(今となってはなつかしい「冰館」の営業風景。再びオープンする日は来るのか?写真は昨年11月のもの)
今週最大のニュースはこれだ!台北市の永康街にあり、新鮮なマンゴーをたっぷり載せたマンゴーカキ氷(芒果冰)で内外に名を轟かせた「冰館(ビングアン:英語名アイスモンスター)」が突然閉店したのだ。ニュースが駆け巡ったのは17日だが、どうやらそのニ、三日前(15日)の深夜に夜逃げのように設備を運び出していたらしい。
このお店の看板料理、マンゴーカキ氷とは?大きなお皿にカキ氷。上にはおおぶりのサイコロ状に刻んだ新鮮なマンゴーが氷が隠れるほどどっさり。それにディッシャーで丸くくりぬいたマンゴーシャーベットがのっかって仕上げはマンゴーの果汁、そしてマンゴーと相性ピッタリの練乳がかかっているというもの。台湾マンゴーのおいしさは疑いの無いところだが、さらに練乳とのマッチングが絶妙で、他では一皿台湾元80元のところを160元という常識破りの値段にしてバカ売れしたのだからすごい。夏のシーズンには一ヶ月の売り上げが台湾元5000万元に達したという。日本や韓国にも店を出し、最近では世界一高い高層ビルを建てたドバイにも出店する話が進んでいた。
(何の予告も無く突然閉店。19日もシャッターは下りたままだった。オーナーは18日に声明を発表、すでに消費者・社会・地元の“共有資産”となっていた冰館を突然閉めたことを謝罪した)
そんな店がなぜ突然営業をやめてしまったのか。連日の報道によると、オーナー夫婦は三年前に離婚しているのだが、この慰謝料でもめていることが原因とのこと。冰館は創業15年、当初は厳しい時代もあったそうだがマンゴーカキ氷が当たってからは「伝説」のサクセスストーリーとなった。テレビドラマの題材にもなったのだ!それが一体どうしたのか離婚することとなり、男性の昨年の再婚を経て、慰謝料や財産をめぐって元夫婦が泥仕合になっているらしい。両者言い分があるのだが真実は藪の中なのであえて言うまい。ただ、知り合ってから25年、離婚の導火線は「自分の浮気だった」と元夫は認めている。(22日午後に報じられた)
(寂しげな看板。もう電灯が点く事はないのか)
「犬も食わない“元”夫婦喧嘩」がこれほどのニュースになっているのは、冰館の閉店がこの店だけの問題ではないからだ。
永康街と言えば、ショウロンポウで知られる店の「鼎泰豊(ディンタイフォン)」のあるところ。鼎泰豊と冰館はここに観光客を呼び込む上で大きく貢献していたのだ。報道によると、永康街の一帯(商店が400軒あまり集まっている)での売り上げは年間で約30億元、しかし、冰館が閉店して週末の人出は一気に2500人から3000人減るという。付近の商店はもちろん冰館の再オープンを望んでいるが、待ってばかりもいられないので自前で作成したビラを配るなどして難局を乗り越えようとしている。
あわてたのは台北市観光伝播局だ。台北市の観光ガイドで「冰館のマンゴーカキ氷を食べないと流行おくれ」と思い切り持ち上げていただけに突然の閉店に頭を抱えている模様。台北市観光伝播局の局長や同市産業発展局、商業処のトップが自ら永康街商店街の理事長に電話をかけてきては、「冰館に元の場所で同じマンゴーカキ氷を売らせるように!」と関心を寄せているという。
(様子を見に行った19日、多くの日本人観光客が閉店しているのを見て失望していた。記念にするのか写真を撮る人も)
たかがマンゴーカキ氷、されどマンゴーカキ氷。オーナーの男性は、「(マンゴーの買い付けを約束している)屏東県のマンゴー農家のことを思うと、どうしたらいいのかわからない」と苦悩しながらも、永康街のどこかで必ず復活してみせると話している。今年の夏、永康街であのカキ氷に再会できるのか。そしてまた内外の人たちがここへ押し寄せてくるのだろうか。永康街の人たち、消費者、旅行会社、そして台北市がその答えを待っているのである。(U)
(カウンター前の狭いスペースに置かれたテーブルが空くのを待って、大きなマンゴーカキ氷を二人や三人で分けて食べるのがここのスタイルだった。カキ氷を前に楽しそうな風景。過去のものとなってしまうのか・・・。ちなみに一番奥がマンゴーカキ氷、前の二つはキウイなども入っているバージョン)
「喧嘩カキ氷店 元夫店、元妻店」で店内に仕切りをつけてどっちが客が多い?って競争しないかな?
他人の不幸は甘いカキ氷味、なんちゃって。
ではまた
PS;
ハイチ支援は台湾が頑張っていますね、国際社会認知度アップと行きましょうか。
つ【 二、三日前(15日)の 】
>冰館が閉店して週末の人出は一気に2500人から3000人減るという。
本来の人出は、どのくらいなのでしょうか?
コメントありがとうございます!
元妻の方では自分で店を経営する気は無いみたいで、元祖・本家の争いや、元夫・元妻の争いにはならないみたいです。(苦笑)
「ニ」と「二」、気が付きませんでした!ありがとうございます。
週末の人手が減るという報道では約1割とされていますので、本来は2万5000人から3万人ということになるようです。