原題:Intimate Grammar / Hadikduk Hapnimi
監督/脚本:ニル・ベルグマン
出演:ロイ・エルスベルグ オルリ・ジルベルシャッツ イェフダ・アルマゴール エヴリン・カプルン ヤエル・スゲレスキー リフカ・グル
第23回東京国際映画祭『僕の心の奥の文法』ページはこちら。
<Story>
1960年代初頭のイスラエル。
新世代の若者は、ホロコーストなど二度とあり得ないと思っていて、好戦的でもある。
しかしヒンダの息子アハロンは、繊細で暴力的ではない。
彼が真に求めているのは教養や芸術であるが、家にいては手に入らない。
彼はどうすればいいのか?
ホロコーストの生き残りである彼の父親にとって、人間の存在意義は、戦争とそこから生き延びることでしかない。
アハロンは両親のようになるのを拒み、3年間一切成長することをやめてしまう。
しかし自分にも責任があることを知り、少年から青年になる境界線を越えるための、危険で内なる旅に出ることになる。
(TIFF公式サイトより)
<感想>
写真も可愛らしくて、見てみたいと思わせる作品。
時間が合いましたのでチケット取りました。
これを書いている本日(10月31日)、本作が東京サクラグランプリを受賞しました。
ニル・ベルグマン監督は、2002年の「ブロークン・ウィング」に引き続き、東京国際映画祭グランプリは2回目の受賞です。
ポスター撮りましたけどブレちゃった。。。
可愛らしいことは確かにそうなのですが、ここで描かれているのは実はかなりシュールな内容。
1963年のイスラエルが舞台です。
当時はイスラエル建国~第2次中東戦争~第3次中東戦争の流れの中にあり、若者の中には恐らく、常に自分たちもいつかは戦争に関わるという意識が離れなかったのではないだろうか。
そのきな臭い国情の中でも、物語はどことなくロマンチックな部分を残している。
この主人公のアハロンは、心身共に成長することをやめてしまったかのような少年である。
少年時代を過ぎたら兵役につき国防に貢献するという、当時は普通だった考えに反発して、自分が好きな世界に留まっていたいようにも見える。
周囲が青年になっていくのに、いつまでも子どものままのアハロンは奇妙にすら見えてくるが、次第に彼の「意思」で成長をしないことを頑として見せつけられることとなる。
↑の動画にも出てきますが、アハロンのお母さんが味があるんですよね。 面白い。
オルリ・ジルベルシャッツさんという女優さんです。
アハロンのことを心配しながらも、自分の主張をガツンと曲げないというか、いちいちうるさい! って言いたくなるけどいい返せない強さ(→ 恐ろしさ?)を持つキャラ。
だんなさんとのやり取りは面白いです。
そしてだんなさんが、とある物を壊しまくるシーンも面白い。
そんなユーモラスなシーンもそうなのですが、
ラストですね。 ここはかなり意味深に持ってきます。
正直、特別なラストという訳ではないのですが、そこに込められた意味が、
アハロンは永遠に成長したくないという意思を持っていることを現しているようです。
この映画に出てくる孤独感ですとか、そういうものがとても分かりやすいという訳ではないので、あちこちに出てくるサインを見逃さないようにすると、
この映画の本質的なものが、より一層見えてくるように感じました。
終映後、ニル・ベルグマン監督とオルリ・ジルベルシャッツさんが登壇してのQ&Aが行われました。
場面でスローモーションの部分があるのですが、
そのあたりなどは、アハロンが現在進行形にだけ興味を持っていることを示唆している、ということです。
この場面、英文法とひっかけて出てきます。
あまり書くとネタばれになってしまいますので、一般公開されたらどうぞ
お楽しみください。
今日の評価 : ★★★ 3/5点
監督/脚本:ニル・ベルグマン
出演:ロイ・エルスベルグ オルリ・ジルベルシャッツ イェフダ・アルマゴール エヴリン・カプルン ヤエル・スゲレスキー リフカ・グル
第23回東京国際映画祭『僕の心の奥の文法』ページはこちら。
<Story>
1960年代初頭のイスラエル。
新世代の若者は、ホロコーストなど二度とあり得ないと思っていて、好戦的でもある。
しかしヒンダの息子アハロンは、繊細で暴力的ではない。
彼が真に求めているのは教養や芸術であるが、家にいては手に入らない。
彼はどうすればいいのか?
ホロコーストの生き残りである彼の父親にとって、人間の存在意義は、戦争とそこから生き延びることでしかない。
アハロンは両親のようになるのを拒み、3年間一切成長することをやめてしまう。
しかし自分にも責任があることを知り、少年から青年になる境界線を越えるための、危険で内なる旅に出ることになる。
(TIFF公式サイトより)
<感想>
写真も可愛らしくて、見てみたいと思わせる作品。
時間が合いましたのでチケット取りました。
これを書いている本日(10月31日)、本作が東京サクラグランプリを受賞しました。
ニル・ベルグマン監督は、2002年の「ブロークン・ウィング」に引き続き、東京国際映画祭グランプリは2回目の受賞です。
ポスター撮りましたけどブレちゃった。。。
可愛らしいことは確かにそうなのですが、ここで描かれているのは実はかなりシュールな内容。
1963年のイスラエルが舞台です。
当時はイスラエル建国~第2次中東戦争~第3次中東戦争の流れの中にあり、若者の中には恐らく、常に自分たちもいつかは戦争に関わるという意識が離れなかったのではないだろうか。
そのきな臭い国情の中でも、物語はどことなくロマンチックな部分を残している。
この主人公のアハロンは、心身共に成長することをやめてしまったかのような少年である。
少年時代を過ぎたら兵役につき国防に貢献するという、当時は普通だった考えに反発して、自分が好きな世界に留まっていたいようにも見える。
周囲が青年になっていくのに、いつまでも子どものままのアハロンは奇妙にすら見えてくるが、次第に彼の「意思」で成長をしないことを頑として見せつけられることとなる。
↑の動画にも出てきますが、アハロンのお母さんが味があるんですよね。 面白い。
オルリ・ジルベルシャッツさんという女優さんです。
アハロンのことを心配しながらも、自分の主張をガツンと曲げないというか、いちいちうるさい! って言いたくなるけどいい返せない強さ(→ 恐ろしさ?)を持つキャラ。
だんなさんとのやり取りは面白いです。
そしてだんなさんが、とある物を壊しまくるシーンも面白い。
そんなユーモラスなシーンもそうなのですが、
ラストですね。 ここはかなり意味深に持ってきます。
正直、特別なラストという訳ではないのですが、そこに込められた意味が、
アハロンは永遠に成長したくないという意思を持っていることを現しているようです。
この映画に出てくる孤独感ですとか、そういうものがとても分かりやすいという訳ではないので、あちこちに出てくるサインを見逃さないようにすると、
この映画の本質的なものが、より一層見えてくるように感じました。
終映後、ニル・ベルグマン監督とオルリ・ジルベルシャッツさんが登壇してのQ&Aが行われました。
場面でスローモーションの部分があるのですが、
そのあたりなどは、アハロンが現在進行形にだけ興味を持っていることを示唆している、ということです。
この場面、英文法とひっかけて出てきます。
あまり書くとネタばれになってしまいますので、一般公開されたらどうぞ
お楽しみください。
今日の評価 : ★★★ 3/5点
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