今夜は新国立オペラ「チェネレントラ」でオペラパレス。
粟國淳さんの新演出は、ローマを舞台に、映画のプロデューサーのラミーロ王子が、映画”チェネレントラ”のヒロイン役の女優を探してるって設定だと。
それを読んでワクワクしてたけど、良かったねぇ。
実は、王妃の座でなく、スターの座を得るような話に崩すのかとふと思ったが、そこまではなくて件の王妃選びの話。でも映画を撮っていくシーンが平行し、魔法使いの役目はプロデューサー。モダンで洒落てて実に面白く、楽しい。
今回は外国人勢ハズレなく、ラミーロのバルベラは立派なロッシーニ歌いだし、コルベッリはいかにも当たり役で、アリドーロのサゴーナは雰囲気があった。
日本勢は上江さんがバルベラに負けない頑張り。斎藤さんはこんな芝居できるのってビックリ。高橋さんも芸達者。
そして脇園さんのなんと素晴らしかったことか。新国立ではドンジョ・エルヴィーラ、セビリア・ロジーナ、フィガロ・ケルビーノ、とやってきたが、タイトルの今回が最高。すごい歌手になってる。
城谷マエストロは躍動感あふれるベルカントな感じ、ロッシーニ感たっぷりで良かった。
チェネレントラは2019年にクレバッサのをスカラ座で観て、これほど新演出ではなかったが、最後に父と姉たちを許すところで泣きそうになった。
今日の粟國チェネレントラ、斬新な新演でとても好きだなぁ。やはりこの許しの場面は感激するね。
とても良かった。
2021年に観た新国立の演目では1番楽しめた気がする。