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審判のあり方に関する一考察

2007年04月23日 | 考察集
この記事は、2006年05月19日にUPした内容を再編したものです。

■ サッカーの進化と審判に求められるもの

チャンピオンズリーグ(05-06シーズン)で出された2枚のレッドカード。これが現代のサッカー界における審判のあり方について考えるべき時期に直面しているのかもしれません。そこで、今日は、「審判のあり方」について考えてみました。

◆ チャンピオンズリーグでのジャッジについて
今シーズンのチャンピオンズリーグ05-06シーズンは(以下、CL)「バルセロナ対チェルシー」でのレッドカード。そして決勝戦「アーセナル対バルセロナ」でのレッドカード。この2枚のレッドカードが2つのチームの運命を大きく変えました。例えば、今回の決勝戦。レーマンの退場劇をみると。
1.オフサイドかどうか?
2.レーマンがエトーの足首を手で引っ掛けて止めようとしたか?
3.結果、どういうジャッジを下すか?

この場面だけを切り取ってみると、審判は、一度に2つの状況判断して、そして1つジャッジを下さなければなりません。これくらいの内容のジャッジは、20年前でも普通にあったプレーです。しかし、「プレーを流す」という、ある種ファジーな判断さえも求められる状況があるのも事実です。

つまり、単にルール通り判断するのではなく、試合の状況、チーム間の問題、そして、今回であれば、どういう位置付けの試合であるか?というように、複雑な試合の状況を一瞬の内に判断しなければならない審判は、相当なプレッシャーがあると思われます。

◆ 審判は、試合をより良いものにする義務がある
昔から思っているのですが、審判は「試合をコントロールする役割」があると思うのですが、それは、ピッチ上で行われているプレーのに関してだけではなく、サッカー特有の微妙な判断に関しても必要なのではと思うのです。この微妙な判断に関して例えば、“プレーを流す”というものがあります。これはプレーの表面上の判断だけではジャッジ出来ない事だと思います。審判が試合の流れ(展開)というものを理解していなければならないからです。
仮に遊びの草サッカーであれば人数が足りないからと言って審判を置かないでやる時だってあります。しかし、CLやW杯のような最高峰の試合であればそうはいきません(笑)
しかし、最高峰の試合であっても審判は主役になってはいけない。但し、試合をより良いものにする義務はあると思います。

◆ 進化し続けるフットボール
現代サッカーは、「戦術の複雑化」、「試合展開のスピードアップ化」、「選手の運動量」、「サッカーとビジネスの肥大化」など日々進化・巨大化してきています。それに伴い、審判に求められる能力も変化してきていると思うのです。そして、全ての審判とは言いませんが、サッカーの進化に審判が適応しきれていない部分が多々あるのかもしれません。それが、結果的に昨今の誤審の原因となっているのかもしれません。

■ 審判のプロ化と組織を作る必要性について

◆ コッリーナ氏のインタビュー
有名なイタリア人審判、コッリーナ氏のインタビューを読んだ事があるのですが・・・
「試合前に対戦する2チームのビデオを観て、各チームの選手の特徴、各チーム戦術を予備知識として入れておく」「戦術を事前に把握しておいた方が“ある程度”次の展開を予想し的確なポジションを取ることにより正しい判断が出来るから」
だいたいこのような内容でした。
このコッリーナ氏の予習は、「戦術の複雑化」、「試合展開のスピードアップ化」に対応しようとしていると言えます。

◆ 審判のプロ化について、FIFAにも対抗出来る組織を作る
詳しくは分からないのですが、Jリーグでは、技術向上の為一部の審判をプロ化しているような記事を読んだことがあります。海外ではどうなのでしょうか?前述のコッリーナ氏でさえ“プロ”という肩書きではないと思います。

もしかしたら、これだけサッカーという競技が大きくなった現代においては、“審判協会”のような一つの組織を作り、世界的な基準などを整備して審判もプロ化をすべきなのかもしれません。その場合は、FIFAやUEFAに対抗出来るくらいのしっかりした組織にすべきだと思うのです。(こういう組織ってあるのかな・・・?)

審判は、選手や監督のようにクラブという後ろ盾がありません。
試合後の批判の矢面に立つのが一個人(審判)ってのは、どうもフェアじゃないような気がするのです。マスコミ向けのコメントや会見も“審判協会”という組織があれば、広報を通じて行うなりすべきだと思います。あまりにも審判に対する文句や批判が多過ぎます。
但し、賄賂や八百長、プロ化による審判へのプレッシャーの拡大など。審判プロ化に伴う弊害もあるかもしれませんが・・・それ以上に審判のおかれている現状があまりにも酷いと感じるのです。そして、被害を被った審判もいます。

◆ 誤審騒動による悲しいニュース
チャンピオンズリーグ決勝トーナメント第1戦ファーストレグのバルセロナ対チェルシー戦を裁いたスウェーデン人のアンデルス・フリスク主審が、自らと家族に複数の脅迫状が送られてきたことを明らかにし、引退することを決めた。
  
フリスク審判、脅迫され引退へ
チャンピオンズリーグやW杯の決勝も裁いたことのある優秀な審判です。そんな彼が引退することを決めるほど、心に傷を負ったのでしょう・・・

■ 審判のミスを見極める

◆チャンピオンズリーグでのジャッジについて再考
個人的な意見ですが、前述の2試合での審判の判断が、以下のようになっていたらどうでしょうか?
「チェルシー対バルサ」
とりあえず、デルオルノに対してイエローカードを出しておく。まさにデルオルノへの“警告”。それも強い警告を与えておくべきでした。

「バルセロナ対アーセナル」
CLの決勝です。いきなりレッドカードは出すよりは、あのプレーを流してバルサの得点を認める。そして、レーマンにはイエローでもOKだったのかな?って思ったりもします。勿論、レーマンのプレーだけをピックアップしてルール的に解釈したら“退場”です。しかし「裏で試合をコントロールする」役割があるのであれば、こういう判断もありなのかな?と思います。

但し、これは全て事後解釈です。この判断を試合中に一瞬で行うことの難しさをサッカーファンは理解すべきだと思います。

さらに試合後、数日経った今日、以下のような発言まで飛び出しました。
17日に行われた欧州CL決勝を担当したハウゲ主審が18日、母国ノルウェーのタブロイド紙に判断ミスを認めた。

前半18分、アーセナルGKレーマンがバルセロナFWエトーを倒し一発退場となった場面で、こぼれ球をFWジュリが無人のゴールにけり込んだが、得点を認めなかった。エトーが倒れた時点で笛を吹いたため、アドバンテージによる続行を認めなかったが、ハウゲ氏は「笛を吹くのが少々早過ぎた。起きていることに集中し過ぎた」と話し、判断に誤りがあったとした。

  欧州CL決勝、主審が判断ミス認めた

個人的には、試合が終了しているので、このような発言はいかがなものかと思うのです。改めて問題を蒸し返すような気がするのです。雄弁は銀、沈黙は金ってことわざもあったりするものですが・・・

◆ 審判のミスを見極めることが大事
ちなみに、今回の誤審により影響を受けた3チームのサッカーはそれぞれ好きですよ。でも、私はリーズファンなので、別にチェルシー、アーセナル、バルサどこが優勝しようと知ったこっちゃありません(笑)つまり、審判の批判をする監督、選手、サポーターの気持ちは分かりますが、それは、勝手な発言です。審判も人間ですからミスを犯すことだってあります。
「致し方ないミス」
「回避出来たミス」
「あってはならないミス」


・・・と3通りあると思うのです。今回取り上げた2つのケースのジャッジ(レッドカード)に関しては「回避出来たミス」だと思います。しかし、クラブや選手、監督、サポーター達は、自分達にとって都合の悪い時だけ審判のジャッジを批判して、そうじゃない時には良いように解釈する。どうなんでしょうか・・・チェルシー、アーセナルも過去に審判のミスジャッジによる恩恵を受けたと思うのです。自分達に不利な時だけ審判批判をするのは、虫が良すぎると思うのは、私だけでしょうか?!

◆ 引退後、審判になる選手がいない理由
最後に・・・私は、サッカーのジャッジの曖昧さが好きですね。
アメリカンフットボールなんて、ビデオで再生して判定を覆します。基本的に私は審判のジャッジにビデオ導入には反対です。例えば、ビデオが導入されていたらマラドーナの“神の手”は生まれませんでした。

審判は、試合中ピッチ上の選手、ベンチの両チーム監督、スタジアム、TVの向こう側のファンと多くの視線に監視されています。そして、10代後半~30代の選手の動き(スピード)に付いていかなければなりません。そのプレッシャーと体力は、想像を絶します。だからでしょうか?選手を引退して審判になる人がいないのは・・・


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≪追記≫
実は、私のパソコンが不調でメンテナンスをしていまして、更新が滞っていました。週末行われたJリーグ「浦和vs川崎」、また、インテル、セルティックの優勝についての記事も考えていましたが、ちょっと今日は更新出来ない感じでしたので、以前、ちらっと書いたように昨年のCL後の記事の再編版で・・・(苦笑)
お茶を濁す感じですいません。とりあえず、チャンピオンズリーグ準決勝が復活第1弾となると思います。



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