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セイネンキレジェンド7話

2024-01-29 07:38:20 | 小説セイネンキレジェンド


試合に出場する事が決まってからは毎朝早朝10kmのマラソンをした後ジムに入り練習をする。直也が孤独との戦いが本格的に始まった時だった。早朝マラソンは2学期が始まってからも続ける事になり学校が終わると真っ直ぐに学校からジムへ直行する。ボクシングジムでは直也を含め6人が通っていた。直也よりも年上で無口のプロボクサーを目指す学生達だった。直也の学校からジムへ直行し通うものはいなかった。優子はいつもジムのベンチに座っていたが仲間達に知られる事はなく直也は練習を続ける。本格的にボクシングを始めると毎日のようにリングに上がりコーチとのスパーリングがおこなわれた。直也がボクシングジムに通い始めて1カ月を過ぎた。
「ジャブ、ジャブ、ジャブ、フック、ボディーボディーボディー」
コーチの声も大きくなり、そして早口になっていく。何という速さだろうか?直也は限界を越えようとしている。コーチは限界を超えさせまいとしていたのだが直也は自分の限界というよりは心の中で何かを守りたいという思いがあったのかもしれない。しかし直也がスパ―リングの時にはサンバのBGMが響いていた。早朝マラソンではサンバの曲を聴きながらだった。直也はサンバの音楽のリズムから自分の動き方を学んでいたようだ。直也にサンバのカセットテープを渡したのは会長であるが直也が良く座るベンチに置いておいただけである。直也が自分を見つけられるようさりげなく。そして直也の能力を試していたのかもしれない。会長は直也に言葉をかける事なく自分で見つける事を学ばせた。ジムに通うプロボクサーを目指す学生達は練習の手足を止めリングを見つめる事もあった。「こんなの普通の練習じゃない!試合と一緒だ!」
年上のボクシングジムの訓練生の誰もが思っていただろう。しかし直也の身体能力の基礎は出来ていた。水泳部の練習だけではなく幼き頃から海ではサーフィンを山遊びや川遊びで自然の中で直也の基礎は身につけられていた。
これは父や母が同じ体験をしていたからかもしれない。日に日に直也は限界を越えながらコーチは直也の思いを受け入れ強い言葉で接していた。優子はベンチに座る事を忘れリング下で見るようになっていたが時々涙を見せるようになっていた。優子の涙は直也が泣く事が出来ない代わりに泣いていたのかもしれない。9月下旬にはボクシング試合の日時と場所と条件が決められた。



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