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第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー55話

2023-08-28 08:50:31 | 第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー


紀華は直也の部屋で住み込みでアルバイトをしながら暮らします。叔父や叔母とも仲良くなり家族のようになっていくのです。家族の良いところ悪いところ紀華は感じるようになると自然と笑顔が作れるようになります。いつもなら直也が手伝っていたが直也がいない時には紀華は鏡の前で自分で人差し指を頬に当てながら笑顔を作る練習をしていたのです。紀華は直也の指で触れられる感覚がとても好きだった。直也と暮らすなら笑顔を自分で作る努力をすようになります。高校2年の夏休みが終わると行事と言えば授業の合間と授業終了後に各クラス学園祭の準備と模擬試験後3者面談です。学園祭は3日間続いたが他校の学生達も見学をしにやって来ます。他校の学生達の目的は学園祭ではなく直也に会いに来ていたのです。直也には最初は真一しかいなかった仲間が今では多くの心の許せる仲間達が出来ていたのです。松陰高等学校の学生達や崔高等学校の学生達そして沢村一騎(かずき)ら四谷学園の知り合いというか仲間というのか遊びに来ました。松校の日向涼一(ひゅうがりょういち)氷河仁矢(ひょうがじんや)達や崔校安斉英二(あんざいえいじ)加藤政次(かとうせいじ)達も学校を休み私服で遊びに来ていました。そうなると仲間達は大きな集団になり尊王寺学園の他の生徒達は驚きながら距離を置きながら見ています。その集団の中に紀華は姿を見せ目はキョロキョロさせながら直也の腕をつかみます。
「大丈夫か?馬鹿ばっかりの集団だぞ、女子は誰もいないしよ」「うん、大丈夫」
紀華は精一杯の頑張りだったと直也は思いました。知っていたものもいたが直也は紹介していない仲間達に紀華を紹介します。仲間達に直也はからかわれながら、のろ気をみせて普段の直也ではない姿を仲間達に見せていました。真一は無言で笑っていただけであった。典子は学校内の廊下の窓から直也と紀華を見つめています。直也と付き合いが始まってから紀華には一日で多くの男子の仲間が出来たのです。異性嫌いの紀華だったはずが直也の仲間達と話を始める事もあるのです。紀華にとって直也は全てだったのかもしれません。学園祭は授業というよりも遊び感覚で楽に遊んでいます。紀華は「LALALA」喫茶店の恵美の妹である事も仲間達に直也は話します。誰もが驚きを隠せませんでした。1年の時は色々な出来事があったが2年になると殆んどの出来事は学校の行事くらいでつまらない授業だけでした。屋上での出来事で1年の問題児であった崎山源一も何人かを連れながら直也の集団に加わり色々な話をしています。崎山源一は元々は物静かな人間だったようです。あの屋上で直也と何を話したか誰もが気になる事でしたが、源一は答える事はなくただ直也の周囲に溶け込んでいたのです。源一も直也という存在と出会う事がなかったら暴力という世界の中で生きる事になっていたかもしれません。この学園祭で直也は求めたものが手に入ってきたように感じていたのです。直也にとって決して消えない伝説や大きくなった噂はそのまま伝えられていますが生き方を変えた事で伝説の何かが変わるように直也は感じていました。これまで学生同士で戦ってきた経過が物語っているように思えたのでしょう。直也は紀華と出会った事で全てが変わった気がしていました。典子とのすれ違いは久美子と同じように近くに寄り添い過ぎた事で典子を救ってくれたのは真一でした。もし真一の存在がなかったとしたら典子はきっと悪夢に悩まされていた事でしょう。典子にとっては真一は唯一の相談相手でした。日々は過ぎ模擬試験があり次には三者面談がありました。直也の三者面談には実家の母が来たが推薦での進学の方向でいくという事になります。しかし直也の気持ちは進学の事は考えてはいなかったのです。紀華の三者面談は姉の恵美が来たが進路の話しは3年生になってから決める事になったようです。恵美と紀華が出てきた時には直也は出口の場所で待っていました。直也は両手はポケットに入れコンクリートの壁に寄り添い姉妹の2人の姿を見て首を縦にふり笑顔を見せます。姉の恵美は先に喫茶店に帰り直也と紀華はその後をゆっくり歩きながら喫茶店に入ります。喫茶店には仲間達もいて一般のお客もいた。直也と紀華はカウンターの席に座り紅茶とアイスコーヒーを頼みます。
「ねぇ、直也は進学なんでしょ」と紀華は直也に声をかけます。
「あぁでも俺は何も決めてはないよ勝手に親と教師で決めてた」と直也は紀華に答えます。
その後は直也は紀華の会話はしばらく無言になります。
「あの時の夢が叶うといいな」「あの時って何?」
「電車の中で見た夢のようになれたらってことよ」
「覚えてないよ、ごめんな」「いいんだよ私だけが思ってればいいことよ」
直也は何も答える事は出来なかったが3年生になったらもう1回三者面談がある事を考え答えを出そうと思っていたのです。その後に学校と出前のアルバイトだけで過ごした日々が過ぎ冬休みが近づいてきました。この頃には真一は典子と相談相手として付き合い直也は紀華と付き合い良い関係が出来ていたのです。典子と紀華は仲良くなり直也と真一も元の関係に戻っていました。
「今度の冬休みは直也はどうするの?」と真一が直也に声をかけます。
「海の旅館に行こうと思う、あの場所は俺たちには聖地だな」
「俺たちって、俺と典子のことか?」「そうだ、これから俺達は、また何かを見つけなきゃな」
「なにを?まだなにかあるのか?」「3年になったら、どうするか卒業したらどうするか、お前決めたの?」
「決めてねぇよ決められなかったんだぁ親父がまた転勤するかもしれないからな」
こんな会話をしている時に叔父と叔母は直也を養子としてもらえないかと直也の実の両親へ話をしていました。直也の父親は春樹の事を考えると自分が出来る事をしてあげたいという気持ちを持っています。一人っ子の春樹を事故で亡くした叔父の気持ちを考えるとどうしても直也の母親はそう思えません。直也のアルバイトは出前だけでなくカウンターの中でラーメンつくりの手伝いもはじめていました。叔父や叔母は直也を養子に向いいれる準備を始めていたのです。高校2年の日々はあっという間に早く直也や春樹の噂は大きく伝えられたりしていました。しかし噂話で暴力に身を置くものは少なくなっていました。「もう少しだ春樹!もう少しで伝説も消えてなくなる」直也は春樹の写真を見ながら心の中で話をしていました。紀華は写真を見つめる直也には言葉を掛ける事もなく直也の姿をずっと見つめていました。



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