高校3年生の直也は日々アルバイトで学校では授業中に寝て仲間達と溜まり場で遊びます。同じ行動をする日々が繰り返し卒業まじかになって2度目の三者面談が行われます。仲間のうち実家の近くの同級生達は進学を選んでいたが直也は就職すると強く要望しました。母は直也の強い言葉で何も言えなくなり教師も何も言えなかった。
「母かん、ごめん俺はどうしてもやってみたい事があるんだ、だから最後のお願い聞いてほしい」
教師は何をしたいかを聞いてきたが卒業してから決めると直也は言います。そんな事では意味がないぞと教師は言葉を返してきたが直也は就職をする事を変える気持ちはありません。直也の実の母親の大島亜也は今まで自由にしすぎたのか、それとも直也が見つけたものがあるのか聞きたくても聞けなかったのです。それは叔父や叔母の話があったからです。高校3年生の1年間何度も電話で直也の養子縁組を考えて欲しいと叔父と叔母は実の両親は話し合ってきたのです。直也の仲間達は進学組と就職組や家の後継ぎとに別れていました。強く要望した直也の言葉の背景には紀華や真一と典子の事があったのです。真一は典子の焼肉店で共に働き紀華の進路は決まっていなかった。紀華は直也がラーメン店にいれば一緒に働けると思っていて紀華の存在を最優先したのです。
「直也、紀華さんと何かあるの?あんたの事だから自分では言わないと思うけど何かあるのね」
実の母親の大島亜也は直也の思いを感じて好きに生きて行きなさいというと何も言う事はなかった。直也の真っ直ぐ見つめる瞳の中には紀華の存在を強く実母は感じとっていたのです。叔父と叔母からの養子縁組では紀華の存在は運命的なものかもしれないと実母は思うようになります。直也の進路については教師は進路希望の書く欄に「就職」と書きます。教師としては成績も悪くもないし進学を望んでいたが直也の強い要望で就職としたのです。そして養子縁組については直也の両親から話を聞く直也です。直也が卒業してからは養子縁組によって春樹の両親の元で暮らす叔父と叔母を義理の両親としてラーメン店で働く事になります。3年後の直也は調理師免許を取得し紀華は管理栄養士の資格を取得します。ラーメン店「どんどん屋」の後継ぎとなり紀華は叔母と仲良く常連客さんに笑顔で声をかけていきます。
「ラーメン餃子、飯大盛り、学生さんは学割だよ」
直也がいた時代は自分がまず仲間を作り仲間達も他に仲間を作り多くの仲間達はそれぞれの道を歩き始めます。社会に出た時に大きな壁にぶつかった時は人間関係に悩んだ時には大学生は授業についていけなくなった時は高校時代に戻るかのように懐かしくタイムスリップしながら自分が変わらないように離れていても必ず直也のラーメン店や典子や真一のいる焼肉店、学校近くの喫茶店に必ず寄っていくのです。直也達が高校生であった頃には「直也と春樹」の話は各学校で受け継がれて行く事になります。受け継げられる責任を独り直也は感じていたながらラーメンを作り後輩達の相談話にものります。叔父が直也の仲間達の相談を聞くように。常に仲間がいて必ず「紀華」がそばにいるこの街で「伝説」いや大きく膨らんだ噂話を作ってしまった責任を果たして行くのです。直也の3年間は言葉だけではなく行動で示す事を直也は仲間達に何かを伝えていたのかもしれません。当時の学生達の争いに関わった教師達は真実を知っていたが大きく膨らんだ噂を聞いても間違いだと言う事はいえなかった。その噂で各高校の争いが無くなればいいという考えであったのでしょう。時代が過ぎると共に伝説の噂も沈静化すると各高校は進学校として各中学校へ宣伝をはじめた。彼らが高校を卒業し3年間程はその伝説の噂で各高校とも静かなものであった。その後の学生達にはそれほど噂が流れる事はなく伝説を話す学生達も減少していきます。そして直也の役割は終わりに近づきます。直也と春樹を知る学生達は心に深くその伝説をしまいこみ辛くなると街に帰ってくる。その街には直也と真一がいたからです。4つの高校へ入学してくる学生達は進学を望み勉学に励んだという話もあります。しかし勉強は出来るが道徳のなさには教師達の悩みの種になっていくのです。教師達が問題を起こした学生を叱れば両親や母親が学校へと足を向けてくるペアレントモンスター達がいます。子供の事で親は学校へ来ては子供を擁護するような事ばかりで直也達が居た時のように叱る事も出来なくなっていきます。直也達がいた時期は学生同志で何でも解決策を考えていた、親も子供を叱れた時代であったが時代と共に変わっていく。勉強が出来るがその反面には悪知恵が働き親を利用し生きている学生達が増え続け自分の意志を持つ事も無いそんな学生達ばかりになるのです。これは大人社会が勝手に作り上げた社会の一つになろう。今や本当に生徒と向き合える教師達はどのくらいいるのでしょうか。教師達の多くは精神疾患うつ病や他の精神疾患を抱えているといいます。本当に子供をしっかりと見つめられる両親はいるのでしょうか。この世の中で本当に大切なものを見つけられる若者はどのくらい居るのでしょうか。両親の過保護によって敷かれたレールを歩く学生達に何を与えようとしてるのでしょう。本当の自分の意志そして勇気や希望を与えられる大人達は、どのくらいいるのでしょう。残念な事に世の中が薄れていくように感じます。青少年時期にあの踏み切りで追い詰められた久美子は自殺したんだと直也は思います。しばらくして実父母の自宅へ直也は足を向け元気な姿を見せに行った。しかし元実家の隣に久美子がいた家はなく砂利が敷かれ駐車場になっていたのです。何故かと話を実母に聞くと直也が家を離れてから殺人事件として再捜査があったという事のようです。小さいお婆さんは養護施設へ両親の父親は刑務所へ母親は役場の仕事を止め行方がわからなくなります。久美子の兄弟も何処かへ行ったのか。直也はホッとした気持ちを持つ事が出来たのです。ずっと心の奥の中ではどうしても引き出す事の出来ない悪夢の部屋。直也にとって胸の内にあったものが解決されます。「まさか、お婆さんと久美子ちゃんがね」実の父は黙ったまま実の母は直也に一言を残し2泊3日泊しただけで義理の両親の元へ直也と紀華は帰っていきます。駅までの帰り道で遠回りしてあの踏み切りの場所へ行くとチェーンで立ち入り禁止の看板だったのがフェンスで仕切られ渡る事は出来なくなっていた。しかし地元の誰かがフェンスに「ドリームキャッチャー」を縛りつけていた。フェンスにも看板がかけられ「いたずら禁止!見付けしだい一万円の罰金」と書かれていた。
ドリームキャッチャー第2弾次回は最終話となります。
最終話後は次回投稿からは「セイネンキレジェンド」の更新します
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