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【LBFF_2012】『Perú Sabe』 (2012) / スペイン・ペルー

2012-09-29 | 洋画(は行)


原題 : Perú Sabe. La cocina, arma social
監督 : ヘスス・マリア・サントス
出演 : フェラン・アドリア、ガストン・アクリオ
観賞劇場: 新宿バルト9

第9回ラテンビート映画祭『Perú Sabe』 ページはこちら。


『Loxoro』と同時上映。こちらは70分の中編ドキュメンタリーである。
フェラン・アドリアと言えば、日本でも『エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン』 が昨年暮れに公開され、今年の前半までロングランだったのが記憶に新しい。本作は、エル・ブリで興味を持った人ならもちろん味わい深い作品だが、そうでなくともフェランの別の側面を知る手掛かりにもなるだろう。


フェラン・アドリアは、かつて世界一予約が取れないレストランと呼ばれていたスペイン北部の高級レストラン「エル・ブリ」の料理長として名をはせていた。2011年の閉店後、料理研究に力を注いでいたアドリアは、新たな展開の場として、食材が豊富な南米ペルーに注目。アドリアは、ペルーのトップシェフであるガストン・アクリオとともにペルー沿岸部や山間部、アマゾン川流域などを旅して周り、ペルーならではのユニークな食材や、伝統料理からインスピレーションを得ていく。(ラテンビート映画祭 公式サイトより)


とにかくペルーの市場が面白い。
食材も日本ではまず見かけない色鮮やかなものが多く、名前が分からない野菜や果物ばかり。それらの皮が剥かれて中の実が出てくるシーンは、1つ1つの食材がくっきりと主張しているように見える。その姿が官能的でさえあるのが不思議。
この食材を使って新たな世界を作りたいというフェランのインスピレーションもわかるような気がする。そしてガストンにペルーを案内してもらう訳なんだけど、今回はフェランの料理よりもペルーの実情の方に時間が割かれている。
観光地としても、文化遺産がある地としても貴重な土地なのだけど、日常生活や経済面、政情は不安定、問題が山積しているペルー国内。明日に希望を見出せない若者も多い中、料理学校が出来て、そこで手に職をつけるべく学ぶ若者たちを取材したのが本作である。そこに2人の料理人が訪れるシーンもある。


フェランの料理の世界が好きなだけにそれをちょっと期待して行ったのだけど、あまり料理の制作のシーンがなく、少々違った方向ではあった。
しかしながら、彼がペルーの市場から受け取ったインスピレーションは確実に彼の中でこれからこなれて行くものだろうし、若者たちと対面したフェランの目の輝きが素晴らしかった。
若者たちを褒め、時にはダメを出し、未来ある彼らにフェランは優しく接する。そして自国の将来を憂いて、サポートしていきたいアドリアの意気込みも伝わってくる。
これは料理学校とはまた違うシーンだが、アマゾン川を渡る客船の中の料理人もとてつもないプロ意識を持っていて素晴らしい。アマゾン川と言えばブラジルの方が有名だけど、実はペルーは源流地点に当たっている。この地形、水源、そして食材を使って何かができないか。
立ちあがろうとしているペルーを支えたいという強い想いが伝わってくる作品でした。


★★★☆ 3.5/5点







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2 Comments

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 (とらねこ)
2012-10-07 06:09:08
これ面白そうですね!
なるほど、料理よりもペルーの経済・社会状況の内実についてのレポートが多いのかな。結構状況としては厳しいですからね・・。でもペルーはボリビアとかよりはマシだし、まだなんとかなりそうなんですよね。資源はあるのに、経済・社会状態が追いついていない。
でも、料理人としてペルーに目をつけるというのは分かる気がする!ペルー料理って本当に美味しいもの。
東京にも美味しいペルー料理屋さんがあるんですよー。良かったら今度お連れしたいな。
とらねこさん (rose_chocolat)
2012-10-07 08:05:04
そうなんです。料理関連を期待して行ったんですけど『エル・ブリ』ほどじゃないの。
でもこういうレポート風な作品もとても好きですよ。貴重だしね。
ペルーも潜在的な素晴らしい要素がたくさんあるのに、知られてない。活用して国民が豊かになってほしいと思います。

>美味しいペルー料理屋さんがあるんですよー。良かったら今度お連れしたいな。
ペルー料理!
まだまだ日本ではマイナーだから行ったことないな。
うんうん、行きたい行きたーい! 今度行こう!

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