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チューリップス・シスター第28話

2017-01-05 10:35:59 | 小説チューリップス-シスター


第一弾 最終章
チューリップス・シスター第28話 愛の聖女シスター誕生


神父に勇介は双子の真理と美咲との出会い、亡き神父だった叔父の遺言、勇介自身の過去を見つめ直し、これまでの奇妙で不思議な出来事を考えに考えていた。眼には見えない神秘的で幻想的な世界がある事を未熟な神父の勇介は、真理と美咲と出会っていなければ理解する事は出来なかっただろう。世界の神々ゼラトウスの指令と導きにより、神父の勇介は世界の神々ゼラトウスから導き方を学び「自覚」「覚悟」「正義」という思いを心に抱きながら、勇介自身の特異的能力は、今後未来にある神秘的で幻想的の世界で真理と美咲や様々な人々を導く事になるが、現在において次元の違う仮想空間に留まり、幻想世界のアースガルズへの導きは、まだ経過の途中である。

現在において勇介は「祈祷師」「結界師」「錬金術師」の特異的能力と「翼と角のあるフェニックス」を制御し、幾度となく戦争を繰り返す現実の人類の世界と次元の違う戦争のない仮想空間の人類の幻想世界を行き来しながら、現実の世界から戦争によって亡くなった人々の魂や孤児となった子供達の「差別」や「格差」を「正義の元」で守り抜き、現実の世界から抹消する為に奮闘する事になるが、世界の神々ゼラトウスの導きは現実の世界で繰り返される戦争や災害を抹消する為ではなかった。
炎で包まれる世界での戦争は現実の世界では有り得ない、次々と犠牲者や死者は増え見えない空間に置き去りにされ誘導される。

災害や戦争で失う命をいかに導びけるのかという、世界の神々ゼラトウスから神父とエクソシストの勇介の導き方への問いかけであり、
その答えに気付く事が出来るのかどうかと試す事にしていた。
勇介自身ではなく神父としての勇介の人々への導き方を見守りつつ、真理と美咲の特異的能力との関わり方と勇介の今後の存在のあり方へと導く。

勇介の心の神ゼウスは勇介の心の奥底で世界の神々ゼラトウスからの問いかけの答えを探すよう警笛を鳴らしていた。
翼と角のあるフェニックスを制御して戦争の真っただ中にいた勇介であったが「祈祷師」「結界師」「錬金術師」の特異的能力のみと気付き、勇介は本来の神父としての役割の方向性を修正し現実の世界で、世界の神々ゼラトウスからの問いかけの答えを見つける事が出来た。

問いかけの答えとは、神父の役割とは現実の世界での戦争で戦ってはならなかった事に気づいたのだ。
「悪霊(魔界の魔物の邪念と邪気による洗脳で動かされる悪魔ゼブロスと死神デッドと地獄バルザ)」は神父の勇介の特異的能力に気付き、勇介の真理と美咲と同じように心の中にも忍び寄り潜んでいた。

勇介はエクソシストの特異的能力によって自らの祈祷で「悪霊」払いを施し、真理と美咲の中に執拗に潜んでいる「悪霊」を仮想空間から現実の世界に導き、次元の違う仮想空間から幻想世界アースガルズへ導ける道を世界の神々ゼラトウスの指令と心の神ゼウスの警笛によって創り始めていた。

悪霊とは魔界の魔物の邪念と邪気による洗脳で動かされる悪魔ゼブロスと死神デッドと地獄バルザである。

そして、真理と美咲の特異的能力は、現実の世界では封印され次元の違う仮想空間で神父の勇介を待ち続けている事を勇介は思い出す。
現実の世界にいる神父の勇介の特異的能力には、真理と美咲の特異的能力が必要だった。
神父としての勇介は「悪霊」から死者と傷を負った人々の身と魂を守る為に、現実の世界と真理と美咲が存在する次元の違う仮想空間を行き来する事になる。
真理と美咲の「女神の聖母マリアの能力(保守)」の身を守る「守護神」の能力が常に必要だった。
神父の勇介にも同じ特異能力はあったが、現実の世界では世界の神々ゼラトウスによって「予知能力」「透視能力」「離脱解離能力」「転移能力」「分析能力」「学習能力」「聖霊ヘルプの能力(選別)」「妖精ハルフの能力(導き)」「天使ピクロスの能力(伝心)」「女神の聖母マリアの能力(保守)」は封印されていた。
神父の勇介が「悪霊」を仮想空間から現実の世界に導き全ての「悪意」を現実の世界に仮想空間から誘導し切り離し、現実に大結界の絶対空間を創り留める事で、現実の世界から何処へも離れられないように隔離し、「善意」だけの次元の違う仮想空間から幻想世界アースガルズ9つの世界へ導ける瞬間移動が出来るワームホールを創造する為である。

真理と美咲の過去を振り返ると、真理は青空と海原で、美咲は森の中の湖で生き地下の水脈で繋がっていた。
しかし、真理と美咲の過去の「運命」は世界の神々ゼラトウスよって正反対の人生を送るよう導いていた。
真理と美咲の特異的能力は、同じ能力ではあるが人生を送る事への感情の動きや心の動き、特異的能力の完全開化への導き方は違っていた。
双子の姉の真理には「孤独」と「苦しみ」を与え、妹の美咲には「悪霊」と戦えるよう「死の覚悟」「復讐は正義」という思考を与えていた。

真理の青い空と海の中と美咲の森の中の湖に「悪霊」は潜み忍び寄っていた。
地下の水脈で繋がっている事に気付いていた「悪霊達」は我が先にと競い合い、真理と美咲の「運命」に乗り移ろうとしたが争そう事で乗り移る事が遅れていた。
過去の悪霊は「魔性世界の魔物の邪気」「悪魔ゼブロス」「死神デッド」「地獄バルザ」は別々の悪霊だった。
しかし、真理と美咲の環境と心の成長の中で、乗り移る為に一つの「悪霊」として重なり、その後一体化し「悪霊」を現実の世界の人類の中で増やしていた。
人類の中で反乱や内乱、世界戦争が続く原因の1つになった、本来の世界の神ゼラトウスは人類の心で「自由」「平等」「平和」へと導くべきだったが、
増加した「悪霊」は、世界の神々ゼラトウスには止める事は出来ず、人類の中で新たな救世主を創造する事を決断した。
そして、世界の神々ゼラトウスは指令を出し、聖霊ヘルプの選別によって選ばれたのが神父の勇介と真理と美咲である。

時は流れ2年後2人は23歳になった。
真理は精神科医となり、教会の美咲の修道院へ入り、教会の施設で、身寄りのない孤児の子供達と生活が始まる。
美咲は病院を退院したが悪霊との戦いで筋力の衰えもあり、真理の元でリハビリを始めていた。
リハビリは真理の勤める聖域外の大学病院で行われ美咲は、後は筋力が戻れば通院も必要なくなる。
リハビリを行う美咲は、一般の人間よりも早い段階で筋力の衰えは戻ると美咲は自分の持つ特異的能力を使いながら理学療法を学んでいた。

真理は科学的療法と自分の特異的能力を使いながら診療を重ねていく。
見た目において東洋医学や西洋医学の知識や技術を持ち、治療する時には自分たちの持つ能力を使うことによって、他人にはその能力を知られる事はないと考えていた。
真理と美咲には世界の神々ゼラトウスから課題が出され、双子の姉妹が持つ特異的能力をコントロールする事である。
もしコントロール出来なければ、美咲は病院に入院していた頃のように相手に身体症状を引き出してしまう。

特に美咲は真理よりも強い能力を持っている、神に近い存在になるのかもしれない。
いつものようにリハビリに来る美咲は笑顔を絶やす事はなく、他の看護婦に会う時やすれ違う時には必ず挨拶を交わしていた。
美咲への治療は、すでに終わっていたが美咲は自身で何かのリハビリを1人で施していた。
半年間の経過を見る限り、もう美咲は病院へいく必要はなくなり真理は勇介に相談をした。

これからの美咲にとって一番の幸せになれるためにはどうして良いのか。
この頃の勇介には返す言葉がなかったわけではないが、しばらく時間がほしい考えさせて欲しいと、あえて真理へ告げた。
これも、今は亡き叔父の神父の遺言によるものであった。

それぞれが平凡な日々を送れるようになってから勇介は知った事がある。
あの山本刑事だが元銀行員殺人事件後から4月下旬、真っ赤なチューリップが咲く時期に美咲に会う事なく看護婦に言付けをせず花束を贈っていたようだ。
山本刑事には何かを感じていたのだろうか、メッセージカードには暗号のような文章が書かれていた。
あくまでも憶測だが山本刑事は、この世のもの以外の事を信じていたのかもしれない。
山本刑事は言葉にする事はないが、心のどこかに真理と美咲の奇妙で不思議な出来事を心の中に現実の世界では悟られず仕舞い込んでいたのかも知れない。
先入観を抱く事はない山本刑事を含む7人の刑事達は、未来の次元の違う仮想空間の幻想世界アースガルズで、エクソシストの従者ビショップとなりシャーマンの能力で盾(たて)となりエクソシストを守り抜く事になるのか。

しばらくして真理は教会へ足を運び勇介に会いに行く。
「美咲を神の元に置いてはもらえないだろうか」と勇介に相談した。
「そのようにいたしましょう」と勇介は答える。

勇介は美咲を修道院へ導いていくと、美咲は真理の子供の頃のような微笑みと天使のような笑顔を魅せていた。
あの頃の真理のように求めるものが違うのは心の神ゼウスによって「希望」に変化し、その「希望」を子供達に与えられるような気がした勇介だった。
この時、勇介は「希望」だけだろうかと脳裏を過ぎていく何かの感覚があり考える。
勇介は真理の願いの全てを受け入れた受け止め、真理と美咲の「運命」の導きを始める。
受け入れ受け止めたというよりは、真理からの言葉を待っていたというべきだろう。

美咲は修道院へ入り、身寄りのない孤児施設の子供達は初対面から美咲の笑顔に吸い込まれたようだ。
そして美咲は常に天使のような笑顔を絶やさず、子供達に夢をみるのではなく「勇気と希望」を与える優しさや暖かさ温もりの愛情で接していた。
勇介は疲れなけばいいがと気がかりはあったが、花を植える姿と花に包まれる美咲は子供達にチューリップとハーブの育て方や花言葉、由来などを教えていた。
美咲は母への思いが強くあり、一番好きな花はと子供達から聞かれると「赤いチューリップ」と答える。
子供達に、どんな花が好きかと美咲が聞けば、美咲と同じように笑顔と大きな声で「赤いチューリップ」と答える。
美咲は多くの子供達を自分の子供のように、優しく厳しく暖かく包み込むように愛する事が出来たのだろう。
温もりの愛情を真理と美咲が抱き子供達と接する事により、この時は「愛の象徴の天使」や「愛の聖女シスター」と呼ばれていた。

ここまでは神父の勇介と真理と美咲の運命と生きる環境の境遇であり、この先には新たな現実の世界と次元の違う仮想空間の幻想世界がある。

そして時が流れると未来にある次元の違う仮想空間で「世界の神々ゼラトウス」の元で生きる「女神の聖女シスター」が誕生した。
しかしもっと先の未来には更に新たな幻想世界アースガルズ9つの世界が創造される。

真理と美咲は、聖母マリア像の前に立ち祈りをささげる時「フォメオ・ス・タンシス」と心に囁かれているのだった。
この頃、この囁きはいったい何なのか今は知ることはなかったが、今後未来には何かと出会い何かを共に思い考え全ての環境が変わるのだろう。

次元の違う仮想空間では「女神の聖女シスター」と呼ばれるようになり、幻想世界アースガルズ9つの世界では「チューリップス・シスター」と呼ばれる事になる。
真理と美咲は徐々に少しずつ姿は薄れ、次元の違う仮想空間から、幻想世界アースガルズ9つの世界に世界の神ゼラトウスによって導かれ、神父としての勇介も同じように現実の世界から仮想空間を透り、徐々に少しずつ浮遊している人類の魂の姿は薄れ幻想世界アースガルズ9つの世界に世界の神ゼラトウスによって導かれていく。


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チューリップス・シスター第28話
愛の聖女シスター誕生 最終章

いつも読んでいただきありがとうございます。

次はチューリップス・シスター第29話から始まります。
今後とも宜しくお願いします。
ゆっくり出来る限り編集し更新していきます。

チューリップス・シスター第27話

2016-12-17 16:59:35 | 小説チューリップス-シスター


チューリップス・シスター第27話 神への祈りと封印

美咲の「死の覚悟」と「復讐は正義」は悪霊(悪魔ゼブロスの黒魔術の呪いと死神デッドの洗脳と地獄バルサ)との戦いの間で、新たな未来の次元の違う仮想空間の幻想世界に「興隆」「豊富」「自己犠牲」「信仰心」「慈悲」「自由」「平等」「平和」を望んだ。

世界の神々ゼラトウスが勇介と真理を導いた時と同じように、世界の神々ゼラトウスから美咲も導かれ与えられたものでもある。
過去の美咲の「死の覚悟」と「復讐は正義」は思い込みが激しく先入観のある人類を奇妙で不思議な出来事であり、事件は全て未解決、人物達の行方不明、殺人事件など様々な記録というものが現実の世界で消え、事件があっても警察での聴取した書面全てが消える。
美咲の予兆能力は犠牲者(生贄)を創り出し、何事もなかったように現実の世界の時の流れると、美咲は聖霊ヘルプの選別の能力を操り、未解決事件の関係者の全て、生きていた存在、過去の記録と過去の記憶を消してしまう。
選別された人類は天国ヘブンか地獄バルザかアースガルズの9つの世界の何処かに犠牲や生贄(いけにえ)となった人類の魂は転生されている事だろう。
アースガルズの9つの世界は、天国ヘブンの世界と地獄バルザの世界の中間層にある。聖霊ヘルプの選別のよって天国ヘブンへ導かれる人類の魂、地獄バルザへ落とされる人類の魂があるが、地獄バルザの世界で魂の願いと誓いや生き方によっては、神の言霊の神ゼウスまたは神イエス、聖霊ヘルプ、妖精ハルフ、天使ピクロス、女神の聖母マリアが世界の神々ゼラトウスに交信し許しの伝令があり、転生永遠の祈りと誓いをすれば、9つのアースガルズの世界に導かれる人類の魂がある。

しかし祈りと誓いをしたが裏切る事になれば、その魂は何処の世界にも存在は許されず、地獄バルザの真っ赤な炎で抹消され、現実の世界に存在していた時の全ての家族と親族と知人友人の存在もなくなり現実の世界から全てが抹消される。
現実の世界や次元の違う仮想空間の幻想世界には存在する事は決して許されない。
現実の世界ならば世界戦争で生命は奪われ悪霊となって現実の世界で苦しみの中で浮遊し続ける事だろう、苦しさに耐える事が出来ず、現実の世界の甘い言葉で黒魔術を使い分け洗脳する悪魔ゼプロスに魂を預けてしまう事もあるだろう。
しかし悪魔ゼブロスに魂を預けてしまえば楽になるどころか、悪魔ゼブロスによって死神デッドとなり人類の生命を奪い続け利用される事になり、いつの時か解からないが切り捨てられ、更なる苦しみだけの世界で孤独となり浄土する事はない。

隔離室の美咲の想いは、現実の世界と次元の違う仮想空間の幻想世界を行き来しながら、悪魔のゼブロスの黒魔術の呪いと死神デッドの洗脳と地獄バルサとの戦いの中、美咲自身の想いは雷雲のように激しく表わにする。
勇介と真理が過去を振り返っていた姿は、世界の神々ゼラトウスと、美咲の補佐役のフリーランスの精神科医コナン・グレードの霊能力と看護師資格と特異的心理学を熟知しているセラピストのセレナ・ティナの魔術能力と、大学病院精神科の隔離室の美咲の「想い」「願い」「祈り」「誓い」が美咲自身の心の神ゼウスを透し、勇介と真理に次元の違う仮想空間の幻想世界を魅せていた。
そして世界の神々ゼラトウスは美咲の感情と前兆能力を透して、勇介と真理に心の安堵と休息を与え、美咲は現実の世界で真理との再会を望んでいた。
勇介が創った狭い隔離室で8人の結界師に守られている大結界の絶対空間にいる美咲の刹那い想いである。
「フォメオ・スタンシ・ス・アイリース・ミーラ・セルジン・ゲイツ・ア・リース・フォーラ・サン・ザ・フォース」
美咲の「想い」「願い」「祈り」は崇拝する世界の神々ゼラトウスに未来永劫にかけて「誓い」を立てる。

美咲は自身が導かれる運命の「役割」と「覚悟」を持ち前兆能力が、悪魔のゼブロスの黒魔術の呪いと死神デッドの洗脳と地獄バルサと戦う事で、真理よりも早い段階で完全開化していた。
10畳程の隔離室にいた時や4畳程の隔離室に移された時でも美咲の予兆能力は、勇介が創った絶対世界の大結界で悪魔ゼブロスと死神デッドと地獄バルザによる「ヒビ」を最小限に出来るような予兆能力のはずだった。
早い段階で完全開化したのは、美咲だけの広い隔離室でなのか、一般病棟の狭い隔離室でなのかは不明である。
世界の神々ゼラトウスからの伝令は、誰も受ける事はなかったが、神父の勇介は世界の神々ゼラトウスから与えらた全ての能力で気付いていたのかもしれない。

世界の神々ゼラトウスに若年の勇介が神父として認められたのは産まれて来る以前から、伝道師、結界師、錬金術師、祈祷師、魔術師、霊能力者としての役割という「運命」を与えられていた。
勇介は知能発達の異常に速い子供として産まれてきた。
成長と共に勇介の「神童」は、勇介に特異的な能力を自らの現実の世界の奇妙で不思議な体験によって与えられるよう世界の神々ゼラトウスに導かれていた。

神父の勇介と真理と美咲は神へ懺悔(ザンゲ)と祈りと誓いをすると、世界の神々ゼラトウスは勇介と真理と美咲を現実の世界から解放し次元の違う仮想空間の幻想世界に導き、現在の勇介と真理と美咲の対人関係が今後未来の幻想世界で勇介と真理と美咲の姿を見せ、世界の神々ゼラトウスからの新たな導きによって、勇介と真理と美咲だけでなく、7人(元刑事達)の従者のビショップや2人のシャーマン(コナングレード、セレナティア)の背負う役割という運命を生きる姿を魅せられる。

「フォメオ・・・、今なんて、おっしゃったんですか?」
看護婦は、勇介に聞いたが、看護婦に笑顔を見せるだけであった。
「やぁ、おかえり、小さな天使さん」
勇介は、美咲に声をかけた。
「はじめまして、新しい神父さん」
美咲は、勇介に返事を交わし笑顔を見せていた。
勇介は、美咲の特異的能力を瞳を見るだけで理解が出来た。
眼球が開く事無く優しい目つきで瞳孔が開き、
その中で勇介や真理の導かれる姿、従者ビショップなった人々の導かれる姿、美咲自身を守ってくれていたシャーマンの導かれる姿を映し出していたからだった。
しかし、美咲の瞳に映し出した姿は、幻想世界ではなく一般的な現実を神父の勇介に語り始めるが音声はなく映像だけである。

狭い隔離室の部屋の中で美咲は大学病院の職員全員に頭痛や無気力、吐き気などの症状を発症させていた。
しかし、真理と勇介に会う日は病院の職員全員には不思議な事に症状が出る事はなかった。

真理と美咲のやりとりを見た看護婦は、信じられないとまるで奇跡が起きたかのように医師へ報告に出て行った。
数分後、看護師は精神科医師と共に病室へ入りその奇跡の光景に驚きを隠せなかった。
精神科医師は声が出ず、ただ黙って表情を変え良かったとばかり首を縦にふっていただけであった。
「この数年何をしていたんだ」
精神科医師は、廊下へ出てから思い呟いていた。

科学的治療、精神療法など、何もできずに、ただ入院し見守っていただけ、そして、自傷行為や自殺行為に対処しただけであった。
勇介は、看護婦に自分が身元保証人になった事を伝え、入院してからの美咲の状態を聞いていた。
特に治療もできず、美咲は一人寂しく苦しみを持たされていた、幻想世界とは全く違う現実的な出来事である。

しかし、ここ数週間は、落ちついた感じで過ごしていたという。
そして、勇介は病院に入院してからの全ての絵をみせてもらい、全ての絵を持ち帰る事になった。
「本来、病院ではフリーランスの精神科医コナン・グレードとセレナティアのはずだったのに」
と、勇介は思ったが現実の世界で神父の勇介が大結界の絶対空間と次元の違う仮想空間を行き来していたからと考えた。

病院で渡されたスケッチブックを軽くみると、その絵を観た勇介は驚きを隠せなかった。
「夢の絵」は観てはいたが教会にある絵と全く別の絵を描いていたのだ。
美咲の感情が感じられない絵画を目にした勇介は戸惑っていた。
数多くある絵は美咲のメッセージでもあり叫び声でもあったのだろう。
「もし私が美咲の叫びを感じていたら、少しでも苦しみから離せるよう祈る事も出来たのに」
誰も美咲のその叫ぶ姿を感じ取る事は出来なかった、勇介と真理、コナン・グレードやセレナ・ティアでも。
勇介は教会へ戻るとすぐに教会で保管している絵と日付と番号順に組み合わせていると声をかけられる。
「この感情のない絵画は、私へのメッセージです、美咲からのメッセージは全て受け取っていました」
真理は勇介に告白するように言った。
「もしや、真理さんにだけにですか?」
「そうです、私だけです、美咲の苦しみは自分では、それほど感じていなかったでしょう、その代わり私に苦しみを与えられたのです」
勇介は、美咲の為に祈りを捧げていたのは間違いであった事に気付く。
「勇介さん、一般の普通の人間の力では無理なんです」
「それじゃ、私は、真理さんの事を祈るべきだったのですね」
「そうかもしれません、でも、きっと私に対して祈りを捧げても、その祈りは届く事はなかったと思います、私が心を閉ざしていたから」
事件前事件後、母の自殺、一部の絵を除いては、美咲からのメッセージであった事を勇介は心で全てを受け止めた。
母を亡くしてからは、1枚も絵を描かなくなった事を知った。
勇介は、警察にある2枚の絵を山本刑事からもらい受けた。
そして、全ての絵を木箱に入れ鍵を掛け封印した。
美咲の絵画は木箱の中で動いている生きている、その木箱は鍵だけでは開けられない、封印を解くにはドラゴンの箱を開けた時の、あの言葉が必要になる。
その言葉をかけなければ、木箱は開く事はない。
なぜ、そこまでしなければならないかと思われるが生きた絵は地獄と繋がる出口でもあり入り口でもあった。
美咲は「死人の目」で生きながら「自殺」している状態で絵を描いていたのである。
勇介は、再び「神」に祈りを捧げ、真理と美咲の2人の特別な能力は、決して誰にも知られてはならないと思う。
知る事が出来るのは勇介と真理、美咲の姉妹だけであった。

美咲が求めている現実の世界で真理との再会は、美咲の物語る話が終了すると再会を果たす。
再会を果たすと世界の神々ゼラトウスは「聖霊」「妖精」「天使」に伝令を出し、真理と美咲の前兆能力は更なる能力へと完全開化し特異的完全能力となった。
「やっと会えたね、美咲、長い間、ごめんね」
「そんな事はないよ、真理は苦しかったでしょ、私は大丈夫、守られていたから」
「どうして解かるの?」
「いつもいつも真理の事も神父さんの事も見ていたから」
美咲は常に悪霊「魔界の魔物の邪念の邪気」「悪魔ゼブロスの黒魔術の呪い」「地獄ヘル」「死神デッド」と戦いながら、神父の勇介と真理が「心の神ゼウス」に導かれ役割を果たした事を知っていた。
世界の神ゼラトウスから美咲も伝令を受け「死の覚悟」「復讐は正義」という思考で戦う事へと導かれていた。
「ありがとう、美咲さん、僕達も美咲さんの姿を見ていました、そうですよね、真理さん」
「え、はい、神父さんの言う通りです」
勇介と真理と美咲との会話は終わり、勇介は今後の未来について心の中で違和感を感じていた。
「何だ、この感覚は、神からの伝令を受けてるのか」
神父の勇介の違和感と感じたものは、真理と美咲には感じる事はなかった。

勇介が感じた違和感は、勇介だけが感じるもので世界の神々ゼラトウスは勇介を次元の違う仮想空間の幻想世界ではなく、創造した赤いチューリップ畑とハーブ畑だけの世界に導いていた。
世界の神々ゼラトウスは、亡き叔父の神父が出来なかった事を若年で神父の勇介に更なる導きを始めていた。

神父の勇介の持つ特異的能力の祈祷師と錬金術と角と翼のあるフェニックスの戦闘能力だけを残し他の特異的能力は現実の世界では封印される。
他の特異的能力は次元の違う仮想空間の幻想世界のみ発揮されるよう導かれる。
祈祷師の役割ではエクソシストとして、錬金術師の役割は格差のある弱者に金銀を与え救う為の役割、フェニックスの役割は神父の勇介が制御し、現実の世界の戦争の中で殺害される人類、貧困格差、差別される人類を戦闘能力で守り抜く為の役割があった。
また勇介(時の煌子)の従者のビショップは現実の世界と次元の違う仮想空間の幻想世界に導かれ常の共に存在し補佐する役割があった。

真理と美咲とコナン・グレードとセレナ・ティアの全ての能力は現実の世界では封印され、
次元の違う仮想空間の幻想世界のみ特異的能力は発揮されるよう導かれる。
しかし、真理と美咲を幻想世界の転移させるのは、この時期ではなく次元の違う仮想空間に留められる。
忍び寄る「魔界の魔物の邪念と邪気による洗脳で動かされる悪魔ゼブロスの黒魔術の呪いと死神デッドと地獄バルザ」は、真理と美咲に重なり付きまとい幻想世界へ転移する事を求めていた為、世界の神々ゼラトウスによって次元の違う仮想空間だけに留められた。
次元を超えた幻想世界アースガルズ9つの世界に「悪霊」を潜伏期間のある伝染病のように蔓延させる事は避けなければならなかった。
次元の違う仮想空間の幻想世界9つのアースガルズや天国ヘブンでは、悪霊の存在は全く無い、あくまでも迷信でなければならない。

聖域内の教会や修道院と孤児を預かる修道施設、内科の診療所、真理と美咲が育てられた自宅とチューリップ畑とハーブ畑の土地は、現実の世界と次元の違う仮想空間の幻想世界9つのアースガルズにも創造される。
時をかけてパズルのパーツのように組み立てるように未来の次元を超えた仮想空間の幻想世界に向けて少しずつ構築されていく。

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次回:第一弾「チューリップス・シスター第28話」最終章

その後「第二弾:チューリップス・シスター第29話~」が始まりますので宜しくお願いします

チューリップス・シスター第26話

2016-12-05 09:12:40 | 小説チューリップス-シスター


チューリップス・シスター第26話 時の刹那い想い

勇介は真理を車に乗せ、病院へ向かうのだが、勇介は叔父の手紙の一部を思い出す。
「もしも、双子の姉妹が再会を果たす時、教会の神父の部屋にある、チューリップとドラゴンの彫刻のある箱(アーサーゲイツの箱)の中のものを2人に与えて欲しい」
神父の叔父の文面を思い出した勇介は、いったん聖域内の教会へ向かった。
真理の様子は、以前の美咲のように下を向き、無気力で何かを囁いたままである。
教会に辿りついた時、動く事がない真理を車内に置いて、勇介は急ぎ神父の部屋のアーサーゲイツの箱を探した。
本棚を探し机の引き出しの中を探してみたが何処にもなかったが、突如足元で青く輝く光が勇介を導いた。
その箱は机の下で埃をかぶり濡れたタオルで拭くと、箱の底以外の面に赤いチューリップと緑黄色の植物(ハーブ)と青い翼のあるドラゴンの彫刻が施されていた。
「ん、何故だ、何故赤いチューリップと緑黄色の植物と青白い翼のあるドラゴンとは何だ、共通点は?」と疑問に思う勇介だった。
疑問は抱いていたがアーサーゲイツの箱を開けようとした勇介であったが、鍵はかかっていないのに開ける事が出来なかった。
「どういう事だ、このまま持って行けというのか?」
勇介は一通の手紙に、2行の言葉が書かれていた事を思い出す。
「神の元、神の言葉において箱を動かせる、我の言葉を繰り返し静かに念じながら囁くのだ」
「フォメオ・スタンシ・ス・アイリース・ミーラ・セルジン・ゲイツ・ア・リース・フォーラ・サン・ザ・フォース」
この言葉をかける事で、アーサーゲイツの箱の上蓋が動いた。
上蓋を開けると中に入っていたのは、2つのチューリッップとドラゴンを模った丸いリングであった。
そのアーサーゲイツの箱の底には1枚の動物の皮紙にはピラミッドのエジプト文字があり一枚の和紙には今は亡き神父の筆跡で翻訳文が書いてあった。
「ドラゴンのリングによって、ドラゴンの魂をあてよ」
勇介は驚きを隠せなかった、リングの作られたのは13世紀前であり、その頃から真理と美咲が産まれてくる事を予知か予言していたようだ。

勇介はアーサーゲイツの箱を持ち車へ戻ったはずだった。
「何だ、この体に感じる、この感覚は、幻想世界のアースガルズの世界なのか」
勇介は一時的に現実の世界に戻る。
世界の神々ゼラトウスは、アースガルズの世界が次元を超えて存在する事を勇介に気づかせる為に一時的に現実の世界に戻し導いていた。
この時の勇介と真理は次元の違う仮想空間の幻想世界の中にいたが、更なる幻想世界の奥深くの世界に導かれていく。
導かれる事で勇介と真理は、本当の真実を知る事で心の安堵と休息が得られた。

真理は教会の椅子に座り、勇介は神父の部屋にあるアンティークの椅子に座り、眠りにつき同じ夢を見ていたが、世界中の止まった時間が時を動かすと共に勇介と真理は目覚め、勇介は神父の部屋を出て教会にいる真理の元へ足を向ける。
「真理さん、大丈夫ですか、寒くはないですか」
教会の真理の姿を見て、勇介は教会の椅子に座ったまま動く事がない瞬きをしない真理に声をかける。

神父の部屋で再び休息をとる事になるが、神父の部屋は勇介が結界師の能力を使い大結界の絶対世界で、
魔性世界の魔物や黒魔術の呪いの邪悪で邪念の邪気が再び真理に苦しみの重圧をかけられないようにしていた。
真理は神父の部屋のベットで眠りにつく、勇介はアンティークの椅子に座り、叔父の残した書物を読んでいた。
真理が目覚めると、勇介は書物を読む事を止め真理に声をかける。
「体調はいかがですか?」
「はい、大丈夫です、体の重圧感は全くなくなりました」
真理の状態は変わらず、ただ真理の両手の手の平を勇介が見ると翼を開き青白い炎を吐くドラゴンのタトゥーの様な物が輝き天井まで浮かび上がった。
真理が深呼吸を何度かしながら「フォメオ・スタンシ・ス・アイリース・ミーラ・セルジン・ゲイツ・ア・リース・フォーラ・サン・ザ・フォース」と囁くと、浮かび上がったものは真理の体の中に吸収され、一瞬だったが翼を広げる真理の天使のような姿が勇介の瞳に映し出される。
勇介は世界の神々ゼラトウスが真理に予兆能力から前兆能力の開化へと導いたのではないかと感じながら、まだ次元の違う仮想空間の幻想世界にいる事も感じていた。
「真理と美咲の母高子の事や過去の様々な事は現実なのか次元の違う世界なのか」
と勇介は思うと真理の両手首には青白く輝きを放っていた。

その光景を見た勇介は真理を車に乗せ車を走らせ、美咲のいる聖域外の大学病院へ向かう。
大学病院に近づくが聖域外だというのに真理の両手首には青白く輝きは消える事はなかった。
病院へ辿り着くと病院の相談員と看護婦に案内され、病院の廊下を歩き美咲のもとへゆっくりと近づいていく。
美咲のいる隔離室の特別室のドアが開いた。
「真理、おかえりなさい」と美咲は真理に声をかける。
美咲に再会した時、真理の両手首のドラゴンの青白く輝きは消えていた。
両手の手首にドランゴンの青く輝く光は真理の体に吸収され、世界の神々ゼラトウスと真理の心の神ゼウスは真理の魂の中に植えつけられた。
それだけではない、真理は涙を浮かべ微笑む美咲を抱きかかえた時、真理と同じようにドランゴンの青く輝く光が、真理を透し美咲の体にも吸収され魂の中に植えつけられた。
「ごめんね、すぐに会えなくてごめんね、美咲」
次元の違う仮想空間の幻想世界の中で暖かい温もりの中で一時的に真理と美咲は再会を果たし交信する事が出来た。
世界に神々ゼラトウスは、次元の違う仮想空間の幻想世界には、アースガルズが9つの別世界がある事を気付かせ導く為には、勇介と真理が見ていた幻想世界とは異なり別の幻想世界の存在する事、天国ヘブン、地獄バルザの存在する事、アースガルズ、天国ヘブン、地獄バルザの関わりとは何かを勇介と真理は知らなければならない、この時の美咲は全てを知っている。

勇介と真理が見ていた次元の違う仮想空間の幻想世界とは異なり別の幻想世界では、少し出来事の解釈が変わる。

真理と美咲の両肩と手首には、次元の違う仮想空間の幻想世界ではドラゴンの紋様はタトゥーだったが、現実の世界ではドラゴンの絵柄の箱の中にはドラゴンの彫刻のある指輪があった。
真理と美咲が幻想世界の存在と世界の神々ゼラトウスと心の神ゼウスから与えられた感情と能力に気付き、前兆能力の開化によってドラゴンの紋様のタトゥーは消えた。
勇介には首から下げる黄金色のカメロのようなネックレスで蛇のような龍の丸い枠の中には十字架に翼のあるドラゴンの彫刻があった。
未来の先にある次元の違う仮想空間の幻想世界で彫刻されたドラゴンの指輪で、勇介と真理と美咲は深い絆で結ばれ繋がれ離れた場所でも伝心や交信が出来る事になる。

世界の神々ゼラトウスは、勇介と真理に一時的に体や心の全てが安堵するよう一時的な休息を与えられている今現在、美咲は狭い部屋の隔離室で勇介が創り出した狭い大結界の絶対空間の中で8人の結界師に守られ、悪魔のゼブロスの黒魔術の呪いと死神デッドの洗脳と地獄バルサと、美咲と心の神ゼウスとフリーランスの精神科医コナングレードの霊能力と特異的心理学を熟知したセラピストのセレナの魔術師の能力は戦っている現況であった。
勇介と真理は次元の違う仮想空間の幻想世界にはアースガルズの9つの世界の存在を知る事で、美咲の本来の姿を見つめる事が出来る様になる。
そして勇介はの感情と能力は完全開化し、真理の感情と能力は予兆能力から前兆能力として完全開化した。
美咲の次元の違う仮想空間の幻想世界の夢の中での想いは、勇介と真理に美咲の過去からの本当の真実の姿を見せる。
世界の神々ゼラトウスを筆頭に「心の神イエス」「心の神ゼウス」「聖霊ヘルプの能力(選別)」「妖精ハルフの能力(導き)」「天使ピクロスの能力(伝心)」「女神の聖母マリアの能力(保守)」によって勇介と真理と美咲は新たな世界へと導きの道を与えていく。

美咲の次元の違う仮想空間の幻想世界とは異なり別の幻想世界では、勇介と真理の観ていたものとは違い、更に少し出来事の解釈が変わる。

次元の違う仮想空間の幻想世界とはアースガルズ9つの世界だけでなく天国ヘブン、地獄バルサ他にも幻想世界は存在し、世界の人類の創造世界という世界観で創られた世界もあるが、人類の創造世界は文明というものを創り出していたが、伝染病や戦争、氷河期によって滅亡と興隆を繰り返し消えたり突如として「神の悪戯」なのかは解からないが創られたりしていた。

時の刹那い想いは世界の神々世界の神々ゼラトウスによって現実の世界と次元の違う仮想空間を行き来し「真実」を見つめる事が出来るか試される。

18年の歳月を経て美咲は微笑みを浮かべ、真理への強い想いを表わにし真理と美咲は手と手を取り合った。
「まるで、そっくりな翼を広げる天使のようだ」
抱き合う2人を見た勇介は、この2人の絆は決してもう離してはならないと思った。
「いずれ、真理と美咲は自由と解放を求めて出会うはず、そこには強い絆として結ばれるだろう、ドラゴンのリングがその絆を結び付ける事になる」
叔父である神父の若年で神父として選ばれた勇介に伝えた遺言の1つの言葉である。
勇介は、叔父のいうドラゴンとは手に握るドラゴンのリングの事だったのだと思う。
この頃には、美咲は体の手足に抑制される事はなかった。
まるで産まれて数ヶ月の子供のように霞み輝く目をしながら、ゆっくりと起き上がり真理を見つめていた。
美咲は、微笑を浮かべながら両手を真理に向けて伸ばしていた。
自然の太陽の光を浴びる事で母の永眠後、姉の真理を求めていた。
真理は美咲の元へ行き2人は何度も抱き合う。
「ごめんね、美咲」
「真理は、私よりも苦しんだでしょ」
美咲は、真理の頬に手を当てると優しさと温もりと暖かさを感じていた。
優しさと温もりと暖かさを感じると同時に、美咲は自分以上の苦しみを真理は持ち生きてきた事の「運命」を感じていた。
隔離室にいる美咲の心を、真理は心の神ゼウスで、ずっと長きに渡り感じてきた事を話す。
美咲は、ある人類達が真理の苦しみを強く感じるようにしていた事も話す。

真理は自分の頭地を認め、とにかく美咲に謝るしかなかった。
真理の涙を拭く美咲は、まるで背中に大きな羽根を持ち自由に飛んでいる天使のようだ。
しかし、真理には美咲と同じようなものを感じられない勇介は、真理と美咲には同じ能力と別々な能力を持っている事を気付き知る事になる。
勇介には、まだその能力がどのようなものかを知る事はなかった。

その場に一緒にいた、看護婦達と相談員、コナングレードとセレナは「希望」や「奇跡」というものを感じていた。
その看護婦と相談員、コナングレードとセレナに勇介は、隔離室にいた時の美咲の様子を聞いた。
勇介は、美咲はこれまで自分の歯で自傷行為や窓から屋上から飛び降りようと自殺未遂を何十回も繰り返していたと看護婦から聞かされる。
しかし現在は、そういう事もなく、静かな穏やかな生活を送っていた。
しばらくして精神科医は、病室へ入ってくると退院の手続きをするよう看護婦に伝えた。
神父の勇介は叔父夫婦へ携帯で連絡をする。
叔父夫婦は、美咲が入院してから胸が張り裂けそうになる事もあり、不安感で寝込む事もたびたびあったようだ。
この勇介の連絡は、叔父夫婦にとっては救世主のようで不安感から解放され心に安堵を感じていた。
しばらくすると、退院届けを書く事になる。
佐々木美咲は亡き叔父の神父の代わりに同世代の神父の勇介が身元保証人となり、尾形という名字となり真理は叔父の養女として人生を歩む事になった。
美咲は教会にある修道院へ入る事になった。

勇介は、神父の立場で想い心の中で神に祈りを捧げた。
「神」は何故、こんなに残酷な試練を与えるのですか、何故4人の家族を引き裂き苦しみを与え、普通の常識では考えられない能力を与えるのですか、神は常に慈悲の心を与えるはずなのに「なぜですか」神父である勇介は祈る。
「今後、この2人に再び過去の体験以上の残酷なものは与えないで欲しい、苦しみを与えるのなら神父である私が受け取ります」

真理と美咲は隔離室にいたが、一般の個室に移されベッドのわきに2人で座り窓の外を眺めながら、小さな声で2人で同じ事を囁き始める。
美咲は成長が遅れたようだが成人を迎えていたにも関わらず、まるで子供のように「お姉ちゃん」と繰り返し微笑んでいる。
真理も合わせたかのように同じ微笑みを浮かべ、楽しい一時を過ごした。
真理は、神父さんが変わった事を言葉にして勇介を紹介したする。
美咲は、知っていたかのように右手の人差し指を勇介に向けてきた。
勇介は、手に持っていた、ドラゴンのリングを美咲の人差し指に嵌め、真理も美咲と同じようにドラゴンのリングを嵌める。
そのドラゴンのリングを2人が指に嵌めた瞬間、真理と美咲は瞳を見つめあうと声を合わせた様に小さな声で囁き微笑みは絶える事はない。
「フォメオ・ス・タンシス・アイリース・ア・ミーラ・・・」
「フォメオ・スタンシ・ス・アイリース・ア・ミーラ・セルジン・ゲイツア・リース・フォーラ・サン・ザ・フォース」

現実の世界と次元の違う仮想空間を行き来し試された結果は、現実の世界とは違うものの「希望」や「奇跡」によって真実を見つめられると世界の神々ゼラトウスは判断をした。
幻想世界に辿る事がなくとも、現実と次元の違う仮想空間の中で、悪魔ゼブロスの黒魔術の呪いと死神デッドの洗脳と地獄バルサの存在はなく、神への「祈り」「誓い」「崇拝」を心の中に抱き心の神ゼウスが完全に宿っている事を確認をした。

隔離室の美咲の刹那い想いは、勇介と真理に心の安堵と休息を与え現実の世界で真理との再会を望んでいた。

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チューリップス・シスター第25話

2016-11-27 09:19:57 | 小説チューリップス-シスター


チューリップス・シスター第25話 心の安堵と休息

勇介と真理は美咲のいる大学病院へ車を走らせ向かったはずだったが、美咲の囁きによって何処へ向かっているのか解からなくなる。
世界の神々ゼラトウスは次元の仮想空間の幻想世界で過去を振り返させ、幻想世界が現実にあるという事を再確認させるよう導いた。
アースガルズの9つの幻想世界では常に全ての環境が変わり、現実も真実も変わる事を気付かせる為だった。
世界の神々ゼラトウスは美咲に囁くよう導き、聖域内の教会へ向かうように勇介と真理の行き先を変えるようにした。
聖域内の教会へ戻らなければ、現実も真実も変わる事を気付かせる事が出来ない為だった。
それだけではない、世界の神々ゼラトウスは勇介と真理に過去を逆行させ、決して消せる事はない記憶を心の中に植え付け未来の次元の違う仮想空間の幻想世界で、多くの人々を導く為、過去の善と悪の出来事の全てを受け入れ受け止める事、そして世界の神々ゼラトウスに決められた運命を生きながら、現実の世界と次元の違う仮想空間の幻想世界を行き来する繰り返しの中で、一切休息をとる事が出来なかった。
「時の煌子よ、時の聖女よ、焦る事はない、安堵できる空間を与える」
世界の神々ゼラトウスは、勇介と真理に体や心と魂の全てが安堵するよう一時的な休息を与えていた。

勇介と真理は世界の神々ゼラトウスによって導かれ、教会の扉を開けるとロウソクの輝く灯火と輝くステンドガラス、教会内は現実の光景とは違っていた。
「誰が、ロウソクに灯火をしたんだろう、全て消したはずだったのに」と勇介と真理は同じ思いを抱いた。
驚きを隠せない美咲に早く合わせたいと焦りの思いを抱く勇介だったが、その光景を見つめると焦りから冷静さを取り戻し真理は美咲に会いたいという願う思いを心の神ゼウスによって、美咲の囁く声で休息をとるように導かれた。

「時の煌子よ、時の聖女シスターよ、焦る事はない、もう一人の聖女シスターは全ての悪霊と戦いっている、今すぐに会う必要はないのだ、その戦いが終わる時、もう一人の聖女シスターに会えば良い、アースガルズの9つの幻想世界の現実と真実を知らせる為に私はそなたらを導く、椅子に座り眼をつぶり、互いの思いにあるものに祈りを捧げ、未来の運命に覚悟の誓いをたてよ」
世界の神々ゼラトウスから、勇介と真理は導かれる事になる。

世界の神々ゼラトウスは勇介は神父の部屋の彫刻のあるアンティークの椅子へ誘導し、真理は教会の中の椅子へと誘導し導きを始め、同じ幻想世界の中で同じ夢を魅せながら導きを始め、勇介と真理へ心の安堵と休息を与え同じ幻想世界の中で同じ夢を魅せながら導きを始める。

今は亡き神父の勇介の叔父はアンティークで彫刻(サンジェットというサイン)のある椅子に座り、離脱解離能力、霊能力だけであったが、後を受け継いだ後継者の神父の勇介が座ると全ての特異的能力で真理を導き始める。
勇介には伝道師、結界師、錬金術師、祈祷師、魔術師としての役割と、「聖霊ヘルプの能力(選別)」「妖精ハルフの能力(導き)」「天使ピクロスの能力(伝心)」「女神の聖母マリアの能力(保守)」の能力も前兆の能力として完全開化、離脱解離能力、霊能力、角と翼のあるフェニックスの戦闘能力をコントロールする能力は完全開化していた。
世界の神々ゼラトウスは勇介と真理に過去を逆行させ、決して消せる事はない記憶を心の中に植え付ける事から導きは始まる。

幼き頃の真理は青空の海原で美咲は森の中の湖で地下にある水脈で繋がっていたが、真理は叔父夫婦に引き取られ美咲は修道院の施設で生活をしていた。
勇介の叔父は神父として真理と美咲を悪霊から守る為に、双子の姉妹の特異稀な能力を気付くと一時的に離れ離れにし、神父の叔父は自分の寿命を短くし犠牲にして役割を果たしていた。

勇介と真理は世界の神々ゼラトウスの導きによって休息を得る事はなく、導かれるまま一本の進む道を真っ直ぐに走り続けながら、特異的な能力者として、聖霊ヘルプ・妖精ハルフ・天使ピクロスに選ばれ、予兆の潜在感情と潜在能力を持つ事によって苦痛哀愁の中で耐え忍びながら生きて来た。

勇介は真理と美咲を守る為の能力の開化と真理と美咲の予兆の能力の開化の為に運命の道を歩き生き、真理は素直に正直に生きる事が出来ず、常に罪の意識を抱きながら先の見えない霧の中で苦しむ運命の道を歩き生き、美咲は真理とは正反対で自分の感情と能力に気付き「死の覚悟」「復讐は正義」という感情を世界の神々ゼラトウスの導きによって植えつけられ、導かれる美咲は自分の役割を果たす事で「善悪」いう感覚はなく自由に生きていたが、未来の次元の違う仮想空間の幻想世界を創造し、特異的な能力を持つ者達にメッセージを送っていたのかもしれない。

勇介と真理は過去を振り返るが、隔離室の美咲も同じように過去を振り返っていた。
5人の精神科医の失踪か自殺か事件か失踪か、先入観を持つ警察官達の運命は世界の神々ゼラトウスによって導かれた事で真理と美咲とは関わりは薄い。
しかし、父母と銀行員の山口四郎の未解決事件は真理の苦痛と美咲の復讐に関わりは強い感情として持っていた。
大学病院の精神科に入院している美咲は真理の夢の絵や自然の風景や花の絵を描きながら、予兆の能力と感情、怒り、憎悪、復讐心で自然の天候を操り、聖域外の大学病院を中心に周辺地域で暴風雨、暴風雪、雷、地震、停電、津波を起こしていた。
そして、大学病院内で罪なき苦しみの中で2人の犠牲者を出してしまう。
救命病棟にいた手術後に酸素吸入をしている患者は窒息死、人工呼吸器を使用していた患者は人工呼吸器のスイッチが入らず窒息死で命を奪われた事で真理の心に罪悪感という傷を負ってしまった。

本当の美咲が求めるものは悪霊から悟られず、真理の心の神ゼウスから新たに与えられた予兆能力と同様の特異的な予兆能力であった。
「聖霊ヘルプの能力(選別)」「妖精ハルフの能力(導き)」「天使ピクロスの能力(伝心)」「女神の聖母マリアの能力(保守)」は、すでに世界の神々ゼラトウスによって真理の心に与えられていた。
狭い隔離室に移り勇介によって創られた大結界の絶対世界の中で、「聖霊ヘルプの能力」「妖精ハルフの能力」「天使ピクロスの能力」「女神の聖母マリアの能力」が美咲の心にも与えられる。
美咲の心の神ゼウスが与えた能力と感情は「怒り、憎悪、復讐、苦痛、悲痛の明暗」だけであったが、真理の心の神ゼウスが与えた能力と感情の「憂い、歓喜、慈悲、哀愁、陰陽」の能力と感情を美咲にも与える事になる。
世界の神々ゼラトウスは新たな未来の幻想世界に「興隆」「豊富」「自己犠牲」「信仰心」「慈悲」「自由」「平等」「平和」を望んだ為である。

美咲が描いていた絵画を見れば真実として理解出来ると、心の神ゼウスは勇介の心と魂へ伝えた為、これから出会う人達と過去の未解決事件の真相を探る。

勇介は、真理と美咲の関係や繋がりを美咲の描いた「炎の夢」「太陽の夢」「水が流れる夢」の3つ絵を見た事で未解決事件との関わりを感じとっていた。コナングレード持っているスケッチブックには、美咲の観る夢は何も使わず大結界の絶対世界の中から「画像転送」という手段で描かれていた。
そして、美咲が夢の中で描いた絵には続きがあった。
「海原の夢」「湖の夢」「地下水脈の夢」「森の中の夢」「天候を操る夢(暴風雨、雷、雷雨、地震、旋風、竜巻、停電、火災、津波)」「幻想世界の夢」「未来予知する夢」

勇介は真理と美咲が、これからの進むべき道は、どうすべきかを考え真理と美咲の運命を すべき方向へと導いていく。
しかし、時が経つ事に
更に「希望の夢」「勇気の夢」「信頼の夢」「虹の世界の夢」「オーロラの世界の夢」「永遠の夢」「目覚めの夢」「眠りの夢」「栄誉の夢」「繁栄の夢」「愛情の夢」「興隆の夢」「交流の夢」「合流の夢」「陸海空の世界の夢」「自由に生きる夢」「豊富の世界の夢」「平等な世界の夢」「平和を誓う夢」「自己犠牲の夢」「信仰心の夢」「慈悲の夢」など多くの同じタイトル全てで数百枚もの美咲が描いた夢の絵画があった。
美咲が夢で描いた絵画は、美咲自らが悪魔のゼブロスの黒魔術の呪いと死神デッドの洗脳による地獄バルザへの誘導から避けるものだった。

世界の神々ゼラトウスが勇介に与えた心の中にある感情は「自己犠牲」「信仰心」「慈悲」などが中心であり、人類が抱く感情全てである。

「魔性世界の魔物や黒魔術の呪いの邪悪で邪念の邪気は消えてしまえ」真理の言葉。
「私の邪魔をしないで、邪悪な邪気は消えてしまえ」美咲の言葉。
真理と美咲の心の神ゼウスによって双子の心の中の魂での叫び声、常に抱いている言葉である。

勇介と真理は幻想世界の中で同じ時に同じ夢を見て、同時に深い眠りから目覚めると今まで抱いていた重圧感いうものが無くなり不思議な感覚で、勇介は教会にいる真理のもとへ向かい合うと勇介は真理の隣に座り、言葉はなく静かに目の前にある十字架を見つめていた。
女神の聖母マリア像の姿を観ると幻想なのか、天使の翼が広がり羽ばたくように勇介と真理は一瞬だけ見えていた。
世界の神々ゼラトウスが勇介と真理に感情や特異的能力を受け止めた証であり、過去の出来事が記憶としては残されず、魂心の中に刻まれた証でもあった。

重圧感から解放されつつ勇介と真理は、再び現実の世界と次元の仮想空間の幻想世界アースガルズ9つの世界を行き来する。

真理と美咲の母、佐々木高子の遺書には、当時37歳山口四郎氏に何度も融資を断られ、家族崩壊の原因は山口四郎に何度も断られる事によって怨み苦痛から殺害したと書かれていた。
警察は怨みによる犯行、そして自殺したと考え捜査を終了した。

チューリップの球根を植え替えたのは、特に警察では問題にしてはいなかったが、真理と美咲の母高子が植え替えてから自殺されたのだと思われていた。
遺書の中には、真理と美咲宛に1通の手紙もあった。
「真理、美咲、もう大きくなったでしょうね。成人式はどうでしたか、今でも、元気でいますか、
駄目なお母さんでごめんなさい、いい人を見つけて幸せになってくださいね、私は、星になって別な世界で2人を見守っています」
そして最後には許して欲しいという内容が書かれていた。
母の犯罪は、本当に怨みや苦痛だけであったのだろうか。
山本刑事は、母の高子は知人をまわり歩き、薬を集めていた事を付き止めていたと勇介だけに明かした。
過剰な睡眠薬服用の自殺だったのだろうか。
山本刑事は、美咲の絵の存在が大きかった事を知っていたが、捜査には関係ないとされた事も勇介に話す。
勇介は警察署にあった2枚の絵を持ち帰り、山本刑事の言われた知人宅周辺をまわった。
驚いた事と言えば、勇介は美咲の絵の風景を見つけていたのである。
「美咲は、母の見るものを絵画に、美咲は全て画像転送の絵画で残していたのだろう」と勇介は思った。
美咲の母への思いが、画像転送の絵画という形で表現されていた事を勇介は感じたが気になる事があった。
今後、母の思いが真理と美咲に、何かを働きかけるかもしれない、何かに誘導されるかもしれない。
母は失踪後殺人を起こし自殺をしたという事は「自殺は闇」すなわち地獄バルサへ落ちている事だと思うが、感じているものでは地獄のバルサではなく、次元の違う仮想空間の可能性を考えていた。
勇介は、いたためられない気持ちになったが聖霊の能力の選別で、もしかすると高子の魂は天国ヘブン地獄バルサではなく、アースガルズ9つの世界の中ではないかという感覚があった。
母の真理や美咲への思いが「闇」の力を強くするのではないかとも勇介は感じていた。
しかし、今は見守る事しか出来ない、何が出来るとすれば真理と美咲の再会、そして世界の神々ゼラトウスと心の神ゼウスへ祈りを捧げ神に与えられた能力での役割を誓うだけである。

勇介と真理は、再び現実の世界と次元の仮想空間の幻想世界アースガルズ9つの世界を行き来しながら、本当の真実を徐々に知る事によって体と心の安堵と休息を与えられていく。
そして、今この時の美咲の能力とコナングレードの霊能力とセレナの魔術師の能力が何をしているのかを知る事にもなる。

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チューリップス・シスター第24話

2016-11-11 09:18:32 | 小説チューリップス-シスター


チューリップス・シスター第24話 隔離室の美咲

「時の煌子よ、魔性世界の黒魔術が動き出す、死神デッドが呪いを持ち美咲に近づいている、その時が来ている全ての能力で導くのだ」
世界の神々ゼラトウスは心の神ゼウスを透さず、直接的に勇介には伝令ではなく指令を出した。
時の煌子とは未来には祈祷師エクソシストとなり、直接的に世界の神々ゼラトウスから伝令や導きの指令を受け取る事が出来る。
次元の違う仮想空間の世界では、祈祷師エクソシストの姿は見えない、声だけであらゆるものを導いていく。
大学病院にいる全てを任されたフリーランスの精神科医コナングレードとセラピスト(セレナ)に美咲は見守られ、勇介が創り出し8人の結界師に守られていた大結界の絶対世界に「ヒビ」が、徐々に美咲は眠りについていたが稀に目覚める事で、悪魔ゼブロス・地獄ヘル・死神デッドによって拡がっていく事が確信に至った為、フリーランスの精神科医コナングレードとセラピスト(セレナ)は病院側の精神科医の許可をとり、10畳ほどの部屋から一般病棟の畳み2枚程4畳の個室の隔離室に美咲を移動させた。

10畳ほどの部屋では広すぎて「ヒビ」が徐々に悪魔ゼブロスの黒魔術・地獄ヘル・死神デッドによる呪いによって拡がっていく為、美咲は4畳ほどの隔離室に移動し、離れた場所から勇介はフリーランスの精神科医コナングレードの霊能力とセラピスト(セレナ)の魔術能力に伝令し、新たな大結界の絶対空間を強化し創り出す。

現実の世界と次元の違う仮想空間の幻想世界を行き来している中では、殺人容疑をかけられた真理は事情聴取のため警察署へ連行された。
真理は、事情聴取を受けるが全ての質問に答える事はなかった。
この時、真理は過去の自分や過去の美咲の姿を心の中で映し出し、父直継や母高子への思いを薄っすらと思い出していた。
警察署での事情聴取の質問や声などは、真理の耳には全く入る事も聞こえてはいない。
真理は、入院している美咲のようになっていく、顔を上げる事なく小さな声で何かを囁き始める。
警察署の取調室で両手を広げ手のひらをじっと見つめるだけであった。
先入観を持たない警察官達は、母高子の死を目の前にした精神的に受けたショック状態が真理に行動にさせているのだと思っていた。
しばらく、時間をおいてから聴取をとろうと警察官達は考えていた。
勇介は警察へ出向き、これまでの真理について話し勇介の真理の過去の話をしてから、すぐに釈放された。
真理は、いつもの通り大学へ講義を受けに行くが、悪魔ゼブロスの黒魔術・地獄ヘル・死神デッドによる呪いによって今までの真理ではなかった。

その頃の美咲は母高子が亡くなる日まで病院内で自傷行為や自殺未遂を繰り返していたのか?
美咲は自傷行為や自殺未遂によって、美咲の手首足は傷だらけ心の神ゼウスからの導きはなったのか?

世界の神々ゼラトウスは勇介とフリーランスの精神科医コナングレードとセラピスト(セレナ)や真理と美咲を次元の違う仮想空間の幻想世界に送った。

10畳の部屋から移動した隔離室4畳半程の隔離室で神父の勇介は大結界の絶対空間を創る、
10畳ほどの部屋では広すぎて結界が破壊される可能性をを示唆していた。
勇介の霊能力とフリーランスの精神科医のコナン・グレードの霊能力とセラピストのセレナ霊能力と交信し話し合いをする。

「時の女神の聖女シスターよ、魔性の魔物と悪魔と死神、地獄の世界を現実の世界に誘導し、聖霊ヘルプ選別の能力と妖精ハルフの導きの能力によって真実の元、明らかにせよ、現実にある真実は1つだが、現実の元に明らかにするのは、後の幻想世界に祈祷師エクソシストと魔術師(シャーマン) ビショップ達を誘導転送する事が出来る」
大学病院の精神科で狭い隔離室の中にいる美咲の心の神ゼウスを透さず、勇介と同様に直接的に接し世界の神々ゼラトウスは美咲に指令を出した。

「美咲の死の覚悟」とは「怒り、憎悪、復讐は正義」という感情で、世界の神々ゼラトウスが美咲の運命に覚悟を与えたものだった。
悪魔ゼブロスの黒魔術と死神デッドと地獄バルザによる魔性世界の魔物や呪いの邪悪で邪念の邪気を、眼に見えない次元の違う仮想空間の幻想世界の中で漂うものを、感覚として感じさせる現実の世界に明らかにし誘導する為だった。
心の神イエスは現実の世界に存在し、現実の世界で生きる人類達全てに「信仰心の眼」「先入観」「固定観念」のない世界観と価値観を伝え導き知らせる為でもあった。
心の神イエスと心の神ゼウスの違いは、神イエスの役割は現実の世界にあり人類の「身体」の生命を守り、心の神ゼウスは現実の世界と次元の違う仮想空間の幻想世界を行き来しながら、
聖霊ヘルプに選別された人類の「永遠にある魂」を導く役割があるという違いである。

本当の美咲が求めるものは悪霊から悟られず、真理の心の神ゼウスから新たに与えられた予兆能力と同様の特異的な予兆能力であった。
「聖霊ヘルプの能力(選別)」「妖精ハルフの能力(導き)」「天使ピクロスの能力(伝心)」「女神の聖母マリアの能力(保守)」は、すでに世界の神々ゼラトウスによって真理の心に与えられていた。
狭い隔離室に移り勇介によって創られた大結界の絶対世界の中で「聖霊ヘルプの能力」「妖精ハルフの能力」「天使ピクロスの能力」「女神の聖母マリアの能力」が美咲の心にも与えられる。
美咲の心の神ゼウスが与えた能力と感情は「怒り、憎悪、復讐、苦痛、悲痛の明暗」だけであったが、真理の心の神ゼウスが与えた能力と感情の「憂い、歓喜、慈悲、哀愁、陰陽」の能力と感情を美咲にも与える事になる。
世界の神々ゼラトウスは新たな未来の幻想世界に「興隆」「豊富」「自己犠牲」「信仰心」「慈悲」「自由」「平等」「平和」を望んだ感情も与えられる。

美咲は悪魔ゼブロスと死神デッドの思うがままに動かし、次元の違う仮想空間の幻想世界での中で自分自身を悟られないようにしながら、悪魔ゼブロスと死神バルザが思い込む様に「死の覚悟」の思いで自らを傷つけるような姿を見せていた。
そして、世界の神々ゼラトウスから与えられた「死の覚悟」によって、大結界の絶対世界の中で美咲自身は脳と体の全てにシールドを張る事が出来た。
悪魔ゼブロスと死神デッドは美咲を地獄バルザへ送ろうとしていたが、地獄バルザに誘導する黒魔術の呪いとマインドコントロールから逃れる術を世界の神々ゼラトウスと心の神ゼウスから与えられていた。
悪魔ゼブロスと死神デッドを次元の違う仮想空間の幻想世界から現実の世界に誘導していく。

この時、次元の違う仮想空間の幻想世界の中で、勇介に予知能力と透視能力の他に、聖霊の能力、妖精の能力、天国の能力、女神の聖母マリアの能力、
聖地や聖域、聖域外(次元の違う仮想空間の幻想世界)で角と翼のあるフェニックスをコントロール出来る能力が更に強い能力で与えられた。

「時の煌子よ、美咲の死の覚悟によって悪魔ゼブロスの黒魔術は死神デッドを動かし黒魔術の呪いと洗脳が動きはじめている、
時の女神の聖女シスターを地獄バルザに誘導しようとしている、この時を逃してはならない、ビショップ達に真実を伝えよ、魔性世界の魔物や呪いの邪悪で邪念の邪気、悪魔ゼブロスと死神デッドと地獄バルザの世界を現実の世界の元に明らかにせよ、その後多くのビショップを探すのだ、ビショップらと共に時の煌子は一心同体である、現実の世界に悪霊の世界を明らかにした後、幻想世界に誘導し戦いは始まる」
世界の神々ゼラトウスは、勇介達の持つ特異的能力の全てを強固なものにする為に直接的に勇介と真理と美咲を導びきながら、
真理は勇介の抱く感情と能力の中にある女神の聖母マリアの暖かく包み込むシールドの能力と角と翼のあるフェニックスの戦闘能力と共に歩いて行く事になる。

「時の煌子と従者達よ、我々は、そなた達を我々の世界で常に見ている、いつか我々と会う時が来る、しかし能力を高め戦いに望む覚悟を持つ事を誓え」
雲の上の天空なのか解からないが、勇介とその従者達の心に響く声と室外では鐘の音が聞こえていた。
そして、勇介、フリーランスの精神科医のコナン・グレード、セラピストのセレナ、7人の刑事達の従者ビショップ(シャーマン)達は誓いを立てる。

「時の女神の聖女シスター達よ、目覚めよ、聖霊ヘルプの能力(選別)妖精ハルフの能力(導き)天使ピクロスの能力(伝心)女神の聖母マリアの能力(保守)を与える、未来の世界の現実の世界と次元の違う仮想空間の幻想世界の中で羽ばたくのだ」
世界の神々ゼラトウスは、心の神ゼウスを透し時の女神となる真理と美咲の予兆能力から変化する前兆能力へ伝えた。
しかし、すぐには真理と美咲は気づく事はないが、少しずつ時の流れが心に刻まれ「運命」というものを感じ気付いていく様になる。
時の流れはフリーランスの精神科医コナングレードの霊能力とセラピストのセレナの魔術師の能力で心に刻まれ、勇介の祈祷師の能力で導かれていく。
フリーランスの精神科医コナングレードと魔術師の能力を持つセラピストのセレナは勇介と出会い、真理と美咲の幼き頃から勇介の従者ビショップの役割を果たしていた唯一の従者シャーマンである。

世界の神々ゼラトウスは指令を出し終わると勇介とフリーランスの精神科医コナングレードとセラピスト(セレナ)や真理と美咲を現実の世界に戻した。

美咲は、一般の病室から畳み2畳程の狭い隔離室に移され、全く絵を描く事はなく隔離室の美咲は手足や腹部を抑制されていた。
食事の際は抑制されたままベッドをギャッジアップされ、看護師資格を持ち魔術師の能力を持つセレナの介助によって摂取され排泄はセレナが抑制帯を外し介助していた。
美咲の状態は、コナン・グレードから勇介に連絡されていた。
勇介は、今自分が出来る事を考え始める。
今、勇介が出来る事は、真理の状態と美咲の隔離室での状態を考えると、早く真理と美咲の2人を会わせる事であった。
そして、真理と美咲が双子の姉妹であるという事を感じさせ導かねばならないと考える。
勇介は、コナン・グレードとも連絡を取り合い、その日程を決めた。

勇介は、叔父の神父の手紙の内容を思い出していた。
叔父の神父の霊能力は、真理と美咲を「闇(悪魔ゼブロスの黒魔術は死神デッドを動かし黒魔術の呪いと洗脳)」から守る為には、2人を引き離す事が第一の手段とし見守る事を考え実行した。

「時間が過ぎる事に、徐々に真理と美咲の隠された能力が生まれてくる、どのくらいの時間がかかるかは解からないが、その間、真理と美咲は父の自殺や母の失踪により苦しみの中にいる、その苦しみは、苦痛を伴い、能力が開化するするのを遅らせてしまう事がある、神父として出来る事は、祈りを捧げ出来る限り、その苦しみを弱める事が必要になるだろう。
いずれ「闇」の力も働きかけられ自分を見失う事もあるだろう、私の心の神と聖霊の元、私は祈りと魂を捧げ誓います」
勇介の叔父の神父は、真理と美咲を守る為に自分の寿命を短くし祈りを捧げ、本来の寿命よりも早く現実の世界を去る事になった。
亡き叔父の神父は、世界の神々ゼラトウスに誓いをし、聖霊の選別の能力で勇介に会う事なくアースガルズの世界の神父として魂は導かれた。

「真理と美咲の苦しみは、苦痛と悲痛を伴う事もあるだろう。「闇」から守る為には、勇介の叔父は神父としての新たな能力を持ち、真理と美咲を繋ぎ結びつける事をしなければならなかった。結びつけるタイミングは、神父としての勇介の判断によるものとなる。その時が来た時は、早く真理と美咲を繋ぎ結びつけるようにして欲しい。結びつける事こそが真理と美咲を「闇」から守る事になる。そして、もし2人の能力が働き始める時、真理と美咲は、その能力を制御できるかどうかわからない。制御できるよう、神父としての若き神父の勇介へ、君の能力で働きかけ導いてもらいたい」
勇介が神父の叔父からの遺言を読んでいると、更に新たに遺言の書の内容が浮かび上がった。

勇介は、今の時が、2人を結びつける時であると判断した。
母の死後、大学病院の精神科で美咲がとった行動は、光のシャワーを浴びるかのように窓から差し込む光に顔を向けていた。
美咲は、自傷行為、自殺未遂もなくなり、祈りを捧げるかのように窓から差し込む光りに手を伸ばしていた。
警察署では、銀行員男性山本四郎未解決の殺人事件は、真理と美咲の母の犯行で、犯行後「自殺」と判断していた。
しかし叔父と母高子の2通の封筒からの双子の母親の佐々木高子の指紋と、山口四郎殺害に使用されたナイフからの指紋が一致していたが、残された遺言の内容から母高子と真理は無関係と判断されたのである。
神父の勇介は、世界の神々ゼラトウスは物的証拠があるも母高子の遺言で、事件は未解決そして事情聴取した記録は消え、母高子は聖霊ヘルプの能力(選別)と妖精ハルフの能力(導き)や天使ピクロスの能力(伝心)で、次元の違う仮想空間の幻想世界のアースガルズの世界に母高子の魂が導かれたのかもしれない。

真理と美咲は心を閉ざしてしまっていた事を、勇介は感じとっていた。
勇介は、真理と美咲を会わせなければならないと考えた。
真理は、以前の瞳の輝きがなくなってしまった。
何かが乗り移ったかのように、表情は「死」を求めてるかのようだった。
勇介は、真理に早く美咲に会う事をすすめ、車を走らせ美咲のいる病院へ向かった。
車両の中で、真理の顔は下向きになり、小さな声で歌かは解からないが何かを囁き始めた、昔の美咲の行動と同じである。
勇介は真理と美咲は今のタイミングで共鳴をしているのではないかと思い始める。
勇介と真理の脳裏を過ぎり、美咲の声が耳元で囁き始めた。
「フォメオ・ス・タンシス・アイリース・ア・ミーラ、私は待っています、本当の真理に戻って、早く会いたい」


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