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『WOOD JOB ! (ウッジョブ) 神去なあなあ日常』 (2014) / 日本

2014-04-29 | 邦画(あ行)


監督・脚本: 矢口史靖
原作: 三浦しをん
出演: 染谷将太 、長澤まさみ 、伊藤英明 、優香 、西田尚美 、マキタスポーツ 、有福正志 、近藤芳正 、光石研 、柄本明
試写会場:東宝本社試写室

公式サイトはこちら。 (2014年5月10日公開)





映画レビューサイト・cocoさんのご招待で行ってきました。ありがとうございます。

大学受験に失敗し、彼女にもフラれて高校を卒業した平野勇気は、林業研修プログラムのパンフレットが目に留まる。その表紙でほほ笑む美女につられ、ケータイの電波も届かない田舎の神去村で林業の研修に参加することになった勇気だが、想像を絶する現場の過酷さに、早くも逃げ出したくなる。しかし、パンフレットの美女が村に住んでいることを知り、そのまま田舎暮らしと林業を続けていくことを決意するが……。(映画.comより)

予告が本当に面白そうなんですよねー。
「あれが股をヒルにやられたやつ・・・うぇぇぇ」って子どもがのけぞるあのシーンがすごいツボに来てて(笑)

就職、進学と進路に迷う高校生。たまたま目にしたパンフに惹かれてそれに応募するってところが何だかロックンロールだなと思うんですが、後先考えないで思いついたものに行くって若いときしかできない体験。かわいい子が待ってるからって不純な動機だけを楽しみにしてきた勇気には、林業の険しさはまるで想像がつかなかったのは言うまでもない。

日本の林業って今はどうなんでしょうね。第一次産業なので若い人は敬遠してしまうのかもしれません。そこに何のためらいもなく飛び込んでしまう勇気の無鉄砲さもすごいけど、それ以上にもっとすごいのは林業のハードワーク。映画ではきちんと伐採の様子を実写で説明していて、それを丁寧に俳優が演じているのも見どころ。チェーンソーの扱い方なんて皆さん相当練習したんだろうなというのが伝わってきます。特に伊藤英明なんですよね~。海猿で鍛えぬいた肉体、一人だけ目立ち過ぎというか悪目立ちくらいな感じなんですが(苦笑)、でもその鍛えっぷりが逆にこの映画ではぴったり来る。

ではこれは単純な「今時若者の林業挑戦コミカル物語」って訳でもなく、そこには林業を生業としてきた人々の伝統も垣間見える。古くから伝わる「杣人(そまびと)」の文化を今にどうつないでいくのか、林業の存続だけじゃなくて文化の存続もかかっている。クライマックスの祭りのシーンなんかは、ただの大騒ぎやお笑いだけじゃなくて、その方法にもちゃんとしきたりが受け継がれているのがわかる。村人たちの日常も今風な部分と変わらぬ伝統を併せ持ってるし、そのスピリットが日常的に健在なのも興味深い。。女人禁制とかもたぶんあるんでしょうね。男性と女性のお祭りの役割がきっちりわかれてるのも民族学的な部分から見るとすごく面白い。

そして村人たちの日常が笑わせてくれる。飯田ヨキ一家の夫婦のあれこれもユーモラスだし、勇気と直紀の恋の行方も割とあっさりとはしているんだけど気になるように描かれている。こういう部分で思いっきり、しかしながらすっきりとした笑いをくれる作品でもあるんだけど、そういった伝統とか林業そのものを役作りとして取り入れている俳優陣も見どころなんですね。皆さんすっかり馴染んでます。
矢口監督としては、原作物があるのは初めてなんだそうですが、むしろその方が持ち味が出ているように思う。原作のアレンジの仕方がうまかった。そして三浦しをんさんの原作にも、どのくらい民俗学的なことが書かれているのか興味出ます。
染谷くんの成長もいいんだけどやはり伊藤英明かな。山でもちゃんと伊藤英明してるのが爆笑。エンドロール後も映像ありますんで帰らないでね。


★★★★☆ 4.5/5点







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14 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
期待以上 (まっつぁんこ)
2014-05-10 20:52:16
期待以上の出来でした。
ということは・・・
ヒットしないってことですね(笑)
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まっつぁん (rose_chocolat)
2014-05-10 21:38:13
そう来るかい(笑)
ヒットしてほしいねえ。面白いのに。
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こんばんわ (にゃむばなな)
2014-05-10 23:56:53
伊藤英明さんは海よりも山が似合いますよね。
特にあの鍛えられた肉体にはふんどし姿がよく似合うこと。
これからもふんどし俳優として頑張っていただきたいです。
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にゃむばななさん (rose_chocolat)
2014-05-11 12:24:58
>ふんどし俳優
超・ドはまりでしたねえ。彼がこんなに山が似合うとは思いませんでした。
あの無駄に鍛えた肉体がこんなとこでも十分役立ってます(笑)
楽しい作品でした。
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染谷将太 (ituka)
2014-05-11 20:56:59
おそらく彼の映画ではいちばん好きかも知れません(笑)
都会っ子で適当に無難に生きればいいや!な少年が
いろいろ揉まれてあんなに逞しくなっちゃって。。。

ストーリーはベタでも舞台が新鮮だったので大満足!(笑)
ちなみにワタシは長澤まさみのこと『岳』からファンです(笑)
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itukaさん (rose_chocolat)
2014-05-12 07:07:27
染谷くんの作品は私も結構観てますけど、
同じく好きな作品ですね。
いろいろな役にチャレンジできてるって役者として幸せなことだと思います。
ほんと、新鮮な感覚でしたね。こういう作品がまだ邦画でもできるんだとうれしくなりました。
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こんばんは。 (えい)
2014-05-15 23:03:54
これは、もうどこを切ってもオモシロい、
その一言で、
ほかには何もいらない、
そんな映画でした。
前半は、矢口監督独自の笑いの中に、
いまの日本の林業の置かれている状況と
若い人たちの生き方への考察、
その両輪で物語を進め、
後半では、一気に土着的な世界に
しかもファンタジーの衣をまといながら突入してゆく。
正直、矢口監督に
ここまでバイタリティ溢れる映画作りができるとは
思っていませんでした。
不明を詫び、深く反省。


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山猿 (悠雅)
2014-05-15 23:31:28
こんばんは。
本作の伊藤英明を評して「山猿」と言われた方がいらして、笑ってしまったんですが、
そう言いつつ、わたしは海のほうは1作も観てないという…
でも、こんな役ができる人だったんですね~。

笑いどころもたくさんあったのに、
多くの場合、映画になど登場しない、ローカルなスーパーが映った時の試写会場のどよめきが一番大きかったのが可笑しかったです(笑)
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矢口監督 (sakurai)
2014-05-20 15:54:22
そこだけで、どっか安心して、劇場までわざわざ・・という人が多いのかもしれませんね。
絶対面白いのはわかってる!だったら」見てよ!!なんですがね。
数少ない、一緒にお酒飲んで、お話できた監督さんです。
大好きな監督さんで、それを直接伝えることができて、本当うれしかったです、、、、その節はなんですが。
全体の構成がさすがのうまさでしたね。矢口監督の作品は、心が満たされます。
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えいさん (rose_chocolat)
2014-05-23 06:29:21
本当に面白かったですね~。
素直に笑える作品っていいなと思います。
私も矢口監督はただストーリーが楽しい監督だとばかり思っていたんですが、さらりと深刻な林業の現状を織り込みつつも、楽しめる作品に仕上げるのはさすがだと思いました。
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