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『ハリケーンアワー』 (2013) / アメリカ

2014-02-25 | 洋画(は行)


原題: Hours
監督: エリック・ハイセラー
出演: ポール・ウォーカー 、ジェネシス・ロドリゲス

映画『ハリケーンアワー』 公式サイトはこちら。


巨大ハリケーンに襲われ、混乱に陥ったニューオーリンズの病院でノーランの妻が出産し、そのまま息を引き取る。早産で生まれた子どもは生命維持装置から動かすことができず、ノーランは我が子を守るため電源や水の確保に奔走する。しかし、壊滅的な打撃を受けた町では略奪やレイプ、放火など犯罪が横行し、やがてノーランのいる病院にも銃で武装した略奪者が現れる。(映画.comより)


昨年不慮の事故で突然逝去したポール・ウォーカー。彼の姿を惜しむということで公開になったんでしょうか。
それほど派手ではないものの、割とあちこちで公開されてたので行ってみました。

ハリケーン「カトリーナ」から早くも9年経つ。甚大な被害が出たものの日本国内ではあまり取り上げられなかった記憶もある。外国の被害だと忘れてしまうことも多いが、実は今に至るまで被害に遭った地域の生活レベルでの困難さや、経済的な後遺症は深刻に残っている。当時何カ月にもわたって復旧しなかったライフラインや、壊滅した街の報道を見るにつけ、東日本大震災を経験した今となってはそれが他人事じゃないのはわかるのだけど、ではどのくらい困難だったのかは経験者が伝えないとわからない。本作の製作スタッフも多くがカトリーナを経験しているそうで、その経験が映画のシーンに込められている。

非常事態時に、悪い偶然が重なったら一体人はどう行動するのか。とりわけ災害時には、病人や老人、子どもといった社会的弱者には真っ先に危険が迫ってくる。それが病院で起こったら果たしてどうなるのか。
ここまで悪い偶然が重なっても、とも思わなくもないのだが、それももしかしたら人生の間に起こりうるかもしれない。自分に手を差し伸べてくれる人はいるのだろうか、奇跡は起こるのだろうかと思う事態は、頭の片隅で考えておいてもいい。

早産から容体急変して死亡した妻が残した、まだ自力呼吸もできない娘。いきなり父親になった実感も湧かぬまま、そして病院が停電して取り残される父と娘。ノーランは一体外で何が起きているかわからないまま生まれたばかりの娘と過ごすが、NICUも機能せず停電で機械がが充電できずに、娘に生命の危機が迫る。そして外部からも彼らを脅かす存在がやってくる。
実話かどうかはわからないが、実話じゃないとしてもいくつかの話を総合するとこんな風になることもあっただろう。取り除くことができない絶対的な危機に対して人間はどう対応するのか、最優先するものは何か。父として奮闘しなければいけない孤独の中、たった1人で体力の限界まで振り絞った先に見えて来たものは、娘と亡き妻への愛情でもあったし、見知らぬものにも慈しむ気持ちだったのだろう。

非常事態にその人間の本質がわかる、とよく言うが、これもまさにそうで、災害時に破壊や略奪、殺人といった暴行を働く者が必ず現れる。銃社会アメリカなら尚更危険度は高まるだろう。他人を殺してでも生き延びようとする輩に不幸にして手にかかってしまった人もいたに違いない。全く社会が機能しない時にサバイバルするには、単に自分の命だけを見ていてはダメで、外からの危険も考えないといけない。これにノーランの場合は娘を守ることがあり、観ていてその苦悩は痛々しい。せめてあともう1人、誰か頼りになる人間がいてくれたらと思うんだけど、そうならないのが映画の世界。

そしてノーランに事態打開をもたらすものは意外な形でやってくる。まさに彼がかけた「情け」なのだろう。この展開はいささか出来すぎたかなと思わなくもないが、このストーリーの中に現れている、ノーラン自身が今まで生きてきた思い出の数々の中で培われてきた彼自身の人徳のようなものによって救われるというのも、映画としてはいい終わり方のように思う。
低予算のようにも思えるのだけど、緊迫感は十分出ている。チャリティー会場に向かう途中での交通事故により急逝したポール・ウォーカーらしい、ヒューマニズム溢れる作品。


★★★☆ 3.5/5点




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4 Comments

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こんばんは (ituka)
2014-03-04 20:07:32
主人公にとって最悪の偶然もいいとこですよね!
せめて、もうひとり、生きがいを失った御老人がヒョイと現れバッテリー担当する演出があっても面白いですよね。

ラストで主人公と赤ちゃん、そして、維持装置を回し続けた老人のふたつの想いが描かれたストーリーってのも
結構行けるかも(笑)
itukaさん (rose_chocolat)
2014-03-06 00:40:09
>最悪の偶然
本当にそうでしたよね。
だれか手伝ってやんなよ! って言いたくなるようなシチュエーションもすごかった。

いろいろとツッコミどころもあるんだけど、いい作品だと思いましたよ。
こんばんは。 (えい)
2014-04-13 22:27:31
こんばんは。
こういう実際に起きた自然災害を
ジャンル映画に取り込んだ場合、
作る方、そして観る方にも
よほどの覚悟がないと
なんとも煮え切らない鑑賞になるような気がします。
おそらく、ここに描かれている以上に
当事者にとっては大変なことがいくつもあったでしょうし…。

いま話題になっているハリウッド版新作『ゴジラ』も、
パニック&ディザスター映画として
雑念を振り払って楽しむことができるのか?
いまから危惧しています。
えいさん (rose_chocolat)
2014-04-15 10:59:01
>作る方、そして観る方にも
>よほどの覚悟がないと
>なんとも煮え切らない鑑賞になるような気がします。
事実との整合性や予算との関係もあったとは思いますが、
こういう災害の映画はどこをどう作っていくのか、決めていくのは非常に難しい作業ですね。
映画としてなのか、ノンフィクション優先なのか、バランスというよりもポリシーの方がまずありきという気がします。

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