1年に1度、6月にしか作れない台湾特産のお茶「東方美人茶」の新茶が出回る時期になりました。東方美人茶は、またの名を「白毫(はくごう)烏龍茶」「椪風(ポンフォン)茶」「香檳(シャンペン)烏龍茶」とも呼ばれ、紅茶に近い発酵度のかなり高いお茶です。小さな虫にお茶の芽の汁を吸われた茶葉だけを使って作る無農薬のお茶で、通常の茶葉では出せない、蜂蜜や果物、または花のような香りと、紅い水色が特徴です。
主な産地は、客家の人が多く住む桃園県、新竹県、苗栗県で、このところ各地で盛んに東方美人茶のコンテストが行われています。(写真はお茶の評価の様子。白い磁器でできた専用の円筒型の急須とお碗を使ってお茶を入れ、水色を見、スプーンですくってお茶の香りと味を見る。写真提供:CNA)
昨日7月23日に新竹県で行われた東方美人茶コンテストでは、特等賞と頭等賞(一等賞)を宏安・仁(金有)父子が受賞しました。しかも、仁(金有)君はまだ13歳で、最年少記録だそうです。仁(金有)君は小学校3年のときからお父さんに東方美人茶の作り方を習い始め、今年は初めて全工程の作業に参加したということです。お父さんが仁(金有)君の名前でコンテストに出品してみたらどうかと提案したところ、見事一等に入賞!彼の家系は代々お茶農家で、おじいさんもコンテストの常連入賞者です。
お茶の製造は、茶摘みから乾燥まで、16時間休みなしに一気にやらなければならず、大変な作業ですが、若い後継者が育つことで、将来もますますおいしい台湾茶が味わえることを期待したいと思います。(尾)
*8月7-9日に、台北市の微風広場(ブリーズ・センター)で、桃園県政府主催の東方美人(椪風)茶販売会があります。
*7月24日(金)の番組「文化の台湾」では、東方美人(椪風)茶を紹介しています。