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リューブログ

消防団の報酬を考えてみよう

2024年度の消防団の報酬が支払われました。

なんと!どこかへ振替されることなく全額個人に支払われました!👏👏👏

素晴らしい!

というか、これがごくごく普通の当たり前なんですが。💦

さて、今年度から個人に支払われるようになった消防団の年報酬と出動報酬ですが、こうなったには経緯があります。

その前に年報酬と出動報酬の違いですが、

・年報酬  消防団に入団していればもらえる報酬。神戸市では年間42500円。

・出動報酬 消防団の活動として火事等の災害、訓練等で出動した場合に支払われる報酬。神戸市では1回8000円。

※金額は各自治体によって違います。神戸市は全国でも高水準のようです。正直、消防団に入っているだけで、1度も出動しなくても年間42500円は貰える夢のようなシステムです。出動は必ずしも強制ではありません。

2023年は私の住んでいる地域では珍しく火事で3回出動しました。その他訓練等での出動もあり、今までにない高額な報酬をいただけることになりました。


では、今まではどうだったのか?

個人に入るのは出動報酬のみで、年報酬は協力会という団体に振替されていました。

それが今年度から、「ちゃんと」個人に支払われるようになった経緯とは。

4月に班での寄合があり、

今後、報酬を団が徴収することはない

と明言されました。

その理由は、「市民からの声もあり市長からの指示もあって、今後年報酬の分団への徴収は行わない。マスコミも動いているようだ」と言われました。

理由としては情けない感じもします。誰かから言われたから、マスコミで取り上げられたら困るからという理由であるのなら、今までの行いは何らおかしくなかったのか?とも思えなくもないです。


ただし!これだけで話は済みません。

同時に、「支団運営の為に任意だが、一人1万円を支団に出して欲しい。」とも言われました。

これは今回、私も初めて知ったのですが、各支団の運営については市もしくは消防署からの予算が全くなく、各団員の年報酬から1万円を支団に、残りを各班に振り分け、飲み会旅行に充てていたということです。私は全額が各班に充てられていたと思っていました。

ここで組織的な構図です。

神戸市消防局→各区の消防、私のところでは神戸市北区なので北消防→各町村の消防支団→各地区の分団や班

いわゆる「消防団」とは私の市では消防支団以下の組織です。その構成するのは住んでいる住人やその地域で働いている市民です。

消防自動車や機材は神戸市から支給されます。

今回明らかになったのは、支団の運営費が団員の報酬で賄われており、神戸市は一切お金を出していない、ということです。

支団の運営費とは

「八多支団の運営には年間200万かかっている。

その内訳は消防協力の年会費、北消防支団の分担金、共済の掛け金、ポンプ操法大会の助成金、慶弔等。

その収入源は今までは自治会から14万、支団長副支団長の年報酬22万ほどと各団員の年報酬から1万円を徴収し、
 
残りを各分団に配布していたとのこと。八多町で消防団員160名ほどですので合計で200万円ほどになる。」
 
とのことです。支団長の報酬も全額充てていたとは驚きですし、200万はさすがにかかり過ぎでは?とも思いますが。
 
以上のような事情から、
 
「あくまで「任意」ではあるが団員には1万円の負担をお願いしたい、神戸市には予算を出すようにお願いする。」
 
とのことでした。
 
株式会社神戸市なんて言われたこともありましたが、その実情はこんなものですか。
こうなると、消防団の設立の過程がどうなっていたかが知りたくなります。
団員にはボランティアとして無報酬で、「住んでいる地域のため」という大義名分で消火活動させていた。が、時代が変わるにつれて、無報酬というわけにもいかず、みなし公務員という扱いで報酬は出す。が全部は無理なんで、支団はみんなで運営してよ。
 
という感じなんですかね?
 
全国的に消防団の報酬についてはブラック寄りのグレーな運用がされているところが多いかと思います。
ただ、その大半の金額が消防団の飲み会旅行に使われていたこともあり、消防団の身から出た錆的な扱いを受けていたのも事実。
 
ところが、神戸市に限って言えば市がちゃんと支団の運営費を出していれば、団員の報酬の徴収という問題ももっと早く解決できたのでは?と思わずにはいられません。何なら飲み会旅行を隠れ蓑にしていたとも言えなくもない。
 
消防団の報酬と飲み会旅行の問題はどこでもありますが、これの原因の一端を自治体が担っていたとなるなら、早急に解決すべきであるし比較的簡単に解決できるのではないでしょうか?予算さえ通してしまえば、報酬徴収の全責任は各消防団に負わせることができるのですから。
 
とはいえ、これも支団からの情報で全てが真実とは考えにくいですし、神戸市がそこまで間抜けとも思えません。
が、今は報酬が個人に支払われるようになったことが、大きな一歩となったと思うべきでしょう。
 
 
 
 
 
 
 
 


ここまでスクロールしたあなたは、余程注意深い人ではないでしょうか?
 
実は話はまだ続きます。というか、ここからが本題。
 
報酬の話は前述通りで間違いないのですが、消防団としてもっと問題なのは
 
「飲み会旅行はどうなるの?」
 
これに尽きます。
 
私個人は今までにも書いている通り、飲み会旅行に関しては参加者が個人負担で希望者だけが行けばいい、です。
 
ところが、まあ予想通りではあるんですが、消防団の飲み会旅行に並々ならぬ価値を見いだしている人も多く、今回の寄合の大半は飲み会をどうするか?に時間を割きました。
 

 
私が通帳をXに投稿したのが3年前。なかなかに反響をいただくとともに、この問題が全国的な事柄であること、もっとひどい地域もあることが分かったのは収穫でした。ネットの恩恵ですね。
それから毎年投稿していたのですが、うちの班内でも話題になることもなく、誰かに文句を言われることもなく、私自身もこれぐらいで何も変わらんわなと思っていました。
 
転機はXでの毎日新聞からの取材要請
 
 
一旦は先方から情報源保護の観点から取材をお断りされたのだが、こちらとしては全くの無問題だったので正式に取材されることとなった。
 
とはいえ、何か特別なことを話したわけでも無く、今まで当ブログやつぶやていていたことを話しただけ。
 
この後、毎日新聞の方で各消防関係者に取材されたようで、中には私の名前が出たこともあったらしいが、その意味では私の投稿も全く影響がなかったわけではないようです。
 

飲み会の行方を心配する寄合に話を戻しましょう。

事前の予想では、今回の事態を引き起こした犯人捜しでもはじまるかな?とも思ったのですが、そういうこともなく、かといって私から自首?するような必要もないかなと静観していました。

まあ、明らかに私をチラチラ見ながら飲み会がどれほど好きかを熱弁される年長者の団員もいましたが、私としては何故名指ししないのかが不思議で、こういうところがいかにも田舎っぽいなと、、、。

結論としては、今年度から新班長になった元では飲み会旅行については「今までの残っている班のお金」からは一切出さない。飲み会等を実施する際は有志が集まって各自負担で行う、新班長の任期2年間はそのようにしてもらい、その後はまた考えよう。とのことでした。

この結論に特に反論はなかったのですが、中には「2年と言わず1年で考えなおしたら」という人もいたので、いかに飲み会が大事なのかわかります。

もし万が一、班内で報酬が徴収されるようなことがあれば、私は消防団を辞めます。

火事の際に出動する団員が5名以下、飲み会の出席率が8割以上、もちろん本業もありますので火災時に絶対出動しろとはいえませんし、私自身も本業に影響が出るようなら(夜中の火災等)出動はしませんが、この状況を考えたら消防団の意味は何かと考えられてもしょうがないですよね。


正論バカという言葉もありますが、今回の件もそうではないとは言い切れないのかもしれません。

判決として出ている以上、守らなければいけませんし、時代も変わっています。消防団に入るメリットが飲み会旅行、だから消防団に入ろう!という世間の風潮ではありません。

私自身はほぼお酒を飲まないので、酔うことやお酒を飲むことに魅力を感じないのですが、飲む人にとっても飲み会が消防団でないといけない理由は何でしょうか?仲の良い人、気心が知れた人が地元の消防団だった、というのはわかりますが、それならもらった報酬で行けばいいだけの話だとは思います。

おそらく取材された件が新聞紙上で記事になることはないと思います。
それは記事としてのバリューが少ない、もっと言えば私の環境は記事にするほどセンセーショナルではないからです。
 
それでも結果として報酬がちゃんと支払われるという点において、結果は最高だったと言えるでしょう。
 
報酬だけで消防団員が増えることは無いでしょう。
ポンプ操法大会や地域によっては学校行事や地域行事にも消防団が駆り出させていることもあるようです(地域によっては青年団と兼ねているのではないでしょうか?)。
報酬を増額した、装備を充実させた等では今の消防団の維持は難しいと思います。でも地方によっては初期消火のためには消防団も必要なところもあるでしょう。反対に市街においては、消防団の役割は低くなると思います。
地震等の大規模災害においては、その対応の仕方も訓練されないまま出動したところで、結果として2次被害を生じさせたこともあります。自身が被災者であるのに、被災した家族を置いて消防団活動ができるでしょうか?
 
と、毎回同じことばかりになってしまうのですが、やはり消防団の解体的再構築を検討すべきではないでしょうか?
 
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