今夜は二期会・タンホイザーで東京文化会館。
序曲が始まり、ある意味最も楽しみにしていたヴァイグレ率いる読響に肯いた。
だが1幕は、しばらくのっていけなかった。
タイトル片寄さんは張りのある声でワーグナー歌いを思わせたが、快楽の地ヴェーヌスベルクにはもっと幻想的なく美しさとかエロチシジウムがほしく。中世のドイツという雰囲気が感じられないのもしっくりせず。
それでもヴォルフラム大沼さん、ヘルマン狩野さん、大川さん、河野さんら騎士が登場しだんだん盛り上がり、最後の重唱では気分高揚。
2幕の田崎さんはとってもエリーザベトらしく誠実で愛情深い感じで。
中世ドイツの雰囲気がないのに騎士の歌合戦って、いうのもあまり気にならなくなり。
大沼さんと片寄さんのバトル、怒り狂う皆に、償いの機会をと歌う田崎さん、ローマにいけという狩野さんらの熱唱。もう完全にドラマに引き込まれてました。
そして1幕最後と同様に2幕の大合唱もすごい。
最終3幕の演出は良かった。
幕があくとなんとも美しいエリーザベトが切なく。死の決意に感情移入。
ここからタイトルよりおいしい役ヴォルフラムの最高の見せ場。田崎さんの死を見守る大沼さんの演技も夕星の歌も素晴らしい。
何があったんだとタンホイザーとヴォルフラムの重唱。ここは片寄さんの迫真の演技、熱唱。
そして3幕も、重厚な読響の演奏と大合唱がまたすごい。これぞワーグナー。
タンホイザーが天に召されるラストシーン。美しく感極まった。
中世ドイツの香りはなくとも、ワーグナーはたっぷりで、ドラマには深く感動。
素晴らしい夜でした。
マエストロと読響、合唱団、歌手のみなさんに感謝。