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短編/物語りSP3「心には色がある」君の心は何色

2022-04-11 11:29:07 | 小説:不思議な物語りSP




「迷い色」

声・喧嘩・闇・痛みの心のドアは重たかった。あがらう(崇める)事だけ信じてた。
事実・真実・現実、誰?俺?何故? 強い!こんなヤツはじめてだ。強い!こんなヤツはじめてだ。
でも・・・前しか見えない。でも、後ずさり。
これでもか、これでもか、これでもか、もう僕のからだはよく分からない。
服もからだもボロボロ、顔なんて、まるで別人。
何かに、流されそうになったんだ。
傷だらけのエンジェル。間もないエンジェル。心ないエンジェル。
ゆっくり瞬きをして、ゆっくり頭を上げて。
「でも、やったよ」青空が支えてくれてるね。
エンジェルの瞳に映る目の前の風景は、空色ではなく、まるでミルク色のような朝でした。
彼らも血だらけの体で立ち上がりました。木霊のように犬も吠えています。
まさに蜘蛛の子を散らすという感じで・・・彼らも必死に逃げ回っています。
でも、僕も彼らも、ミルク色の闇の中に、迷子になったのです。
あっちの道、こっちの道、逃げて、叫んで、悶えながら。
走れ、走れ、走れ、何もいらない、ただ走れ!
迷宮の先に何かがあると信じて、走れ、走れ、ただ走れ!

「出会い色」

緑が満ち溢れています。ゆったりと優しく、ほんのりと暖かく。見つけた。
心のスポンジにしみこんでゆく。ジュッと、ギュッと、ぬくもりに包まれていく。
ここは、みどり色の世界・・・。緑の色彩が、あたたかく体に触れる。
みどりの中に、わたしたち、あなたが見える。ふれあう笛の音が聞こえる。
少しずつ歩いていく。少しずつ、少しずつ、そっと静かな足音で。
メトロノーム、カチ、カチ、カチ。
静かなオルゴール、静かなリズムで、カノン、カノン、カノン。
そんなとき、鳩時計が鳴りました。もう時間だよ。
「だれ、だれなの?」まるで絹ずれ。手招きにゆれる。
色彩の中の風は、サラサラと通り過ぎ、ユラユラと絶え間なく。
近づく、近づく、近づく・・・近づきたい。やっと見つけたよ。
「ちっちゃいな」~「ちっちゃいね」
心のドアって ちっちゃいね。わたしたちの心って。
「ねぇ、まだあるよ」開いていない心のドア。心を開こう、ドアをあけて。

「別れ色」

いつもの森の中で、二人は肩を寄せ合いながら歩いていた。
「ねぇ、風の色、みたことある?」
「ないよ」
「ねぇ、光の声、聞いたことある?」
「ないよ」
「ねぇ・・・」
ミルク色の影が近づいてくる。ゆっくり、ゆっくり、溶け込んでくる。
「約束ね」
光透波(ことば)は空に浮かんだまま、白い闇に包まれていく。
ミルク色の雨は重たい。いったい何日ふりつづいているのだろう。どのくらい時がたっただろう。いつ頃、姿を見失ったのだろう。
分からない・・・思いたくない・・・知りたくない。もう忘れたい。
ドアのカギはかかっていません。でも、もう決して開くことはありません。
どんなに呼んでも・・・どんなに叫んでも・・・どんなに叩いても・・・。
心のドアは壊れてしまいました。冷たく閉ざされてしまいました。残ったのは 心のぬけがらとそして…。
「わかって。二人きりで、あの優しい色の世界で本当にわかりあいたかったの。だって…ごめんなさい、あなたを迷わせてしまって」
だんだんミルク色の雨が、重たい灰色に煙ってきました。
まるで人ごみの歩道にみたいだった・・・穴が開いた心に詰め込みたい。
忘れた色を思い出したい。でも、忘れたい。
そして塗るんだ。その色で塗るんだ。世界中を塗るんだ。
僕だけの見える色の世界に、染めてしまえ。

「素直な色」

太陽はサンサンと笑っています。ボクたちは両手を広げ、笑っている。
目の前に大きな雲が流れている。流されてはいけない。流されてはいけないのかもしれない。
雲はボクたちに語りかけてくる。 語り、語られ、語る。そして、心に伝える。
振り向きざまに光る道を見つけた。たくさんの色を持っている。
キミ達の色と似ているね。
いつも同じ道で、チラ、シュー、ドン、キャッチボールみたいにかえってくる。
暖かいな。緑色? 無色透明?一度消えてしまった色だけど。いつでも創れる色なんだ。
ここには、もっといろんな色が 重なって生まれていました。
「はじめまして」リズムに合わせて、さあ、ワルツを踊りましょう。
ステキなステップ、手と手をつなぎ、足をそろえて、踊って、踊って、踊りましょう。
笑い声は一つになって空のかなたに飛んでゆく。
その時、ドアがノックされました。あのミルク色に煙る雨、灰色の雨は、とても重く冷たかった。
どんなに、もがいても、何もつかめなかった。
でも、ボクの頭の上に透明な傘が、うっすらと虹が見えました。
そろそろ、新しい心のドアが、開こうとしています。

「永遠の色」

あのころのぬくもり。目の前で真っ白な光を放っている。
それは、決して交わることのない。やさしい色で・・・あたたかい色で。
その中で、わたしの色を見つけました。その中で わたしの心を見つけました。
そして今、七色の光がささやく、黄金色に輝く心のドアを見つけました。
その向こうには誰かがいる?君?君がノックしている。トントントン。
さぁ、思い切って開こう。今こそ、勇気をだして。はじめの一歩、踏み出して。
さぁ、今こそ、心のドアを開けるときです。
そして色は一つになる。色彩豊かな心の色は一つになる。君と僕の心の色が一つになる。
光、広い大地を照らして。心、狭い世界を照らして。
あなたの輝き、飛んでゆく、富んでゆく、からだいっぱい、いっぱいにして。
包まれて・・・ふたり、いつまでも、一緒にいて、そばにいて、寄りそおう。
そして「おめでとう」心(しあわせ)永遠であれ!
二人の心(しあわせ)、君たちの心、永遠であれ。


人の心ってわかりずらいと思います。でも心は単純で何かを感じている。でもそれが気づけないのが人間なのかもしれませんね。
でも、いつかきっと、気づく時があると信じています。
それは大切な人で出逢えるまで僕らの冒険はドラマ化して、きっと出逢えると信じたい。
きっと生きてさえいれば大切な人が見つかると信じて。


空色の彼方に

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短編/物語りSP2「ファンタジア」不思議な国

2022-04-09 12:02:17 | 小説:不思議な物語りSP


ファンタジアは子供達の夢や希望が創り出す不思議な国です。子供達の世界とファンタジアは繋がっているのです。
ファンタジアでは子供達の夢と希望によって、多くの精霊達を創り出しています。
『多くの子供達、忘れないでね、夢や希望を忘れないでね』
女王様はいつも子供達にファンタジアを通して伝えています。
子供達に常に伝えていくのは、お父さん達やお母さん達がファンタジアを読み聞かせるのです。
『お父さん、お母さんも夢や希望を忘れないでね』
女王様は読み聞かせる事によって、お父さん達やお母さん達にもファンタジアを通して伝えていきます。

ファンタジアでは夢や希望のほかに、優しさや思いやりの心を創り出しています。
このファンタジアは子供達だけでなく家族の絆と繋がり子供達の思いがファンタジアを支えています。
ファンタジアでは、一人の女王様と多くの精霊達は幸福な生活をしています。
それは、家族の幸福とつながっているからなのです。
女王様は多くの精霊達に愛され、女王様は精霊達に幸福を与えています。
そして、女王様は精霊達にいつも声をかけています。
おはよう、こんにちは、ごきげんよう、ありがとう、こんばんは、おやすみなさい。
精霊達は女王様のあいさつの言葉によって暖かく包まれていきます。

不思議な国のファンタジアの世界を創り出し幸福を与えられているのは、このファンタジアを観ている子供達とファンタジアがある限り幸福の中で暮らしていけるのです。
精霊達は女王様を尊く想いながら、夢と希望を持つ子供達に感謝をしています。
同じように子供達は、お父さんとお母さんを尊く想い、家族の絆を強くしていきます。
『もう、わかりましたか?』
夢と希望の国ファンタジアは優しさと思いやりを創り、ファンタジアを観ている子供達そして家族と共にあるのです。

『さあ、子供達、夢と希望を持って冒険に出かけましょう』
無知でヤンチャな子供達に女王様は声をかけ夢と希望を伝えていきます。
女王様の声は、お父さんとお母さんへ伝えられ、そして子供達へと伝わります。
お父さんやお母さんが、夢や希望、優しさや思いやりを持つ事によって、子供達は家族としての暮らしの中で成長し、夢や希望、優しさや思いやりを持つ事が出来るのです。
『お父さん、お母さん、さあ冒険に出かけましょう』
『そして子供達、さあ冒険に出かけましょう』

お母さんは一番最初に起きてカーテンを開け、部屋の中に太陽の恵みを与えてくれます。
次に起きるのは、お父さんで会社に行く姿で食卓につき新聞を読んでいます。
最後に起きるのは無知でヤンチャな子供達です。
『おとうさん、おはよう』『ああ、おはよう』
お母さんは、お父さんに、朝のご挨拶です。
『コウチャン、おはよう』
まだ眠そうな子供達のコウチャンに、お母さんは朝の挨拶をします。
『んー、お父さん、お母さん、おはよう』
コウチャンは、お父さんとお母さんに朝の挨拶をします。
この家族の挨拶が、その日の冒険の始まり、そしてファンタジアの始まりとなります。

お母さんは朝早くに起きて朝の食事を作ります。
そして朝の食事をテーブルの上に置き、お父さんお母さんとコウチャンで食卓を囲み朝の食事をします。
ファンタジアでは女王様が、お母さんと同じように一番最初に起きて次々と精霊達は起き女王様に挨拶をします。
精霊達はコウチャンのようにパジャマから新しい服に着替え、女王様のまわりに集まります。
お母さんはお父さんに『いってらっしゃい』と声をかけます。
お父さんが仕事に出かけると精霊達はお父さんのように、それぞれファンタジアでの決められた一日の役割を果たすのです。

お父さんが出かけてから、お母さんとコウチャンは、いつもの役割があります。
コウチャンは『おもちゃ』で遊んでいると、お母さんは掃除をして家の中をきれいに掃除をしていきます。
『コウチャン、玩具は、きちんと箱の中に閉まってね』
『は~~~い』
いつも通り、コウチャンは素直で大きな声でお母さんに返事をして、おもちゃ遊びにあきると、おもちゃ箱にきちんとしまいます。
『コウチャン、きれいにしまってくれて、ありがとう』
お母さんはコウチャンに声をかけます。
『コウチャン、次は何をするのかな?』
コウチャンは親指を唇でかみながら考えます。

そんな時お父さんは会社へ着くと必ず電話をかけてきます。
『今、会社に無事に着いたよ』
コウチャンは、お母さんが持っている受話器を取り、お父さんの声を聴き笑顔になります。
お父さんは絵を描く事が大好きです。
そしてコウチャンは『あ!』ひらめくのです。
『お母さん、コウチャンね、お絵描きしたい』
『お絵描きね、コウチャン、お絵描きノート買いに行こう』
『やった~!』お出かけです。
お母さんとコウチャンの次の冒険が始まりファンタジアでも精霊達の踊りが始まります。

コウチャンがお出かけする時にワクワクしている気持ちがファンタジアでは精霊達の踊りとなっているのです。
お母さんとコウチャンは、自転車に乗って近くのデパートへ出かけました。
『やあ~やあ~それおれ~それおれ~』
コウチャンの耳では何処からか聞こえてくる踊りの掛け声でした。
『ん~?』『どうしたの?コウチャン』
『うん?何でもないよ~お母さん』
ファンタジアでは女王様が精霊達を集めて子供達の夢と希望、そして家族の優しさや思いやりの話を伝え始めていました。

女王様は精霊達を暖かく包み込み、精霊達はニコニコしながら、子供達の夢や希望がファンタジアを創りあげている事を学んでいきます。
そして子供達の夢や希望を持つ事は優しさや思いやりも創りあげている事をも学んでいくのです。
コウチャンの幸福は、お父さんの仕事への意欲を持たせ、お母さんがコウチャンへの愛を持たせています。
お母さんとコウチャンはデパートを歩きながら色々な品物を見て回ります。
『お母さん、コウチャンのお絵描きノートは?』
『ああ、ごめんごめん、お母さん忘れてた~』
お母さんは、コウチャンのお絵描きノートを買いに来た事を忘れていました。
『お母さん、ダメね~!』
お母さんは品物を観ているうちに、自分の欲しい物を探していたようでした。

お父さんは土曜日と日曜日はお休みで土曜日はゆっくりと過ごします。
日曜日になると、お母さんとコウチャンを連れて車でドライブに行きます。
『お父さん、今日はどこに行くの?』
『コウチャンが楽しくなれるところへ行こうね』
行先は、お父さんが決めて、どこに行くかは教えてくれません。
ファンタジアでは新しく広がったファンタジアへ精霊達は遠足に行き、新しく創られた精霊達に会いに行きます。
そして新しい精霊達を連れて女王様の所へ案内をします。
子供達だけでなく、お父さんやお母さんの幸福がファンタジアを広げ精霊達を増やしていくのです。

ファンタジアが拡がり精霊達が増えていくと多くの家族が幸福になっていく証なのです。
コウチャンの夢と希望は、まだ夢の中の夢ですが笑顔で喜ぶ姿は希望に満ち満ちています。
お父さん達やお母さん達が、たくさんの愛情を子供達に与える事によって家族の絆は深まっていきます。
ファンタジアの国は大きくなり絵本の内容も変わっていくのです。
しかし絵本の内容が変わっていくという事は子供達の夢や希望があるから、でも子供達から夢や希望が無くなったとしたらファンタジアの国も変わってしまうのです。

ゆかいで楽しい日々や夢や希望に満ちた日々は永遠に続いていく事はありません。
とても大切な言葉を忘れてしまうと時の流れと共に薄れていきます。
「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」「ありがとう」「・・・」
一言の挨拶が無くなってくと夢や希望を持った多くの子供達が少なくなるにつれ、ファンタジアは変わり精霊達も少なくなりファンタジアの国に異変が起きていくのです。
お父さんやお母さんと子供達の関係が失われると夢や希望を伝える事が出来なくなります。
夢や希望を持たなくなった子供達が多くなると拡がっていたファンタジアの世界に「壊し屋の暗国ルー」が創られてしまうのです。

壊し屋の「暗国ルー」は人間の「心」と同じで姿形はありません。
ファンタジアの国を暗闇にして精霊達を食べながらファンタジアの国を壊していくのです。
子供達の夢や希望が創り出していたファンタジアが暗闇になると親子の絆からなる「優しさや思いやり」も無くなってしまうのです。
「お父さん、お母さん、思い出してください」
残された精霊達は力をふりしぼり声をかけています。
「この絵本を読んでいる子供達みんな、早く気づいて下さい」
ファンタジアの女王様は親子の大切な絆を祈り、小さな心を持つ子供達に願いを込めて話しかけています。

暗国ルーは真っ黒でどんどん勢いを増して音を立てずに近づき精霊達を食べながらファンタジアの国を暗闇にしていきます。
「夢を持って希望を持って絶望しないで早く気づいて下さい」
このファンタジアの国は子供達と共にあり、子供達の思いが仲介役になっているのです。
「もう1度、親子の関係を見直してください」
「お父さん、お母さん、子供達に読み聞かせて下さい」
子供達に読み聞かせる事が出来るのは、お父さんとお母さんだけなのです。
ファンタジアの女王様は、何度も何度も子供達に声をかけていきます。
子育てをする、お父さんやお母さんに絵本を開き、子供達に読み聞かせるよう声をかけています。

ファンタジアの国が暗闇に包まれてしまうと親子の絆が消えてなくなります。
子供達の夢や希望によって創られているファンタジアの国も消えてなくなります。
「さあ、早く気づいて下さい」
ファンタジアの国を支えている精霊達は、暗国ルーに脅えています。
暗国ルーに精霊達は食べられ拡がっていたファンタジアの国は小さくなってしまいます。
このまま子供達の夢や希望が失われるとファンタジアの国は消えてしまうと同時に、夢や希望を持った子供達もいなくなってしまうのです。
ファンタジアの世界が消えてしまうと、これから産まれてくる子供達も少なくなってしまいます。

暗国ルーは大きな口を開けて、どんどん夢や希望で創られた精霊達を食べファンジアの国を壊していきます。
「夢と希望を持って!思いやり優しさを持って!」
女王様だけでなく残された精霊達も多くの家族に声をかけていきます。
「おはよう」「こんにちは」「ごきげんよう」「こんばんは」「おやすみなさい」「ありがとう」
大切な言葉と夢や希望をあきらめないで、心にある小さな光を信じてください。
「ガンバレー!」
ああ、私達の子供達、叫んでください。しかし・・・。
小さくなったファンタジアの国の女王様と少なくなった精霊達の声は、子供達に届く事はありません。
全ての精霊達は、暗国ルーによって食べられ消し去られてしまいました。
そしてファンタジアの国は精霊達のいない、女王様だけのひとかけらのファンタジアになってしまいました。

ファンタジアの国の女王様は最後の最後まであきらめず、子供達に叫び続けました。
その時、幸福に恵まれた子供達が産まれようとしていました。
お父さんとお母さんは、このファンタジアの絵本を開き、まだお腹の中にいる赤ちゃん達に読み聞かせを始めたのです。
「オギャー、オギャー、オギャー・・・」
両親の愛に包まれた赤ちゃんが叫びながら産まれてくるのです。
愛情に包まれた赤ちゃんの声は、お父さんとお母さんの心の叫びとなりました。
お父さんとお母さんの心の叫びは、赤ちゃんに夢と希望を与え始めます。
そして、ファンタジアの国に小さな光を灯す事が出来たのです。
小さな光が灯されたその瞬間、暗国ルーは脅えはじめていました。

産まれてきた赤ちゃんにファンタジアの絵本を読み聞かせるお母さんが増えていきます。
暗闇の中、ひとかけらになったファンタジアの国に小さな光が差し込みました。
多くのお母さん達は子供達に読み聞かせをしています。
読み聞かせをするお母さんの声は、子供達の心を通してファンタジアの国の女王様に届いていきます。
小さな光をつくる家族の絆によって、暗国ルーは最後のファンタジアのひとかけらを壊す事が出来なくなりました。
暗国ルーはファンタジアに灯された光に脅えながら、少しずつ小さくなっていきます。
そしてファンタジアの国に灯される光が多くなるにつれ、一つまた一つと新たな精霊達が創られていきます。
ファンタジアの国は家族の絆と灯された小さな光によって広がり、にぎやかな国となっていきました。

お父さんやお母さんが子供達にファンタジアの絵本を読み聞かせる事によって、子供達の心を通して読み聞かせる声はファンタジアの国の女王様へ届いていきます。
女王様は、その声を聞く事によって新たな精霊達を創りあげ、精霊達に声をかけていきます。
精霊達に声をかけていくと、暗国ルーは広がっていくファンタジアの国から消え去っていきました。
ファンタジアの国は再び少しずつ広がると、元気で新たな精霊達が姿を見せ始めます。
お父さんやお母さんの愛情によって子供達に夢や希望が与えられていきます。
ファンタジアの国は、家族の絆と子供達の夢や希望とつながっている事を忘れないでください。
「ありがとう!子供達そして、お父さん、お母さん」
家族の大切な思いやりと優しさ、子供達の夢や希望を決して忘れないでください。
ファンタジアの国では、女王様と精霊達は、いつまでも幸福を願いながら祈っています。
さあ始めましょう!ファンタジアの読み聞かせを、子供達の将来の為に!


いつもお読みくださりありがとうございます。子供の心を忘れずに。
幸福というものは、繰り返し訪れる事だと思います。
その中で繰り返し、試練を与えられると思います。
その試練を乗り越え、その合間に幸せを感じるのかもしれません。
あきらめず、ゆっくりと試練を乗り越えて下さい。
その先々に、幸せを感じることがあると思います。
ゆっくり、ゆっくり、あせらず、歩いてみてはいかがでしょうか。
お父さんガンバ!、お母さんもガンバ!、子供達と一緒に、さあ歩きましょう。

お知らせ:再編集して更新しました
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短編/物語りSP1「音人(オトヒト)と輝(テル)」愛してる

2022-04-07 15:05:00 | 小説:不思議な物語りSP


田舎を離れる音人は成長と共に、胸に突き刺さるものがあった。

遠くへ遠くへ行けば何かが見つかると、幼き頃を思い浮かべれば、そこには安らぎの海原があった

あることを考え、真っ白に装った姿で海辺を歩く音人がいる。

音人を追いかけてくる、輝がいた。

「やっと追いつたよ」と輝は音人に、小さな呟きをした。

音人は無言のまま、輝を見つめている。

輝は音人の袖口を優しくつかみ、腕を組み海辺を一緒に歩いてる。

「海に入っちゃいそうだから」と輝は音人に優しい声をかけた。

音人と輝の居る冬の海は、水平線が薄ら見える、陽の出前の静かで穏やかな空の下の海だった

そして朝の陽の出を一緒に見つめている、音人と輝だった。 

突然、音人は静かの声で、輝に別れの言葉を伝えた。

涙目になる輝、涙を流す輝、音人は別れの思いしかなかった。

ただ黙って消えていく音人、田舎を離れ首都へ向かう音人。

輝には何も言葉をかけずに、辿り着いた場所は決して眠らないの現実離れのネオン街だった。

音人は冷たいアスファルトに座り見つめているものがあった。

それは現実か幻想なのか、目のやり場のない動めくカラフルな人間模様だった。

音人は今の田舎の現実から自分を消してしまいたいと思っていたのかもしれない。

新しい世界で、新しい自分を見つけたいと思う音人は、輝きのある世界カラフルな世界のネオン街の人間模様が好きになった。

でも、目が眩しく目に違和感を感じるようになる音人だった。

音人が目にした人間模様は何かを伝えていたのだろうか。

カラフルな世界を好きと言える、そんな日々は続くわけがなかった。

いつしか音人は、新しい世界のネオン街に埋もれていくがそれは、いつの日か音人の心を悩ませることになる。

自分が導きだした道が、音人に迷いや混乱、悲痛や苦痛を与えていた。

音人のいない田舎にいる輝は願いながら、音人の帰りを待ち続けた。

心の中で輝は音人を探すが見つけられない。

音人は、もう見つけることができなくなって、音人と輝は、すれ違いの恋に終わってしまうのか。

ネオン街に埋もれていく音人を探し追いかけ続ける輝の心がある。

諦めきれない気持ちの輝は、音人を信じ抜いて待つしかない。

離れれば離れるほど、輝の思いは募るばかりだった。

いつも音人の後ろ姿を見つめる音人の背中の輝きは、輝には誰もが音人に見えてしまう。

輝は幾人に声をかけたいたのだろうか。

振り向くと人間模様、離れた場所で同じ道を輝は音人と歩き始めた。

そして、やっと見つけた、やっと見つけた音人の後ろ姿、音人が傷つきながら思う心。

それは、アスファルトに座る音人の姿だった。

輝は音人の心に声をかけようとすると、輝が見た光景は昔の音人ではなかった。

ただ黙ってネオン街の人間模様を見るだけの音人だった。

昔の音人の姿が薄くおぼろげに見えてしまう輝は、勇気をもって声をかけた。

音人は輝に何も答えてはくれない、それでも輝は幾度も音人に声をかける。

本当に変わってしまったのだろうか、輝は音人を見つめながら2人で良く歌った歌を唄い始める。

音人は何も聞こえないかのように、耳を塞ぎ再びネオン街の人間模様を見つめる。

輝は決して諦めることはなく、音人の隣りに座り優しく寄り添い音人と同じ姿に染まる。

音人は隣りに座る輝を静かな視線で見つめた。

そして音人が笑顔を見せたとき、輝も笑顔を見せた。

この時、輝のぬくもりを思い出していた音人であった。

いつまでここに、と音人と輝は思い会い、再会を果たした。

いつまでここで、ネオン街の人間模様を見つめるのか。

音人の心の中のぬくもり、輝は音人の気持ちが晴れるまで包み込むだけ。

優しく、優しく、そして、輝のぬくもりは音人の心の奥深くに向かう。

同じ時間同じ場所で2人の瞳にネオンの色彩が映し出された時だった。

だいぶ慣れて来たネオン街の人間模様に、輝は音人に声を掛ける。

「もう遅くなったよ」

ここに来た意味があったのか、と音人は輝に言ったが、輝は音人の瞳を見つめるだけだった。

僕は一体何をしに来てるんだ、と音人は心に抱き、自分の弱さを知った。

「なれないよ同じ思いになれないよ」と音人は辛い自分の思いを輝に伝えた。

「なれないの知ってるよ」と輝は音人の言葉に笑顔で答えた。

「強くなれないんだ」音人は輝の笑顔を見つめる。

「会いたい気持ち抑えられなかった」と輝は音人の驚きの姿を見つめる。

輝の心にある思いが芽生えた。

欲張りでもいい、欲張りと思われてもいいと輝は思った。

音人と輝は、同じ思いでいる事を伝えあう。

2人の心は、チグハグになっている事を、輝は知っていた。

でも、輝は心は動いているけど、2人の思いは続いてると信じてる事を見つめ合う音人の瞳に伝えた。

いつも一緒に笑い泣いた日々は、 音人の心の中には、もう消えてしまったのかもしれない。

心の部屋にはないけど、心のどこかで感じてる?

音人の隣に寄り添いながら、音人を信じるだけ。

本当に笑いたいとき、本当に泣きたいとき、輝は音人が昔を思い出すのを待ち続ける。

音人と輝は寄り添い、またネオンを眺め続ける。

隣に寄り添うと少しずつ感じる音人のぬくもり、輝は音人を信じて歩いて行こうと決める。

遠く、遠くに広がる世界がある、そこには歩き出す道があり、いつか導かれると、輝は導かれる事を信じることにした。

音人は寄り道をしているだけ、いつでも引き返せるように、輝は音人の隣に寄り添い、輝は音人の肩に顔をうずめた。

音人が立ち上がるまで、引き返せると気づくまで、と輝は思い続ける。

輝にとって音人は大切な人、輝にとって音人は失ってはならない人。

ずっとずっと音人の隣に寄り添う輝には、肩なのに音人の鼓動が聞こえるような気がした。

心のシャッターを閉めてしまっている音人。

輝は音人の知らないシャッターの音が聞こえたような、帰りたい戻りたいと故郷への思いを感じていた。

田舎の町には2人の思い出がある、音人は思い出し始める。

降り積もった雪の中で音人は輝と遊んでいた。

詩を歌い始めた輝に顔を向ける音人、故郷への思いが輝にある事を知った音人。

あの雪あかりが懐かしい、と音人と輝の涙が一粒ポツリと落ちた瞬間だった。

輝の詩には懐かしいものばかり、音人の瞳に映し出されるのは輝の笑顔があり、まるで音人は輝と故郷にいるようだ。

音人の瞳には街のネオンの色が消えて行く、音人の瞳には目の前を歩く人間模様が消えていく。

ただ寄り添い見つめ合う2人、輝の詩に音人は涙をこらえるも静かに流れ落ちていった。

「帰ろう」輝の言葉が迷う音人の心を振り向かせた。

「帰ろう」音人も輝の言葉に答える。

「故郷へ帰ろうよ」遠い道のりだけど。

音人と輝は手を取り合い歩き、道遠き故郷へ。

君を思い出すと安らげる自然の色彩に包まれる。

青い空、白い雲、真っ白な粉雪、緑の森、色彩豊かな木々、色彩豊かな果実、そして足元には大地の色、無色透明な透き通る風。

全てが目に優しさをくれる、そして体には暖かさをくれる。

そんな君と出会えて良かったと思うよ。…テル。いつまでも愛しテル。


お読みくださりありがとうございます。人は大切な人を失いたくないよね。
本気で愛してると言われたらどう?
嬉しくてたまらない?顔が赤くなるのかな?
お知らせ:再度編集して更新しました


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短編/物語り絵本SP5「不思議な国のパンタ」親子の絆

2014-10-21 08:08:56 | 小説:不思議な物語りSP
不思議な国のパンタ絵本、この物語は
子供達へ届けるものでもあり
ご家族の中でもう一度、家族というものを見直して欲しいと思いで作成したものです
お父さんやお母さん、子供達から
成人男性女性、中高年、高齢者様々まで、幅広く観ていだければ幸いです

また、この絵本は読んで見ただけのものではありません。

______________________________


パンタ の てがみ は こころ の なか に ある の です

1

パンタ でーす
おとうさん おかあさん こどもたちに おしえて あげて くださいね
そして こどもたち を まもって あげて くださいね

2

みせてよー みえないよー ウッキーだぜ!
うっわあ! すごいなー ガハハハハー わらうな!
ファンタジーだぜ みせてよ!
かぞく の きずな は おもいやり と やさしさ を とどけます
おやこ の あいじょう は ゆめ と きぼう を とどけます
しあわせ に よって パンタ は ふしぎなくに を つくります
パンタ と こどもたち は こころ で つながるのです
こどもたち しか みえない ふしぎなくに の ものがたり
パンタ は えほんの なか で ゆめ と きぼう を つたえます
さあ そろそろ ぼうけん に でかけましょう

3

まずいよ みつかったー
あっ おかあさん … えほん パンタ の ほん よもうか と おもって
「ああうう ハヒヘへへ…」
こんなに おそく に なに している の かな?
おかあさん と いっしょ に えほん を よもうよ
はやく ベッド へ もどろうね
よみきかせ を する おかあさん です
ここで しあわせ が まず ひとつ

4

こどもたち は おべんきょう です
「 おはよう 」「 こんにちは 」「 こんばんは 」「 おやすみなさい 」
「 ありがとう 」「 ごめんなさい 」 パンタ は こどもたち に つたえます
すなおな ことば を つたえます こどもたち は えほん から おぼえます
たいせつ な あいさつ です
こどもたち は おおきな こえ で はなします そして ・・・
パンタ は ふしぎなくに の なかで おおく の ようせい を つくります
ようせい たち は おどり こどもたち に しあわせ を あたえます

5

「やれ やれ そりゃ そりゃー」「やあ やれ それー それー」
おどり の こえ は こどもたち  だけに きこえます
こどもたち は ゆめ と きぼう に みち あふれて いきます
パンタ は こどもたち の こころ を つたえます
そして おかあさん を ふしぎなくに へ しょうたい しました
いちにち の はじまり です いちばん さいしょ に おきるのは おかあさん です
あさ の しょくじ を つくります
にばんめ に おきる のは おとうさん です スーツ を きて しょくたく に すわります
さいご に おきる のは あまえたい こどもたち です
「おかあさん おはよう」「おとうさん おはよう」
こどもたち は おおきな こえ で すなお な ことば で あいさつ を します
しょくじ が おわる と よみきかせ が はじまりました
パンタ と こどもたち の ぼうけん が はじまります

6

おとうさん おかあさん こどもたち の しあわせ が あるかぎり
ゆめ と きぼう が あるかぎり こどもたち の ぼうけん は つづきます
おとうさん おかあさん こどもたち に あいじょう を
いつまでも とどけて あげて ください
そして よみきかせ で あいじょう を 
かぞく の きずな を たいせつ に して ください

7

しかし とつぜん よみきかせ が とまって しまう と ・・・
とても わるい ルーカス が あらわれた の です
すると ゆめ や きぼう の しあわせ が ・・・
こどもたち の こころ から きえ かけて しまいます
ふしぎなくに の パンタ は こどもたち に
「ゆめ を きぼう を わすれないで」と よびかけます
えほん を みること が ない こどもたち は ・・・
パンタ の こと を わすれ かけて しまい ました

71

しかし えほん を たいせつ に している こどもたち が
パンタ の こえ に きづいた の です
ようせいたち は パンタ を 「たすけてください」と
ひっし に つたえて いました 
ふしぎなくに が なくなれば こどもたち の ゆめ が
 きぼう が しあわせ が きえて しまいます

72

こどもたち は えほん を よみ はじめ
パンタ を ひっし に さがし はじめました
しかし こどもたち の ちから だけ では 
パンタ を みつける こと が できません
おとうさん おかあさん こどもたち に ちから を とどけて ください
はやく・・・はやく・・・
ふしぎなくに は どんどん うすれて いきます
こどもたち は ひっし に パンタ を さがします
ようせいたち は こどもたち に よりそい ます
パンタ どこに いるの?
ちから が たりない こどもたち は
みんな えほん を よみ パンタ を さがします
ちから は どうすれば いいの?
それは こころ から の あいじょう と きずな です

8

ふしぎなくに が きえそう に なる と
あらたな あかちゃん が うまれました
あかちゃん の まわり には ようせいたち が あつまり おどり を はじめます
ふしぎなくに を たべていた わるい ルーカス の すがた は どこにも ありません

9

こどもたち の きもち に きづいた おとうさん と おかあさん は
えほん を よみきかせる と ゆめ と きぼう が つくられます
そして しあわせ の てがみ が こどもたち に とどく の です
てがみ の なか で パンタ は ねむり ふしぎなくに は うっすら と みえて います
もう すこし です がんばって すると・・・

10

ようせいたち に みまもられ あらたな ふしぎなくに と なりました
ようせいたち は パンタ と しあわせ の タマゴ に よりそっています
ふしぎな タマゴ の なか は しあわせ が
いっぱーい いっぱーい あふれよう と しています
しかし・・・

11

パンタ は まだ ねむったまま です
しあわせ が つまった タマゴ は パンタ が め を あけない と
こどもたち には ゆめ と きぼう は とどきません
こんどこそ こどもたち の でばん です
えほん を よんで パンタ を おこしましょう
さあ こどもたち えほん を よんで・・・
こどもたち は えほん を よみ つづけます
たくさん の えほん を よみ つづけて います
すると……

12

こどもたち の こころ の おもい は パンタ に つたわり ました

13

ふしぎなくに が もどった のは おとうさん おかあさん が
しあわせ の えほん を よみきかせ あいじょう を こどもたち に とどけたから
こどもたち と パンタ は こころ の なか で つながって います

14

あいじょう は こどもたち の こころ に ゆめ と きぼう を とどけます
パンタ は こどもたち を あらたな ふしぎなくに へ しょうたい します
あいじょう を とどけた パパ と ママ パンタ は きずな とも つながります
パパ と ママ そして こどもたち パンタ は すぐ ちかく に いること を
けっして わすれない で ください

15

パンタは いつまでも こころ の なか にあります
たいせつな きずな と あいじょう を とどけて ください
おとうさん おかあさん そして こどもたち
いつまでも しあわせ な こころ を
たいせつ に わすれない で ください

おとうさん おかあさん こどもたち そして・・・
その まわり に いる ひとたち に むけて
こどもたち は たからもの です
これから いつまでも あいじょう と ゆめ と きぼう を あたえて ください
こどもたち を まもれる のは だれ でしょう
きっと ぱんた から てがみ が とどく かも しれません

ぱんた の てがみ は こころ の なか に ある の です


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さてイラストクイズです。名探偵は誰?
物語りの中で「パンタの数」は、いくつあったでしょうか?

ヒント1;薄くなったり、これは重なっているのではないかというのも数に入れて下さい
注意;画像の隣りにある数字は関係ありません




お読みくださりありがとうございます。
未熟ではありますが、フリーイラストの切り絵にて絵本を作ってみました。
お父さんやお母さん、そしてお子様が、楽しい時間を過ごしている事を祈っています。
また、未熟な不思議な国のパンタの絵本を、楽しく読んでいただけると幸いです。
実は、この「パンタ」は、SP1の「ファンタジア」をもとにして
絵本として作成したものです。
もしよろしければ、ファンタジアと読み比べてみるのも良いかも。
今後ともよろしくお願いします。

ヒント2:答えは、右斜め下⇒

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短編/物語りSP4「魔法の部屋」君がいたから

2014-10-14 17:01:11 | 小説:不思議な物語りSP



ここは、ボク一人だけの魔法の部屋です。
誰にも、何一つ言われることのない、ボクだけの部屋。
ボクは、魔法の部屋では「自由」なんだ。
それだけじゃないよ、ボクだけの部屋では、ボクが王様なんだ。
ボクは、一人で遊んで、疲れたら休んで、好きなことばかり、どんなことでも出来るんだ。

毎日毎日、今日はここで遊ぼう!
毎日毎日、今日はここで眠ろう!
ボクは、いつでも好きな時間に、ご飯を食べよう!
ご飯を食べ終わったら、汚れた食器を、ボクの魔法で、消してしまえばいいんだ。
掃除だって同じさ、ボクの魔法で、きれいにすればいいんだ。

空を見上げると、鳥が飛んでいる、あんな翼が欲しいな。
「そうだ、空を飛んでみよう」
そう思ったら、ボクの魔法で、翼を作ろう。
ボクの両手には、翼がつきました。
この魔法の部屋の世界を、どこまでも飛んでみよう。
「あれれー、翼じゃなくて大きな傘に乗ってるよ」
大きな傘は、どこまでも僕を乗せて飛んでくれました。
「んー!、翼じゃなくてもいいや、飛んでるもん」

ボクが空を傘に乗って飛んでいると、ん?だれ?
「あれれー、誰だろう」
雲の上を飛んでいくと雲の隙間から、誰かがボクの魔法の世界を覗いていました。
「はずかしいなー」
ボクの魔法の部屋は、誰も見れないはずなのに。
「あれれー、どこかに行っちゃった」
覗いていたあの子は、ボクに見られると、どこかに消えてしまいました。
「つまらなかったのかなー」
でも、ボクだけの魔法の部屋だから、覗かないでね。

ボクは、一人でいることが、大好きだった。
そして、一人で遊ぶことが、大好きだった。
泣かされることもなく、笑うこともなく、ただ一人でいること。
静かな朝を迎え、一人で遊び、静かな夜を迎えるのです。
毎日毎日、同じことの繰り返しでも、さびしくはなかったのです。
でも、あの子を見た時から、何だろう、この気持ち。
ボクの胸に、ふと浮かび上がる、この気持ちってなんだろう?

ボク一人だけの魔法の部屋なのに・・・
いつも一人だけでいいと思っていたはずなのに、
今、なぜか、ボクの気持ちは揺れています。
「さびしい?」ボクの胸の中で話しかけてきます。
一人で遊んで走って、空を自由に飛んでいても、ボクの心は宙に浮いたままになりました。
なんだろう?この気持ち・・・

本当のボクの気持ちは、どこにあるの?
だれか、だれでもいいから教えてよ。
ボクは、だれかに話しかけても、何も返ってくるものはありません。
「つまらないよ、つまらないよ」
ボクは、いつも一人が好きだったのに、
あの子に合ってから、ボクが初めて感じた気持ちでした。

あの子の姿を見た時から、ボクは一人でいることが嫌になりました。
今はただ、下を向いて座っているだけです。
「え?、だれですか?」
ボクに、だれかが声をかけてくるのです。
「さあ、もういいよね、わかったよね」
ボクに声をかけてくれたのは、ボクの魔法の部屋でした。
「さあ、時間が来たよ、もうわかったよね」
ボクは、初めて、さびしさを感じました。

ボクは、いつも一人でいることが好きだったのに、
あの子に合ってから、今では、さびしくてどうしようもないのです。
魔法の部屋も翼も傘も、何もいらないから、ボクは誰かと友達になりたくなりました。
ボクの魔法の部屋をのぞいた、あの子と友達になりたい。
そうだ、あの子の世界を、のぞきに行こうと思います。
あの子の世界を探して、探して、飛び回りました。
丸くて小さなビー玉くらいの水玉の世界がありました。
その水玉模様は、あっちこっちに行ったり来たりしています。
ボクは、会いたい思いで追いかけて、やっと触れることができました。

あの子に出会えた時から友達になりました。
そして、あの子には、たくさんの友達がいて、楽しそうにしています。
ボクは、あの子と友達になれて良かったと思います。
あの子と友達になれてから、友達が一人、また友達が一人と増えていくのが嬉しくなりました。
「もうボクは一人じゃないんだ」
ボクの魔法の部屋は、ボクに気づかせてくれたのです。
そして、ボクだけの魔法の部屋に、ボクは戻ることはなくなりました。
ボクの魔法の部屋さん。
「ありがとう」
そして、君の世界に、ゆっくりと歩いていくよ。
ありがとう、覗き見の君へ、ありがとう。
_____________


お読みくださりありがとうございます。

人は誰もが孤独かも、でも「ありがとう」と言われたら嬉しいよね。
君がいたから、僕もいたんだね、ありがとう。

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