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リューブログ

アラフィフおっさんの日々思ったり趣味の日々

「シン・仮面ライダー」感想 ~ネタバレ有り~

2023-03-25 19:43:03 | ムービー

 

物語冒頭からアクションシーンではじまる「シン・仮面ライダー」。

血しぶきが上がる仮面ライダーシリーズなんて今まであったのだろうか?しかもそれがライダーによるものだとか、、、。


シンシリーズというのが正しいのかはわからないが、個人的シンシリーズの順位をつけるなら、

1 シン・エヴァンゲリオン

2 シン・ゴジラ

3 シン・仮面ライダー

4 シン・ウルトラマン

となる。ウルトラマンは樋口真嗣監督ではあるが。

ストーリーはとても良くできていた。

仮面ライダーになる必然性、ショッカーと戦う意義、2号ライダーの登場と2時間の上映時間の中に上手くまとめられていたと思う。

予告編ではイマイチ心配だったアクションシーンも、実際の作中ではその心配は杞憂に終わったと思う。特にライダーキックの破壊力は抜群だ。


私は芸能人に疎いので今回の主役級の方はほとんど知らないのだが、緑川ルリ子訳の浜辺美波は特によかったと思う。

おそらくシン・ゴジラと時と同じく庵野監督からの指示で役者側の「演技」をほとんどさせない手法を取っているとは思うのだが、感情を押し殺したような演技において、浜辺美波はとても良かったと思う。

反対に男性陣はどの方の比べるとイマイチに見えた。

映画鑑賞の時はパンフレットは必ず買うようにしているのだが、今回パンフレットを見て初めて長澤まさみが出演しているのを知った。映画を観た後にパンフレットを見たのに、、、。あれが長澤まさみとは気が付かなかった。

ただ、このパンフレットの内容、後ろ1/3が広告なのはどうなんだろうか?とは思う。


特典のプロマイドは2号と緑川兄だった。

怪人のデザインもコウモリオーグを除いて素晴らしかったと思う。これは設定的にコウモリオーグが旧型であることにもよるのだろうが、その他の怪人はカッコよくデザインされていたと思う。

サイクロン号も初見ではどうかと思ったが、劇中ではさほど違和感を感じなかった。

ロングショットで撮った自然の中や鉄道のシーンはとても美しい。


残念なところは、庵野秀明監督は本当に特撮をしたかったのか?という疑問はある。

コウモリオーグとの戦闘シーンは、空中での戦闘シーンということもあってしょうがない所もあるのだが、CGが多用されている。

このCGがいかにもCGという感じで安っぽく見えてしまう。なぜ、こんな作り方をしたのか?その他の戦闘シーンとの差があり過ぎる。トンネル内でのバイクの走行シーンも同様だ。

冒頭のダンプカーとのカーチェイスシーンは実物とミニチュアを使用した撮影らしいが、特別に特撮が素晴らしいとは見えなかった。

その他にも「これならアニメでやっても良かったのでは?」と感じる時もあった。ただアニメで作ったとしても、庵野監督ことだからプレビズを使用して普通のアニメにはならないとは思うが。


全体としては、とても面白い映画だと思う。

もう1回は見たいと思う、その点ではシン・ウルトラマンよりは上だと思う。

 


「BLUE GIANT」を観に行った ネタバレ感想

2023-02-25 12:21:59 | ムービー

映画「BLUE GIANT」を観に行きました。

原作は全巻持ってるぐらいです。

アニメ化と聞いたときは意外でした。てっきり実写化かと、、、。実写化の方が作りやすそうですからね。でもそれが間違いだったのは、観て気が付きました。

 


結論から言うと

面白いけど、原作の方がもっと面白い

となります。

原作の第1部の4巻途中から10巻までをまとめて、上手く映画版としてストーリーを作り上げていると思います。

特に音楽は最高です。ジャズをあまりわかっていない私でも、素直に「カッコいい」と思えます。

原作では事故によりサックスとドラムだけでライブをしなければならない状況になるのですが、そこはどうなるのかなと興味あったのですが、実際に映画で観てみたら、

「ちゃんとライブになってた」

名だたるアーティストの演奏とはいえ、これは素晴らしい!


演奏シーンのCGが微妙だったり、演奏シーンのエフェクトに共感できなかったり、最後はフジテレビのドラマ的なご都合主義大団円だったりしますが、それでも原作を知らずに観ても十分楽しめる映画だと思います。

 

ただ、映画観た後に原作を改めて読んだら

もっと面白かった!

 

主人公大の経験、失敗から成功、人との出会いと別れがあってストーリーだなと、原作はもっと面白い!


パンフレットは観た映画は買うようにしてるんですが、今作は昔で言うレコードのLP盤サイズ!デカい!

本当にジャケットになっていて、その中に冊子が入っています。その冊子もレコード風になっています。手が込んでる!

併せてサウンドトラックも購入。今作では当然と言えば当然かもしれませんが音楽に相当お金かけていると思います。そのせいで作画が微妙になった説があるかもしれませんね

CDにも短編漫画がありました。サービス精神満点です。


漫画と音楽とは必ずしも相性が良くないとは思います。

漫画で「音」を表現するのは難しいですし、漫画の中で「誰も聞いたことのない音」や「誰にも出せない音」という表現を使えば使うほど、アニメ化実写化で音を付ける時にハードルが高くなっているというジレンマに陥る。

「TO-Y」という上条淳原作の漫画がアニメになった時に、作中ではPSY-Sの曲がBGM的に流されるだけで、肝心の主人公TO-Yは歌わずに終わってしまった。それだけ作中のイメージ通りの音楽は難しいのでしょう。

逆に作中のキャラクターが成長していくストーリーなら、演奏が少々下手でも曲がカバーであっても作りやすいのかもしれません。

その点を考えると今作「BLUE GIANT」の音楽という点では、イメージ以上の大変すばらしいものだったと思います。それがジャズでボーカルが必要なかったという点を割り引いても、今までで一番の音楽だと思います。


今作を観に行ったのは平日の夕方4時からの上映だったのですが、映画館は週末並みに人が多く「なんで?」と考えたら、鬼滅やってるんですね~。

ところが入場のアナウンスが流れたら、一番列ができたのは「タイタニック」の再演でした。それも若い人が多かった。

配信が当たり前で、もう20年以上前の映画でも、「映画館で観よう」という若い人が多くて、まだまだ映画館も捨てたものではないなと嬉しかった。

ただ「BLUE GIANT」の観客は私を含めて4人でした。こちらは予想通りというか、、、、

 


THE FIRST SLAMDANK

2022-12-29 07:26:23 | ムービー

「THE FIRST SLAMDANK」を観てきました。

上映前はいろいろと炎上してたようですが、とかくこの手はネット民の先入観からくるもので、大抵少数派の大きな声で終わることが多い。

結論から言うと

「スラムダンクが好きなら、いや一度でも読んだことあるなら、観に行っとけ!」

だ。

 

ストーリーは山王戦になり、事前の(勝手にリークでは?と勘繰っているが)宮城リョータ視点で進んでいく。

原作では描かれなかったリョータの過去が深堀されながら、山王戦は開始される。

一応原作に準拠してはいるが、途中魚住が出てくるシーンは無くなっていたり、原作やアニメを知らずとも映画単体で楽しめるように作り直してある。

上映前の炎上を消火しておくと、声優陣の総とっかえは正直気にならない、というか私の場合は前アニメ化時の時の方が「私の中の」原作のイメージとの乖離が大きく全く観てなかったので、今回の方がしっくり来たという気もする。

同時にフルCGの作画については、ゲームみたいだとか酷い言われようだったが、これも観ていただければ杞憂で終わると思うだろう。バスケットというかスポーツというスピード感ある動きをここまで再現できるのかと感動すらした。

パンフレットでも監督井上雄彦が書いていたが、コート上の10人の選手を作画で描くのは不可能だからCGという選択をしたと。確かにそうだ。

また原作ではじっくりと描かれていたプレーの一つ一つは映画では意外なほどあっさりと一瞬で終わらせていることが多い。

例えば冒頭の湘北が先制点を取るリョータのパスからの花道のアリウープは、本物のプレーのように一瞬であっけなく終わらせる。試合のリアルの追求とCGの採用の結果ではないかと思う。

私が漫画原作をアニメかなり実写化で重要視する一つに「テンポ」がある。

漫画は読み手側のスピードでテンポを無意識に作っているが、アニメなり実写ではそのテンポは制作側が担うことになるが、それは非常に重要で多くの作品が間延びした感じなってしまうのは放送なり上映時間の関係かもしれないが、観る側との乖離で面白さが半減することが多い。

この点ではこの作品では非常にテンポよく話が流れていったと思う。途中の回想シーンを中だるみととるか流れの中の緩急と取るかは観る側しだいだろう。全編あの試合シーンでは観る側が非常に疲れる作品になったと思う。

今では興行収益も50億を突破し、成功と言えるレベルの結果を出したようだ。

観た人なら納得の結果だろう。

それでも前作が!という方は、それは好みの問題なので、、、。

一つ苦言というか難癖を付けさせてもらうなら、リョータの父が亡くなり、その後親しかった兄も事故で亡くしてしまったリョータの境遇だが、原作では花道も父を亡くしている描写がある。

話の中で人の死というのは確かに大きなターニングポイントとなるのだけども、ちょっと多すぎる気もする。これはスラムダンクだけでなく井上雄彦作品の中でもちょいちょい出てくる。

目の前からいなくなり、もう会えない、というのは衝撃的だしその後の生活に大きいな影響を与えるのは確かだけども、それが多すぎるとまたかという気分にもなるし、言い過ぎかもしれないが不幸の安売りともとられかねない。

これは私自身が二十歳過ぎに両親を相次いで病気で亡くしたから感じてしまうことかもしれないが、そんな人は全体から見ると少数派で親の離婚で会えないとかの方が多いのではないか?また亡くした側からすると、いないのが普通になってしまい、亡くした自分が不幸というのは「居る」側からの視点で、実のところ自分が不幸なのかどうなのかは相対的な視点でしかなく、絶対的な幸不幸の感覚は時間が解決してくれるものだ。


少々余計なことも書いたが、映画はとにかく面白いので観に行って損はない。原作を読んで山王戦ラストに息をのみながら没頭した人なら尚更だ。間違いなくあの時の感動が蘇る。

 


「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」 感想と※ネタバレあり

2022-06-12 08:17:35 | ムービー

「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」観てきました。

ガンダムと共に年齢を重ねてきたオッサンとしては、もはや義務的な感じもしますが、実はこの映画化決定から期待はしていませんでした。

それはやはり冨野由悠季がいない。この点です。

冨野由悠季の手からガンダムが離れて久しいのですが、当初は宇宙世紀ではない全くのガンダムというジャンルを使ったガンダムシリーズだったのが、ユニコーンで宇宙世紀に足を踏み入れ、今回ついに1年戦争のエピソードの映画化というところまで来てしまいました。「ガンダム ORIJIN」がありますが、あれは一応1年戦争の前日譚までの映像化なので、、、。それでもコミックの方の「ORIJIN」をすんなり受け入れられているのは、安彦良和の画力があってだと思います。

その安彦良和が監督なんですが、結論から言うと全く面白くなかった。

昔からガンダムTV版の映像を新しくしてほしいというのはファンの間ではからあったのですが、それは映画3部作がとても良かったからこそであり、その意味では安彦良和はすごく天才だなとは思います。

今回映画化のエピソードは知っての通りTV版15話ですが、映画化に先だって漫画版があったようですが、そちらは観てないので今回の映画化がコミックそのままなのか違うのかは知らないです。

そもそも30分、実際には20分のTVのエピソードを映画化しようというのが、尺的にも大変難しいとは思うのですが、時間的なストーリーの間延び感はほとんど感じなかったといえます。もちろん映画化に際しての新しいキャラや設定の追加はありますが、無理なく追加できていたと思います。

ただ全体的にキャラが薄っぺらく感じます。

特にドアンは贖罪の意味もあって子供たちと共に暮らしているんですが、それは観ている方は事前情報もあって理解できるんだけで作中にその説明は少なかったと思います。

今作を観に行く直前にCS放送でTV版「ククルス・ドアンの島」を観る機会がちょうどあったのですが、そちらはドアンがちゃんと子供たちの親を殺したのは私だ~みたいなセリフがあったんですね。

全体を観れば分かることなんですけども、もう少しあっても良かったではないかと思います。そうでないとドアンの目的が実は、これも作中では明言されませんでしたが、核ミサイルの解除の方が主であったのかもしれないとも感じてしまいます。(その核ミサイルですが、同じくTV版の25話「オデッサの激戦」で水爆ミサイルをガンダムが真っ二つににするエピソードからの転用だと思います。)

もう少し脱走兵としてのドアン、戦争から逃げたいが逃げきれないドアンの悩みみたいなのが描かれば、今作の映画化の意味合いも増すのではないかと思います。それが核ミサイルの解除が裏にあったので少しぼやけるかなという気がしました。

アムロについては回想シーもあるように、兵士としてなり切れない思いと母との惜別などありましたが、TV版がそうであったようにドアンとの出会いでアムロの成長の一助となったのは間違いないですが、ドアンとアムロの交流が作業場面以外ないので、最後にアムロがザクを捨てるシーンの「戦争の臭い」がちょっと唐突に感じました。

戦争とはなんぞや、子供と暮らす理由、とかをアムロに語ることでアムロがザクを捨てる理由がわかりやすくなると思います。まあ、ちょっと説教臭くなるかもしれませんが。アムロがガンダムで生身のジオン兵士を踏みつけるシーンも、何かしらの説得力を持たせられたかもしれません。あのシーンは違和感しかなかったです。ビームライフルで「撃つぞー、撃つぞー」と言っていたアムロと同一人物とは思えない「軽い」描写でした。

子供たちの描写が多いのにはちょっと辟易しました。途中これはひょっとしたらディズニーなのか?とも思ったほどです。子供達が作中のひとつの要素であることには間違いないのですが、それがホワイトベースのクルー以上であるとは思えないんですよ。そのホワイトベースのクルーもまあまあ酷い扱いだったとは思うんですが。

いっそのこと、子供達が今回の戦闘の被害を受けるストーリーならアムロがザクを捨てる説得力も増すとは思うのですが、今作で命を落とすのは脇役かジオン側だけでしたね。

時系列の変更も結果的には良い結果を生まず違和感だけを残しただけだと思います。

TV版 オデッサ侵攻→ジャブロー→宇宙

今作 ジャブロー→オデッサ侵攻→描かれてないが宇宙

と時系列が変わっています。そのせいでスレッガーもいるしキャノンは2機あるしブライトは2階級特進なのでしょうが、今作の戦闘でキャノン2機は大破、スレッガー機も損傷、コアブースターも被弾とボロボロです。これはいかに演出とはいえね~

前述したようにアムロは惜別した母や父の夢を見ますが、どちらも恐怖の対象として描かれていました。アムロの心情としてはわからくもないですが、少なくとも母との別れはTV版3部作映画版共にきっぱり気持ちの整理をつけたうえで分かれていると思います。

ホワイトベースが地球に降りてきて以降のガルマ戦後のイセリナの死、ランバラル、ハモンとの交流、リュウの死、脱走、そしてマチルダの死。一連の流れの中に母との再会と別れもあるのですが、ジャブロー以降でアムロの戦いに対する疑問や拒否反応の描写はほとんどなく、覚悟を決めたアムロを感じさせます。

それが今作は入れ替わっているので、ジャブロー以降にマチルダの死を経験することになってしまいます。

 

安彦良和は絵は本当に天才的ですごいと思います。

「クラッシャージョー」や「アリオン」、「巨神ゴーグ」なんかは今観てもなんら遜色ない絵作りをされているとは思います。

が、ストーリーという面でイマイチかなと感じます。漫画だと面白いので演出面かもしれませんが。

冨野由悠季が今作については何も語ってないようですが、どう思ってるんでしょうか?もう関係ないとは言うとは思うのですが、心中穏やかではないと想像します。

 

 


「シン・ウルトラマン」感想 ※ネタバレあり※

2022-05-21 06:55:00 | ムービー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シン・ウルトラマン」を観に行ってきました。

解説や考察など多くの方がブログや動画で書いたり語ったりされますが、私はあくまで「感想」です。

それでもネタバレを含みますのでご注意ください。

さて、今回の「シン・ウルトラマン」ですが、予告を観た気分で行くと見事に想像とは裏切られました。予告を観たからと言ってストーリーを想像する訳ではないですが、予告から伝わるイメージとは違いました。

その違和感がストーリー中盤の長澤まさみが巨大化するところで決定的になり、メフィラス星人がラスボスと思いきや実にあっさりと途中退場してしまうのには驚きました。

ゼットンがあのような形で出てきたのも、それもゾフィーが持ってきて、それがラスボスになるというのも、オリジナルに準拠している面もありながらもビックリするポイントでした。

全体的なストーリー展開は後で考えれば理にかなっているし、それぞれの禍威獣、外星人の役割もストーリー上必要だとわかるのですが、初見ではそれが非常に理解しにくい、というか予告からのイメージと少し違うなという気がします。

個人的なイメージでは初代ウルトラマンは怪獣がメイン、セブンで星人が適役のメインというのが強いので中盤以降の星人とのやり取りについては少し違和感を感じたのかもしれません。

特撮と言いながらその映像の多くはCGだったと思います。確実ではないですが、本当の特撮と言えるのはウルトラマンの飛行シーンだけではないですかね?間違ってたらごめんなさい。

現代のウルトラマンらしく出てくるガジェット類は現代的になっているのも、SNSでの拡散や動画投稿も非常に今風だと思います。

が、現代風にするがゆえに当時のウルトラマンでは通用していたことが作中では「あれ?」という感じになってしまうのはしょうがないんでしょうか。

例えばウルトラマンが倒す2体目の禍威獣で神永がウルトラマンに変身すべくいきなり席を退出するのは、禍特対が実行部隊ではなく諮問機関となった作中では「誰も止めんの?」と思ってしまったのは設定の変更もあるがシラケた箇所でもある。

前述しましたが、長澤まさみが巨大化するシーンは正直滑稽でしかなかった。それがフジ隊員が巨大化するというエピソードの再現であったとしても、うーん?と感じざるを得なかった。

「シン・ゴジラ」での石川さとみの演技はとかく話題になりがちだが、あれは周りが抑えた演技だったから余計に目立ったのだが、今回も長澤まさみが少し痛い演技だった気もする。

公安からの出向という設定だが、妙に軽いキャラなのはウルトラマンである神永がほぼ無表情の演技だったことから余計に目立った。もう一人の女性キャラである船縁も似たような軽いノリだが、作中の扱いでは長澤まさみの方が多いので更に強調されてしまうのかもしれない。あと、なぜに尻を叩く??

とはいえ、登場人物が全員感情を抑えた演技をしてしまうとそれは押井守作品になってしまうので難しいところではあるかもしれない。

その反面としてメフィラスの山本耕史の演技が際立つ結果となったと思う。

 

なんだか批判ばかりなってしまって恐縮だが、ではそもそも面白くなかったのかと聞かれれば「面白かった」と答える。

でも1回観た感想では、ストーリーがいびつでまとまりきれてない感じが強く、上映時間がもう少し長ければと思うのは色んな要素を詰め込みすぎたせいだろうか?なにせ禍威獣が2体、外星人が2体、それにゾフィーにゼットンが出てくるのだ。

「シン・ゴジラ」ではゴジラに対する日本の対応というわかりやすい図式だったが、ウルトラマンではウルトラマンの心理、外星人の策略、禍特対と政府、という描かなければならない要素と関係が多すぎたのかもしれない。ウルトラマンは序盤では何を考えているか感じているかの描写は少ない。

余談だが、竹野内豊がまた政府要人で出てきたり島田久作が総理大臣になってたりするのは「シン・ゴジラ」を観た人ならニヤリとなるところではある。これを考察としてしまうと時間軸がとかメンドクサイことになるのが、個人的には制作側のお遊びだと思う。

今回、庵野秀明は企画脚本、総監修という立場で監督は樋口真嗣だったのだが、観る側にとっては「シン・ウルトラマン」もほぼ庵野作品という認識の人が多いのではないだろうか。良くも悪くも庵野秀明の影が大きく、本来監督である樋口真嗣の存在感が薄い。今までの関係を考えるとしょうがないのかもしれないが、「シン・ゴジラ」「シン・エヴァンゲリオン」のような感動はなかったかな。

パンフレットが売り切れていたので、もう一度観に行くかもしれない。