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第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー51話

2023-05-17 09:40:46 | 第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー


高校2年の1学期も終わり頃に1年生に崎山源一(さきやまげんいち)という喧嘩上等の問題児がいる事を情報屋が話しまわっていました。直也と真一は何も知らずに学生生活を過ごしています。すぐに切れやすく椅子や机を投げたりガラスを掃除用具で割ったりした出来事があったようです。学校側は1年生の崎山源一には何も処分は下さず様子を見ているようで話を大きくしたくはなかったからでしょう。崎山源一が切れてから仲間になる連中も出て来たようで子供じみた組織を作ったと言うべきか直也の仲間達とは違う感じです。崎山源一の喧嘩は先輩や学年は関係なく気に入らなければ殴り蹴りかかるといった暴力でした。まるでゲーム感覚で感情を持たない目的もない子供じみたただの喧嘩でした。担任の教師もどうして良いか対応に迷っていたようです。手をやきながら見守りを強化し崎山源一をしばらく様子を見ています。家庭環境には問題はなく学校内と外では違う人柄でした。まるで過去の自分が幻のように現れたような感覚を持った直也は気にかけていましたが校内をまとめているのは茂木勇次達でした。しばらくすると1年生だけでなく2年生や3年生へも切れ喧嘩をはじめていきます。
「何が伝説だ、面白くねぇーなー!」
崎山源一の行動は日に日に増していきます。2年生や3年生の過去喧嘩上等の学生達も苛立ちながら我慢をしていますが茂木達その他の直也の仲間達の忍耐にも限界が近づいていました。たった1人の崎山源一の入学によって過去の尊王寺学園に喧嘩の暴力の学校に戻りつつあるのです。茂木達だけではなく他の直也の仲間達や先輩達も我慢の限界が来ていました。
何故直也と真一に情報を流すと性格をっていた情報屋は3番目のリーダー格となった茂木勇次にしか話す事は出来ませんでした。真一に情報を話すと直也に伝えられると思っていたのでしょう。情報屋達は茂木達に話をしていたが直也と真一には話して来る事はありませんでした。学校内で暴れると「レッドカード」を出されている直也には次の処分で退学になるという事は誰もが知っていた事でした。そんな直也への配慮であったのでしょう。直也や真一は情報屋に聞かなくても崎山源一の話は耳にしていました。これまでは学校外での事であり直也や真一に相談は出来たが学校内となると校内をまとめていた茂木達に話をするしかなかったのです。崎山源一は尊王寺学園の直也の大きくなった伝説の噂を聞いて入学してきたのです。伝説の話が本当かどうか崎山源一は学校の外では喧嘩はせずあえて校内で喧嘩をするようです。直也は伝説の噂を聞いて入学して来たのなら何時かは崎山源一と会う必要があると考えていたのです。真一は直也の気持ちは充分理解し学校では出来る限り直也と一緒にいるようにしています。茂木は直也に相談だけという事で直也と真一に会いに来ました。
「どうしたらいいのか分からないんだ教師らも見て見ぬふり関わらず状態でよ」
「噂を聞いて、ここへ入ってきたんだろ」「お前、知ってたのか?」
「そんなもんだろ、たいていは予想できる事じゃんか、なぁ真一」
「あぁ、内の問題は、らには無理だろなぁ、直也?」
「噂が本当かどうかを知りたいだけじゃないの?」と話をしている場所に現れたのは紀華と典子の2人です。
「校内をまとめているのは茂木君でしょ直也と真一には関係ないでしょ」と典子は茂木に声をかけます。
この頃の紀華と典子は喧嘩上等に慣れていました。
「そうかもしれないね直也、責任ってどういう事か教えてあげないと分からないよね」
紀華は直也に向かって笑顔で声をかけます。戸惑うのは元暴走族の頭(リーダー)茂木勇次とその仲間達でした。直也は茂木達に崎山源一がまた暴れたら呼んでくるよう頼んでいました。
「どういうこと?」と真一と典子は直也に聞くが直也は理由を話す事はありません。
「そういうこと」直也は簡単に答え少し笑いながら紀華の顔を見つめると紀華も笑い2の思いは同じだったようです。直也の考え方に真一と典子には理解する事が出来なくなっています。直也と紀華は真一や典子を遥かに超えた「心」を見ていたのです。この2学年の1学期の話題は1年生の崎山源一の噂の事で話しがつきる事はありません。学校側は崎山源一の両親を呼び出し何かしらの話はしていたと思いますが話をすると素直に聞き入れる姿勢でした。教師達は新しいタイプの学生に戸惑うばかりです。直也の教室の席からは屋上が見えるのです。しばらくは静かにしていた崎山源一であったが切れそうになると授業中でも授業を抜け出し屋上に上がっていく姿を直也は見ていたのです。そして屋上の囲うフェンスを蹴りつける源一の姿を見ていました。教師達は崎山源一とコミュニケーションをとるようにしていましたが確かに少しは落ちついたようですが切れる時は表情を変え暴力に身を置くのです。直也は教室から窓の外を見ると源一がフェンスに寄りかかっている姿を見かけます。ある日の事です。昼の休憩時間に崎山源一は屋上に上がって行ったと同時に屋上にいた2年生や3年生は屋上から降りてきます。直也が降りてきた理由を聞くと崎山源一が上がって来たからと学生達の皆が声を揃えて直也に言うのです。直也は同級生や先輩が降りてくるのに対し屋上へ上がっていきます。
「おい直也!止めとけよ校内じゃまずいだろ!お前はよ」と仲間達から直也を心配していました。
後ろを振り向く直也は平気な表情いや笑ってるようにも見えました。降りていた生徒達は直也の後を追いかけ屋上へ出る出入口の扉を開け直也の行動を見ています。
「まずくねぇか抑えるのは真一しかいねぇ真一を早く呼んで来いよ!」
何人かが真一を呼びに行くが教室にも食堂にも体育館にも何処にもいません。真一は昼休憩時間は2人きりで典子と一緒に話をしていました。生徒達が騒がしくなった時に紀華は直也を教室で待っています。紀華は直也がどういう行動をとるのか予測し退学にならないようにドリームキャッチャーを握りしめ願っていました。直也と崎山源一は向かい合いながら何かを話していたが聞こえる声ではありませんでした。直也と源一の会話は誰も聞く事はなかった。話が終わったのか突然と源一が直也に拳(こぶし)を出しますが直也は避けます。直也は手を出してきた崎山源一に頭突きをして源一は倒れこみ立ち上がるとまた同じように直也の頭突きで倒れこみます。教師達も屋上に上がって来たが生徒達が多く屋上での出来事を見る事はありません。誰もが直也の姿を教師に見せないように集団で出入り口や廊下の窓を囲んでいたのです。崎山源一は叫び声もなく鼻血だらけになり立てなくなっていました。直也は静かに振り向き屋上の出入口に歩って来ます。
「どけよ!みんな!これでいいんだよ終わりだ!」
この時から崎山源一は他の生徒に手も足を出したり喧嘩をしなくなります。直也は崎山源一に何かを言っていたと思うが誰も聞く事も知られる事がありませんでした。誰もが何を話していたのか気になるところですが、その場にいた学生達は誰も直也に聞く事はありません。屋上からの階段を降りて直也が真っ直ぐに足を向けたのは教室で1人でいる紀華のところでした。
「紀華、やっちゃったよ、いいよな」「うん、おでこの血、拭いてあげる」
「何か、話はしたの?」
「あぁ絶対声を出すなって言っただけアイツは素直だよ本気で相手してくれる人を探してたんだろうな?」
「いつもそうやって相手の気持ちを考えるの?」
「いや考えてるわけじゃないよ、オレ自分が辿ってきた道だからね」
直也は教員室に呼ばれたが教師達は現場を見てはいなかったので退学処分はなし厳重注意で終わりました。仲間達から話を聞いた真一は直也にどうしたのか聞いたが直也は答える事は無かった。答える事によって直也は要らない噂を大きくしてしまうと考えていたから答えられなかった。源一は直也と出会った事で静かに過ごすようになり問題は解決された。静かになった学生生活に戻ったが伝説の話しに追加されてしまったが噂は少なくなり始めていた。その後に夏休みに近づくと崎山源一の事は殆んど忘れられた。それぞれ夏休みに遊ぶ事ばかり仲間達や友達同志で話し合っていた。しかしながら伝説の噂は次々拡大して完全に無くす事は出来ない状況でもあった。直也と春樹の伝説は葬る事は無理な事だと直也は開き直るしかなかった。しかし直也と春樹の伝説によって助けられる学生達もいる事を直也は気付いていた。直也は誰よりも身近な友人達の永遠に命を奪われ仲間達によって悲しみや苦しみ怒りを抑え込み乗り越える事が出来たのです。
「そろそろ夏休みだね直也ちゃんと約束守ってね」「ああ約束は守らないとね」
夏休み前に叔父の知り合いの女将がいる旅館の予約をする直也であった。



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