盲導犬アトム号失踪と黒い署名活動批判 2/5
1、選別優先貸与の要求に怒りの声。
盲導犬アトム号失踪に関連して「ネット暴走」の火付け役として西日本新聞によって指弾された長崎ライフオブアニマルは、四面楚歌を打開する切り札として署名活動を開始しました。彼らは、その署名で福岡県に「盲導犬をユーザを選別して優先貸与するよう」に迫っていることが明らかになりました。この驚くべき内容に怒りの声が上がっています。
2、自主的・自律的運営の原則への挑戦。
1、法人自らが責任を持って自主的・自律的に運営を行う。
2、事業が目的に照らし適正に行われているか?
九州盲導犬協会は、福岡県知事より公益認定された公益財団法人です。このような組織では、「法人自らが責任を持って自主的・自律的に運営を行う」のが基本になっています。その一方で、県が「事業が目的に照らし適正に行われているか?」を監督し指導することになっています。
>「監督」は、
>公益法人の事業の適正な運営を確保するために必要な限度において、
>また、
>公益目的支出計画の履行を確保するために必要な範囲内において、
>行うものである。
福岡県が九州盲導犬協会に対して行う監督とは、このようなものです。「必要な限度において」、「必要な範囲内において」というのは自主的・自律的運営の原則を踏まえたものです。
福岡県に「盲導犬をユーザを選別して優先貸与するよう」に迫るということは、自主的・自律的運営の原則への挑戦でもあります。
3、選別基準の要求の背景に偏見と無知。
長崎ライフオブアニマルは、前書き1で九州盲導犬協会の対応に不信感を持っていることを明らかにしています。前書き2では、「貸与条件、適格性を有するユーザーに優先して盲導犬が貸与されるべきです」と要望を述べています。前書き3では、「協会の事業内容、盲導犬の管理体制は改善すべきと考えております」と署名活動にいたった事情を述べて絞め括っています。つまり、前書きで具体的に要望していることは次の一点です。
>限られた資源である盲導犬を、
>貸与条件を充たさない、
>またはその可能性が高いユーザーに貸与しないことが、
>視覚障害者の福祉の増進に不可欠な要素といえます。
(「公益財団法人九州盲導犬協会の事業活動改善、および監督・指導を求める署名」より)
平たく言えば、「福岡県は、九州盲導犬協会に対して盲導犬ユーザの(家族構成、居住環境や収入等の)条件審査と(人格等の)適格性検査を背景とした優先貸与方式を導入するように指導せよ!」ということです。このような要望にいたった背景には、愛護団体の視覚障害者に対する根深い偏見と貸与制度に関する無知があると思われます。
4、福岡県は、差別を助長する要望には応えない!
福岡県が九州盲導犬協会に「選別に基づく優先貸与方式を導入せよ!」と運営のあり方に立ち入って指導することは、自主的・自律的運営の原則に照らして妥当なのか?監督官庁と言えども「盲導犬ユーザの選別による優先貸与」という特異で非現実的ななルールを盲導犬協会に押し付けることが出来るのか?非常に疑問の残るところです。はっきりしていることは、福岡県がこのような「視覚障害者に対する偏見に基づく差別を助長する要望には応えることはない」ということです。
5、結び。
>盲導犬の事に関しては
>つい先日まで、ほとんど勉強する事も
>ありませんでした。
>盲導犬に関しては個人的には良い印象はありません。
(2012-02-02 11:12:57 長崎 Life of Animal)
長崎ライフオブアニマルの地金が署名用紙に思わず知らず出てしまったようです。「協力するしないもあなた次第!」という黒い署名は、その目的を達成することは決してないでしょう。