党除名
1945 社会党結党
1946.4.10 衆議院議員(-48.12.28)
1946.9.28 日本社会党中央執行委員長
1947.5.24 内閣総理大臣(片山内閣)
1948.3.10 総辞職
1952.10.1 衆議院議員(-63.11.21)
1960.1.24 民主社会党結党・最高顧問
1964.4.29 勲一等旭日大綬章
1969.10.1 藤沢市名誉市民
1978.5.30 死去・従二位・勲一等旭日桐花大綬章

彼は社会党の政治家として戦前戦後を駆け抜けて、日本国憲法体制下初の内閣総理大臣にもなりました。その後も、政界引退まで日本国憲法を維持するために時の政権と戦いました。

さて紹介の葉書は1960年の夏。民主社会党最高顧問となっている頃に書かれたものです。

内容についてですが、少しまだ読み切れていないですが、紹介します。

拝啓益々暑き○○○候
○○○○と存じます。
貴下並びに○○様も御健勝
の由 大慶の至りです。 小生も
執事○○○から丈夫です。
過日○関西地方へ寄り、又近ゞ東
北北陸地方へ廻るつもりです。
御支援を今後ともよろしく致します。

夏という暑い季節のなか、日本全国をまわって支援を求めている片山の姿が垣間見えます。

今年は片山哲が薨去してから40年の節目。
東京都港区の友愛労働歴史館では片山哲の展示が明日から始まります。このブログを見た方、是非とも行って見て下さい。
友愛労働歴史館のリンクはこちら
こちらはポスター

収集品をネット展示してみる~木幡行海軍少将書簡(北京武官・藤森清一朗海軍少将宛)~

2015年11月28日 21時06分37秒 | 書簡・葉書(所蔵品)
こんにちは、まごーんやで。
今日はTwitterのアンケート調査でやった通り、海軍少将の書簡を展示します。

名前は木幡行。海兵37期。海軍少将です。
Wikiはこちら

以下、中身





うーん、少しだけ内容は把握できますが、全貌は…分かりません。
読めるように精進していきたいです。

生ける伝説・辻政信の自筆葉書(第23師団長・小松原道夫中将弟宛)

2015年09月02日 16時11分23秒 | 書簡・葉書(所蔵品)
こんにちは、まごーんよ。
今日はまた。凄い人の葉書。

今回はあの大本営参謀としてアニメやマンガに起用されてる有名小説家、辻政信さんの衆議院議員時代の自筆葉書を紹介します。
先ず、辻政信さんの経歴を紹介。
M35.10.11 石川県生
弟・理は海軍大尉
弟・政良は陸軍中尉(少尉候補生24期)
T6.9 名古屋陸軍幼年学校入学
T9.4 中央幼年学校へ
幼年学校を首席で卒業(21期)
T11.3 陸軍士官学校予科を首席で卒業
金沢歩兵7連隊に配属
T11.10 本科入学
T13.7 陸軍士官学校本科を首席で卒業(36期)
T13.10 歩兵少尉・7連隊付
S2.10 歩兵中尉
S3.12 陸軍大学校入学
S6.11 陸軍大学校を3番*で卒業し恩賜の軍刀組(43期)・第7連隊第2中隊長
T7.2~T7.6 同連隊第2中隊長として上海事変へ出征し戦傷
S7.9 参謀本部付
S8.8 歩兵大尉
S8.12 参謀本部編成班
S9.8 陸士本科生徒隊中隊長**

S10.2 陸士付
S10.4 歩兵第2連隊付
S11.4 関東軍参謀部付
S12.8 北支那方面軍参謀
S12.11 関東軍参謀
S13.3 少佐
S14.9 第11軍司令部付
S15.2 支那派遣軍総司令部付
S15.8 中佐
S15.11 台湾軍研究部員
S16.7 参謀本部兵站班長
S16.9 第25軍参謀
S17.3 参謀本部作戦班長
S18.2 陸軍大学校教官
S18.8 大佐・支那派遣軍参謀(第3課長)
S19.7 第33軍参謀
S20.2.13 緬甸方面軍司令官より個人感状
S20.5 第39軍参謀
S20.7 第18方面軍参謀
S20.8 地下に潜行
S20.11 バンコク発
S21.3 重慶着
S21.7 南京(国府国防部第2庁勤務)
S23.5 佐世保上陸
S24.8 復員
S27.10 衆議院議員
S34.6 参議院議員
S36.4 ラオスで行方不明
秦郁彦編『日本陸海軍総合辞典』第2版、東京大学出版会、2005年をもとに作成。
*毎日新聞社『別冊1億人の昭和史 陸士・陸幼 日本の戦史別巻10』では2番目の卒業となっている(62頁)。
**同中隊にはのちの三笠宮こと澄宮崇仁親王殿下が配属され、辻政信が教育にあたった(写真はまさに陸士時代の三笠宮崇仁親王/まごーん所蔵)。


神出鬼没すぎぃ!


これが幼年学校・陸軍士官学校を首席で卒業したエリートなのか…!
中尉になって僅か数か月であの圧迫面接のメッカたる陸軍大学校入学してる時点で頭良すぎますし。
そんでもって、いくら陸軍大学校を卒業して10年は特別扱いされてもらえるとはいえ、彼方此方の参謀を務めすぎです。しかも殆ど歴史の陽が当たるところに行き過ぎです本当にありがとうございました。

ちなみに、彼は陸軍大学校教官を務めてますが、評判はすこぶる良かったです。
『ビルマ戦記』を著した元緬甸方面軍後方参謀の後勝さんや、『歴史群像』のインタビューで元第18軍後方参謀の堀江正夫さんが陸軍大学校教官の辻政信について評価しています。


戦後は八路軍(有馬哲夫『児玉誉士夫 巨魁の昭和史』文藝新書)と戦ったり、日本に帰って衆議院議員を4期、参議院議員を1期務めた辻政信、元気すぎる。
彼の所属政党は自民党です。

主な著作は
『これさえ読めば勝てる』
『潜行三千里』
『ノモンハン秘史』
『十五対一 運命の戦場』
『ガダルカナル』
『シンガポール攻略』
『私の選挙戦』
など多数。
しかもベストセラーとなる。

では、そんな辻政信の自筆葉書を見てみましょう。

宛先は小松原遡男。この人は陸士28期で陸軍大佐。緬甸方面軍の遊撃隊長や司令部付など歴任してます。(アジ歴で「小松原遡男」検索)
この人の兄はノモンハン事件で有名な小松原道夫陸軍中将です。現在はソ連のスパイだったという論文が日本でも発表されましたね。

裏面。辻政信の名前があります。
完全に文が最初の賀と最後の幸しか読めない。まぁ。年賀状なので深い意味はないと思いますが…。

ここから分かるのは小松原氏と辻政信が関係を持ってたということでしょう。
小松原の兄がノモンハンで同じ、遡男氏も緬甸方面軍時代に辻政信と会ってたこともあるでしょう。

小松原道夫はソ連のスパイだったのかもしれませんが、弟も関係してたのか、そして辻もその繋がりで関係を持ってたのか、議員時代、とくにこの葉書を出した前年、辻政信はソ連へ行ってますから、妄想が膨らみますね。



ところで私は辻政信はまだ生きてると思ってますからね!カムバック!つじーん!

収集品をネット展示してみる~陸軍大将侯爵前田利為直筆葉書~

2015年08月16日 12時29分00秒 | 書簡・葉書(所蔵品)
こんにちは、まごーんやで。
今日は旧加賀藩前田侯爵家当主で陸軍大将だった前田利為の直筆葉書を紹介します。

前田利為(wikiの「前田育英会」の項より)
(2022.3.1追記:こちらの記事で若い頃の前田の写真を公開しています)


こちらが前田利為直筆の葉書。昭和10年6月28日の消印で赤坂の文字があります。前田利為は当時陸軍少将で軍職は参謀本部第四部長でした。第八師団の某人に送ったものです。
内容に関しては所々
「特検出張中・・・」「手製の・・・記念として保存・・・」「北海道に・・・参謀・・・出張」「朝鮮の・・・大豊命・・・」と読めますが全体の意味はわかりません。最後は前田少将と記してあります。

裏は参謀本部が載ってます。自身が第四部長を務めていたので本部内で買ったものでしょうか?

以上が前田利為の直筆葉書でしたが、80年前の文字もこのように読みにくいのは歯痒いです、なんか解読できる道具作ってくれないかなぁ…ドラえも○とかが。