
旅は道連れ、世は情け
テムズ河もセーヌ河も観光船は行き交っている。
ほとんど揺れのない広いデッキに長い椅子が並び、
観光客は左右のビルの景観を眺める。
ライン川は川幅が広く水量も多いので、観光船の構造は少し違う。
ケルン市では大型の頑丈な渡し船が、
大勢の観光客を河を渡すためだけに乗せていた。
箱根芦ノ湖の海賊船は大勢の客を乗せるが、
なぜか湖面を走るわりには揺れを感じた。
松島の観光船は、外海も走るため揺れるので
漁船のように頑丈にできている。
かりに、急ぎ旅の人が松島から北上川を遡って平泉に乗る船は、
ボデイを丈夫にしなければならず、大型巡視艇や魚雷艇を国から
払い下げてもらって、船に改造するのが安上がりかもしれない。
だが、日がな一日、のんびり釣り糸でもたらし、
船底の魚をながめ、活花や写経をして、
おいしい食事を摂るには、どのような船が良いのか。
天の海に 雲の波立ち 月の船 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ
2013.9/2