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『うみやまあひだ』 (2014) / 日本

2015-04-22 | 邦画(あ行)


監督: 宮澤正明
出演: 成澤由浩 、宮脇昭 、畠山重篤 、大橋力 、大野玄妙 、田中克 、池田聡寿 、倉田克彦 、北野武 、小川三夫 、隈研吾 、河合真如
鑑賞劇場: 109シネマズ二子玉川

公式サイトはこちら。


10年にわたって伊勢神宮を撮り続けてきた写真家・宮澤正明が、太古の昔から森や海と共生を続けてきた日本人の心に迫ったドキュメンタリー。神宮の神域林、木曽の大檜林、白神山地といった日本各地の深山幽谷へ足を踏み入れ、宮大工棟梁や漁師、科学者など各分野の専門家にインタビューを敢行。さらに建築家の隈研吾やタレント・映画監督の北野武に宇宙観を聞くなど、様々なアプローチで人と自然の共生について考察し、現代日本人が失いつつあるアイデンティティーを再発見していく。(映画.comより)


新規オープンの109シネマズ二子玉川に行ってきました。
改めてレポしたいな。とにかく綺麗!
そして109系列で上映がある本作へさっそく行ってきました。





監督が宮澤正明さんと聞いて真っ先に連想したのはやはりこの写真集
カメラマンなんだけど映画監督もされてるの? と思ったら、伊勢神宮を10年くらい追いかけて撮影しているとのこと。それは存じませんでした。

専門家たちにインタビュー方式で、それぞれの専門分野からの視点で語ってて。全員が伊勢神宮の存在そのものに畏敬の念を持つと共にそれぞれの視点から今後の日本を案じていることがわかる。
まず自然の形態を心配する声。以前から言われていたことだけど、圧倒的に森が無くなっている日本は案じられて当然だろう。
より一層自然破壊が進んでしまっているのに、それを食い止める手段なんてあるんだろうかというのが一般的な見方だと思うが、生態系を壊すことなく共存していくという取り組みをしていくしか方法はない。特に自然環境系の学者である宮脇昭氏の言葉が鋭い。失われつつある自然を回復していく取り組みをしているからこそ出てくる言葉。

そのように日本を案じる言葉と並行して映し出されるのは伊勢神宮の日常。
特に一昨年あった式年遷宮関連の行事は貴重なものとなっている。私も一昨年、遷宮の直前に伊勢神宮を訪れているだけに、あの時の「古いものと新しいものの共存」を思い出して懐かしかったと同時に、この伝統が連綿と続いていることへの驚きもある。
20年に1回、私たちにとっては人生の中で数回しか見れない行事だし、それこそ昔はそれを外部に伝える手段が少なかっただけにより神聖な想いがしたのかもしれないけど、今やネットでいくらでも見る事が出来る。でもやはりあの空気感は現地で直接味わっておいて正解だったかな。

お伊勢参り行って来ました!<その1>二見興玉神社・夫婦岩

お伊勢参り行って来ました!<その2>伊勢神宮

お伊勢参り行って来ました!<その3>おはらい町・おかげ横丁


私たち一般人にとってはそれこそ「イベント」なんだけど、神職の方たちにとっては全てが日常なんですね。その延長上に式年遷宮があるだけのこと。
だから日々の神事を1つも欠かさず、連綿と行いつづけていること。例え己の命が途絶えたとしても続く出来事の神秘。想像もつかないくらいの長い年月でもあるけお、振り返ると毎日の一歩一歩が続いている。言葉では表せない事実ですね。
そのことを的確に伝えてくれる監督の写真、そして映像。1つも無駄のない方法で編集されていて、あくまでも神事を日常とする伊勢神宮のポリシーにも沿っていて、観ている側にも正確に伝わってくる。

公開初日ということで、上映後に劇中にも出演されている尺八奏者の石垣さんが登場されて、生演奏があった。これがまた粋な入り方でちょっと感動。そして宮澤監督のご挨拶もあってお得感倍増でした。監督はどんな人なんだろうとちょっと興味ありましたが、仕事に賭けるプライドを自信持ってお話しされてて素敵な方です。そして伊勢神宮また行きたくなりました。何回行ってもいい所だし。森の継承の難しさと伝統の尊さとが見事に伝わります。自主上映も各地であるそうで、フィルム(BR?)貸し出しにも対応されるそうです。


★★★☆ 3.5/5点








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