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セイネンキレジェンド9話

2024-02-21 07:04:44 | 小説セイネンキレジェンド


そして時は早くも中学生市町村ボクシングトーナメント当日となる。
日時場所は11月月22日で時間は10時から11時30分で場所は○○市体育館の控室は公民館2階の一号室と二号室となった。中学生市町村ボクシングトーナメントは16名で控室には8名ずつだった。直也は選手を見ても知らない顔ばかりだった。体重の計量時間は9時からとなり16名の出場が決まった。直也は計量が終わるとすぐに控室へ戻る事はなかった。「少し走って来るから」と直也は優子や工藤康志と会長やコーチに言って遮断機の無い久美子が亡くなった場所へと向かっていた。会長やコーチや優子は何も声をかける事もなく直也の言葉に頷くだけだった。直也以外の選手は控室で軽く運動を始めると同室者は凄い熱気に包まれているように感じる優子だった。
直也は遮断機のない踏み切りを見つめ久美子を思い出しドリームキャッチャーを握しめる。なあ久美子お前はどうして消えちまったんだ?と何度も勝手に踏切に向かって直也は心の中で叫んでいた。もう答えてはもらえないと思いつつも真実を知りたかった直也でもある。
「直兄ちゃん、いつもありがとう、そしてごめんなさい」
何度も叫んだ事で直也に心の中で久美子の声が聞こえていたのかもしれない。一瞬の時間だったのかもしれない。その時間は踏切を見つめる直也には時計が止まったようで長い時間であったのかもしれない。直也は踏み切りの前にある駐輪場で座り久美子の話を聞いているようだった。
「誰よりも先に直兄ちゃんに出会いと別れをしたのは恐らくきっと私でしょうね」久美子が生まれた当時には直兄ちゃんは3才で家は隣同士で仕事の都合で隣りに行き来していた。記憶には無いのですが同じ布団に寝かされていた事があったと直兄ちゃんのお母さんは言っていました。そんな頃から出会えるとは思いもよりませんでした。久美子は一緒にいる事が当たり前のように思っていました。直兄ちゃんは保育園に行きましたが久美子は幼稚園に入りました。幼い頃は毎日お隣同士の行き来はありました。久美子の幼い時の記憶は確かではない。夏場にビニールで作られた空気を入れるプール。直兄ちゃんと一緒に入った写真が残されていました。とても嬉しかったです。小学校に入ると低学年でも子ども会によって強制ではなく任意のはずでしたが男の子は強制的に町内のソフトボールチームに参加するのです。学校が終わると直兄ちゃんは毎日のように練習をしていました。久美子は小学校の平行棒に寄りかかりながら直兄ちゃんをいつも見ていました。どうしてか久美子にもわかりません。直兄ちゃんとお友達は、いつも駄菓子屋を溜まり場にしていました。久美子の姿をみるとクーコと呼んでくれて、お仲間に入れてくれました。低学年時期いつも一緒にいる時は直兄ちゃんに守られているような気がして、すごく安心していました。
直也の心に残される久美子の声だった。


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