傍流点景

余所見と隙間と偏りだらけの見聞禄です
(・・・今年も放置癖は治らないか?)

暑さもW杯ウィルスも鎮静化

2006-07-19 | 戯言・四方山話・メモ
★ 悲喜こもごも様々なThat's蹴球・ドラマ人間(お国)模様を世界に送り届けた諸国蹴球漫遊W杯も終了。その直後、東京は「も、もう真夏?!」とブッ倒れそうな亜熱帯気候に襲われ、体調も下降気味・しばらく仮死状態に陥っていた私です……という訳で、放置の多い拙ブログへ訪れてくださる奇特な皆さま、どうもご無沙汰でした。梅雨が戻ってきて快適温度になり、ようやくキーを打つ気力も戻ってきたので^^;; 終わって10日経とうという今頃ですが、一応私的2006年W杯独逸大会・総括覚書の巻であります。

★ まずは、マイ基準によるベスト・ゲーム選出!!
①豪州×クロアチア戦… 録画しなくて大失敗!の後悔№1の試合だったねコレは! サッカー観ながら、こんなに笑いが止まらなかったゲームは初めて(笑)。また解説&実況の反町・内山組による技ありコメントが笑いに輪をかけて、もうホントに面白かったです!後半戦しか見てないけど(>オイっ)。
 両者とも決勝リーグへのサバイバルを賭けてる訳だから、当然のガチ勝負でぶつかり合ってるんだけど、このゲームを一言で表すなら“馬鹿”。 バカ×バカ、肉弾×肉弾、根性×根性でドンドン茹で上がる地獄の釜の如き熱気は、英国人審判さえバカの渦に巻き込み(大笑)黄色赤色出し過ぎて、累積レッドの出し忘れって何なの、一体。てか、そんなもんに構っていられるかぁッ!という状態の豪クロ両選手。 
 実況の〆の言葉が簡潔にこの試合を表現していましたねえ。うろ覚えだけどこんな感じ >「いやぁー長らくサッカーの試合を観てきましたが、こんなのは初めてですねえ(笑)サッカーの始まりは格闘技だった、ということを正に思い出させる試合でした!」 ----嗚呼素晴らしき哉プロレス蹴球♪の世界であった。

②伊太利×豪州戦… という訳で、一気に豪州応援態勢に入った私の気持ちを、また一気に挫けさせたこのゲームも入れねばなるまい…。いい試合だったんだよ。お互いに果敢な攻防を繰り広げ、たとえ結果はわかっていても(再放送を観たので)こんなに手に汗握るゲームを観ることが出来て、私は嬉しかったのよ。
 伊太利、実は前大会のときは“イケメン集団”とか言われててもイケメン基準が世間と違うらしい私には「長髪うぜえ」って感じの選手ばかりで、一体誰がイケメンなのよ?ってな具合だったけど、今大会は短髪率増えた上に前にはいなかった(笑>いたかもしれないが髪型変わると印象も違うからねえ)よーなむさ苦しい熱さのある選手が何人かいて、ちょっと気持ちが動いた。具体的には熊のよーな風貌の燃える闘魂・ガットゥーゾ、マルコメ頭にしてカワいさ倍増カンナヴァーロ、イケイケちんぴら風なイアクィンタあたり。あとインザーギのギラギラ感も素敵だったと思う。
 それにひきかえ、まさしくオージー・ビーフ(笑)猛牛レスラー集団な豪は、欧州移民系と先住民系選手の割合がイイ感じ。そして今回の彼らは勿論基本は格闘サッカーなんだけど、伊太利に合わせた細かさも見せることが出来ていた。 本当に、良い試合じゃないかあっ!と、胸を熱くさせてたのに!! 0-0で迎えた後半終了までのアディショナル・タイムにて、蹴球鑑賞ベテランの友人が言うところの「経験で負けたねオージー。老獪イタリアーニ」を見せ付けられたわ。角刈とってぃ王子のPKシュートがゴール----
 そりゃないぜ、セニョール!!!!(大涙)……コレで試合終了って何? 何なのコレは?? オージーの皆さんもスタンドの豪サポーターも、頭真っ白になったと思います。 私もあまりのショックで涙が出ましたよ、マジ。 あああああ、そうなんだよな要するに。コレがW杯、蹴球。歴史ある欧州の強豪と、積み重ねのない新興勢力の違いをまざまざと見せ付けられた印象深いゲームであった。
 とりあえず、前大会の愛蘭ほどではなかったけど、今大会で一気にマイ注目度が高まったオージー猛牛の皆さんにありがとう。次大会からはアジア枠へウェルカムね~~。

 ③以下は順不同で、伊太利×独逸戦(別名・枢軸国対決^^;;)/チェコ×伊太利戦(豪×クロの格闘蹴球後に観たこのゲームの、なんと美しかったコトか>笑)/メキシコ×アルゼンチン戦(男前なマルケスをもっと観ていたかったよう…メキシコのパス職人なサッカーが好きになった)というところかな。
 あとオマケで、3位決定戦の独逸×ポルトガル戦。別名・カーン兄貴の引退興行ね! 独逸の若衆達も兄貴の引退興行俺たちで盛り上げるぜ!とばかりデッカい花火ドッカーンと打ち上げてくれてて、理想的な花道飾れて良かったんじゃないかな。こういうベタなドラマが一つぐらいあってもいいよね、みたいな。

★ 決勝も当初の予定では、仏代表ジダンの引退興行色濃厚だったんだよねえ。でも、へそ曲りの私としては、決勝までそんなベタなドラマに喰われちゃうのはツマラん!と思っていたし、ご覧の通り私的ベスト・ゲームには伊太利が殆ど噛んでるといった有様故、自然に「伊太利応援態勢」に入っていた。それに彼らは彼らで、W杯後にお国に帰れば八百長スキャンダルの後始末やらケジメやらで大変なハズなので、他人様の事情なんて斟酌するかい!っていう、ある種のなりふり構わなさに期待したいとも思ってた。
 がっ。仏のメイクドラマは想定外過ぎて、目が点。まさか引退興行の主役が頭突きで赤紙退場とはねえ…。

★ 私は仏代表に全く思い入れはないし(アンリの顔はかなりタイプだが^^;;)ジダンのことも今大会で初めてマトモにプレイする姿を観ただけなので、この件に関しては知ったかぶりなことは書けない。(まあ喧嘩両成敗というか、どっちもどっちだろ!というのが正直に思ったところではあるが)
 けれど、なんというか…ちょっと話が大袈裟になり過ぎててないか? 現段階では真相(伊マテラッティがジダンに何を言って挑発したのか、ってヤツ)は曖昧なままではあるけど、少なくともこの一件のどさくさで決勝再試合すべきとか、伊太利優勝返上せよとか、そんなのはいくらなんでも呆れる。フランスに肩入れする人たちが、必要以上にイタリアを貶めるのもいかがなものかと思うのよね。
 但し、先に自分の記事にも書いたけど、今大会では【SAY NO to racism】を掲げていることもあって、決して通り過ぎてはいけないことだとは理解する。実際に蹴球界(ピッチの内外)での差別問題(人種・宗教・政治)というのは、相当に根深いんだと思う。言葉の暴力~差別的発言をする側の人間が、その深刻さを意識できないというほどに。でも、これはあまりに難しい、差別根絶を呼びかけるなら蹴球界というよりは全世界的レベルで取り組むべき問題でもある訳で…まあ、コレを契機に何かが変わってくれればいい、とは思います。と、キレイ事でこの場は納めておくことにします(苦笑)。

★ そんなこんなで、伊太利優勝にも色々とミソが付いちゃったけど、先に書いたように個人的にはこの優勝は何ら疑う余地のない、当然のものと納得できた。だって私のような素人目にさえ、今大会通して伊太利は“守備中心でも観せる”ゲーム運びをしていたチームだったと思うし。加えて伊太利のズルイというか凄いのは、波乱万丈のゲーム展開になりながらも、土俵際ギリギリのラインで一気に点を決めちゃえるとこ(苦笑)。唖然とするよ、ホントにもう。決勝でのPK戦にしても然り。PK戦は宝クジみたいなもんだから、負けた側は辛いことこの上ないけど、勝つ側の強運もまた実力。決めるべきところで確実に決める。それって、誰にでも出来ることじゃないから。(しかし私は、甦るイング敗戦に心を痛めつつ、なんでイングと違ってそんなにシュートが入るのよ?と軽くムカついてたことも告白しておこう…^^;;)
 優勝決定の瞬間、伊太利の伊達男どもが一気に幼児化して(笑)喜び爆発させる様は本当に微笑ましかったなー。腕組み&仁王立ちで無表情にPKを見守っていた(そして、ピルロの抱き人形になっていた^^;;)主将カンナヴァーロの、正しく破顔大笑で万歳猛ダッシュに笑い、何故かパンツ姿になって踊ってるガッちゃん(ガットゥーゾ)に笑い、円陣の中で断髪式やっちゃうカモラネージに笑い、国旗で頬かむりのとってぃ王子に笑い…ともあれ、伊太利代表&応援の皆さん、優勝おめでとうございました!

★ 以上、結果的には4年前よりもじっくりたっぷりと観戦できた2006年W杯。いまだ蹴球ファンとしては発展途上のワタクシとしては勉強になることも多く、充実した1ヶ月でした。2010年南アフリカ大会も当然楽しみにしたいし、そのときには…今回より日本代表を応援出来るといいな、とも思ってます。
 そして、4年後こそアイルランド代表の姿が観れることを祈って!!(勿論、蹴球母国もね! リオ、まだ選出されてるといいけどなあ----って、そんなことより自分の4年後を心配した方がいい気もする…^^;;)