元ママ犬デイジー号と暮らす

写真は、盲導犬響号です。

BBC地球伝説 / 実は、狼やイヌは群れない!?

2013-01-30 | ペット

P1010340
http://www.bs-asahi.co.jp/bbc/na_69_01.html

>多くの野生動物が絶滅の危機にあるなか、
>イヌは人間と共に驚くべき進化を遂げた。
>人間とイヌの歴史、
>そしてその関係を研究することで、
>イヌとどう向きあうべきかを検証する。


 1月29日に再放送された番組「BBC地球伝説-知られざるイヌの生態に迫る」(BS朝日)は、実に考えさせる内容だった。

■狼やイヌは群れを作らない!

 まず、驚いたことは<狼と犬の生態>に関する最新のレポート。「狼は階級的な群れ社会を作ると言われてきた。しかし、それは人の手による集団飼育という特殊・特別な環境下におかれた場合のこと。それが彼らの本来の生態と断ずるのは一面的で間違いである。むしろ、自然界においては家族単位で行動するのが普通である。彼らが作る家族集団にはいわゆる群れのリーダー(アルファ)はいない。階級的な上下関係もない。そこには、父母兄弟の関係があるのみ。」-1960年代~70年代の主流であった古い図式的な「群れ理論」は、近年の観察では修正・否定されると言う。これは、偏見と先入観を排した研究の成果であろう。

■人は犬のリーダーになる必要はない!

 周知のように狼の「群れ理論」を定式化したのが「パック・リーダー論」だった。その理論を背景に「犬を罰をもって服従させる」という安直な訓練理論が形成されてきた。そうして、もっともらしく「あなたは犬のリーダーにならなければならない」と説かれてきた。昨今の狼と犬の群れの研究者達は、かっての「パック・リーダー論」の不完全性・誤謬を指摘した。こうした狼と犬の生態の再検証は、結果として「人と犬との上下関係を重視した訓練」「犬を人に服従させるための訓練」に疑問を投げかけることになる。「それは犬のあるがままの生態と進化を反映していない!」と。

■脳の研究と行動心理学が解き明かした世界!

 では、「パック・リーダー論」に基づく犬の服従訓練に否定的な研究者は、いかなる躾理論を提起しているのか?それが、問題である。番組では、<犬の脳の研究>と<犬の行動心理学>が解明した新事実について語っていた。「犬と人との関係の本質は慕う慕われる関係である」-これが、最近の研究が明らかにした犬と人との関係を表現する一言だという。慕う慕われる関係が存在するがゆえに、犬は人間の友となった。そして、その関係を深め支えたのが仕事の報酬に喜びを感じるように進化した(犬の)脳。そこから浮上した新しい躾理論。上下関係を信頼関係に、罰を報酬に置換。合言葉は、「させて褒める・したら褒める」だった。

■最先端の軍用犬訓練とは?

 「軍用犬の訓練は最新の研究成果に基づいている。なぜなら、その首尾は命に関わるからだ!」-番組は、最後に某軍隊における科学的訓練理論の実践の様を紹介。「信頼関係を築け!そして、叱るよりも教えよ!出来たら褒めよ!」という新しい考え方で躾けられる軍用犬達。オヤツ、褒め言葉、遊びという報酬を組み込んだ訓練に嬉々として励むジャーマン・シェパード。そこには、もはや「パック・リーダー論」はなかった。「罰をもって服従を強いる」というやり方は、過去のものとなっていた。

 番組を観終わって思ったことは、「慕う慕われる関係の構築がパピーウォーカーの使命」「褒められ体験の蓄積がパピーウォーカーの課題」ということだ。なお、番組では、愛玩犬化がもたらした犬の不幸にも触れていた。「可愛いい服を着せるだけでなく、時には何かをさせて褒めることも大事」-BBC地球伝説は、そんなメッセージも発しているようだった。

補足:「犬のリーダーになる必要はない!」について

 本ブログでは、再三再四「人は犬のリーダーになる必要はない!」と力説してきた。このことは、ケーナイン・アンリミテッド顧問獣医師である水越美奈女史(アメリカ獣医行動学会所属)監修の躾本にも書かれている。この命題については、下の引用で事足りるだろう。ただ一つ補足するとすれば、「パピーウォーカーは仔犬のリーダーになる必要はない!大事なことは、仔犬の良きファースト・ティーチャーになることだ!」の後段の一文である。つまり、「仔犬のリーダーにならない<>仔犬のファースト・ティーチャーにならない」の不等式が肝要。つまり、左辺と右辺は等しくないということだ。この補足をもって、「犬のリーダーになる必要はない!」の解釈がスムーズであることを願う。

引用:しつけに上下関係は関係ありません

 従来は、「飼い主は犬のリーダーにならなければならない」「上下関係をはっきりさせることが大事」などといわれ、服従させることが正しいしつけだとされてきました。これは、犬の祖先であるオオカミが、リーダーを頂点とする階級社会を形成していることから普及した考えでした。しかし犬はオオカミから進化した動物ですがオオカミではありません。そもそも犬が、異種である人間を群れのメンバーと認識すること自体、考えにくいこと。犬は、社会性が発達しているために、異種である人間とも共存できるものと考えられます。犬が順位づけするというのも、あくまでも犬同士の話。犬は人をよく観察して、家族のひとりひとりと関係をつくります。
信頼できて、かつわかりやすい人」の言うことはよく聞きますし、そうじゃなければ聞かない・・・。言うことを聞く・聞かないは、上下関係ではないのです。(「DVDでわかる犬のしつけ&トレーニング」西東社 P13)

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