大きな世界の小さな部屋

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ダーク・オブ・ザ・ムーン 番外編

2011年07月11日 09時02分30秒 | TFその他
今回ご紹介するのは、タカラトミーの新カテゴリー“デュアルモデルキット”よりオートボット司令官“オプティマスプライム”。デュアルモデルと言えば、過去にタカラがダグラムやメダロットと言った版権アイテムで製品化したカテゴリーで、近年は装甲騎兵ボトムズのスコープドッグがデュアルモデルの名を冠したアイテムとして発売されました。しかし、今回のデュアルモデルキット(以後DMK)は実写TFをモチーフとし、変形しない代わりに可動とプロポーション重視の仕様となっています。そして最初から完成している素体フレームに、外装パーツを取り付けて完成させると言う、半完成キットとして発売されました。聞くところによると、これは上記の過去デュアルモデルの中ではメダロットが最もそれに近い製品フォーマットだとか。お値段はリーダークラスに匹敵するものですが、果たしてその出来は…?


では、まずはその可動素体からご覧頂きましょう。
グレーを基調とした成形色、そして全体にパイプやフレーム、油圧シリンダー等の細かいメカディテールが施されています。本当、このフレームの
造形は凄く細かい所まで作りこまれています。しかし意外にも、肘と膝は二重関節じゃありませんね。


続いてバスター司令官との比較…大きさはほぼリーダークラスに近いのですが、画像を見るとDMKの方が小さく見え
ます。っつーか実際小さいのです。何故か?それはこの素体には足首が無いからです。足首は手首や頭部と同じで、
素体には含まれていない後付パーツなのです。


この素体は各部が俗に言うポリキャップで接続されていて、大まかにはこの様に分割が可能です。本当は胸部と腹部もポリキャップ
接続されていて、人間で言う腹筋の部分が曲げられるのですが、完成させるとここの可動がほぼ死ぬので省略。


これは素体の肩関節です。DMKは変形を犠牲にした反面、可動とディテールを重視したアイテムなので、可動性は文句無し。流石、
ロボ玩具の可動には拘りのあるタカラトミー。脇は二重関節になっていて、肩の丸い部分と胴体側の脇関節とそれぞれ独立した関節
があります。胴体側が脇開閉に伴い形が変化しているのがお分かりでしょうか?



では、今度は肩を真上から見てみましょう。ご覧の通り、肩は前後にストレス無く可動します。本当は
下半身の可動についても触れたいのですが、足首が無い状態では不完全になりそうなので省略。
ではいよいよ、素体に外装パーツを組み立てていきましょう。


…この組み立て、予想以上に大変でした。タカラトミーの社員は“パーツそのものに塗装されているので、誰でも接着剤無しで素組みで設定カラーに近い出来になる”と謳っておりました。それは嘘ではないのですが、とにかく組み立てにくいの何のって!パーツの精度が悪く、緩くてポロる部分があるのは勿論の事、凸ジョイントと凹ジョイントの寸法が合っておらずやたら硬かったりとか。それだけでは無く、細かいディテールを再現する為に細かいパーツをいくつも組み付けていかなきゃならなかったり、それを解説する取説もまた細かくて分かりにくいといったら…。最初から一気に完成させるつもりでしたけど、途中で疲れてしまい三日ほど放置し、四日目に漸く完成しました。当初はバラして素体状態に戻したりするなんて考えていましたが、あのメンド臭い組み立てをもう一回やるなんてまっぴら御免だわ!特別緩い外装パーツなんか接着したれ!


かくして完成したのが、このDMK司令官。か…かっこええッッッ!!!“誰でも組み立てられる”なんて口が裂けても言えない位の苦行
でしたが、完成品は確かに“塗装無しでも鑑賞に耐える”出来栄え!そりゃよく見ると、ランナーからパーツを切り取ったゲート跡が
残っていたりしますけど、塗装無しでここまでのクオリティはマジで凄い。


ご尊顔拝見…た、確かに細かいディテール…。タカラのTFキットと言ったらゴミみたいな出来だったグランドコンボイ
の悪夢が蘇りますけど、高額商品だけにこの再現度は素晴らしい!


もう一度ご尊顔を…今度は真横からですが、これだけ各部が最初から塗装されているって言うのはスゴいですね。


顔はアンマスクドバージョンのフェイスパーツも付属していて、マスクドバージョンと選択式となっています。分解すれば
フェイスパーツを交換することも可能ですが、これ一度頭部を完全にバラバラに分解しないと出来ない構造でして、しか
も頭部パーツだけでも結構なパーツ数なので、組み立てなおすのもエラい手間が掛かります。よって、メンド臭いので
アンマスクドバージョンは撮影無し!顔は手間を掛けずに交換できる構造にして欲しかったですなぁ。


バスター司令官と比較…足首が付いたことで身長はリーダークラスとほぼ同格になりました。バスター司令官のがっしりしたフォルムもかっこいい
ですけど、劇中準拠プロポーションのDMK司令官もまたかっこいい。


では正面に並べてみましょう、ご覧の通り、リーダークラスとほぼ同じ身長になったことがお分かり頂けるでしょう。


以前ご紹介したバトルブレードバンブルビーと比較、ほぼ劇中比に近い身長差に。そう言えば、今回の映画でこの
バンブルビーのバージョンアップ版が出るかと思ってましたけど、出たのは武器ギミックが削除されメックテックウェ
ポンが付属した、バージョンアップ版とは言えない代物でしたね…これ買っておいてよかった。


それでは、今度は各部の解説に入ります。
胸部についているメッキシルバーのパーツ、これビークルモードのサイドミラーですね。そして胸部の、ビークルモード
ではフロントガラスに当たるクリアパーツ、そこにはワイパーのディテールまであります。しかし、サイドミラーは細かい
のでうっかり折ってしまいそうだし、フロントガラスは微妙に寸法が合っておらずポロポロ落ちる…。辺の短い方を軽く
鑢掛けして寸法を合わせておきましょう。


続いて腹部を見てみましょう、ここもまたなんという細かいディテール…。特に画像中央上部、そして中央下部の細いパーツ、
ここ組み付けるのに苦労しましたわ…。こういう所があるから、組み立てた後に素体状態に戻そうなんて思わないんです。


続いて背中。
リベンジ司令官とパーツ配置はほぼ同じですが、燃料タンク等がコンパクトに纏められているのが分かります(ゲッター
変形と言うべき?)。しかし、このパーツ配置を変形で再現したリベンジ司令官って本当に凄いなぁ。


後頭部、うなじのパーツと干渉し首を斜め上に向けません。構造上はボールジョイント接続なので出来るはずだった
のですが、このパーツが邪魔で斜め上可動が殺されています。


今度は下半身に移ります。
これは太腿ですが、膝を曲げることで太腿装甲が斜め下にスライドする、サイドスワイプのメックアライブみたいなギミックがあります。


足首です。ここも細かいパーツの寄せ集めです。
ここにもメックアライブのようなギミックがありまして、画像中央のシリンダー部に注目。


これはそのシリンダー部をアップで撮影したものです。足首を曲げると、それに連動しシリンダーが中に引っ込むメックアライブが。


今度は改めて全体の可動について。首が二重ボールジョイント(ただし前述の通り斜め上向き不可)、肩、脇二重関節、上腕ロール軸、肘、手首
ボールジョイント、腹部(腹筋可動部は外装パーツ干渉によりほぼ固定)、股関節、膝、足首、爪先となっています。足首は前後左右に可動します
が、意外に横方向の可動範囲は狭く設置性にやや難有り。指も可動しますが、詳しくは後述。


脇が二重関節というのは既に触れていますが、脇だけでなく肩アーマーも可動するので、脇を開く際には邪魔には
なりません。それと肩についているメッキシルバーのパーツ、ここも外れやすいので接着推奨。


拳をご覧ください。ここも細かいパーツの寄せ集めで、この手首だけでそのランナーのパーツ半分以上使ってました。
指を一本ずつ組み立てていくのですが、ここのパーツも精度が悪く、どの指もちょっと動かしただけですぐ外れてしまい
ます。親指関節の隙間、見えるでしょ?


付け根がボールジョイント、指関節もすべて可動するので拳から平手にも出来ますが、親指以外の付け根が横方向
への可動範囲が狭いので、指は伸ばせてもパーにはなりません。そして、開いた指の関節をご覧ください。
ただ開いただけなのに、もう緩んで外れかかっています。


今度は武器の解説を。腕のエナジーソードは、腕の赤い外装パーツを一度外し、そこにエナジーソードを取り付け
また嵌め込む形で装備します。でっかくてクリア成型でかっこよくて文句無しですが、取説にはエナジーソードでは
無くバトルブレードと表記されてます。細かいことですがなんか気になって。


こちらもバスター司令官と比較…
収納ギミックが無いだけに再現度では圧勝。思わず鴻上会長の様に“素晴らしいッ!”と褒め称えたくなります。


刃は二つ付属しているので、これまでのエナジーソード同様に二刀流も可能です。


オプションパーツを使えば、下腕部外装パーツでは無く手首と交換して装着も可能です。ただ、この手首ジョイントが
異様に硬くて、外す時は結構力が要ります。でも、こっちのエナジーソードの方はすんなり入るんですよね…手首ジョ
イントって寸法有ってない?


もちろん、こちらも二刀流可能。かっこいいかっこいいよ司令官。


取説にはもう一つ“バラージキャノン”なる武器が設定上有ると書かれていますが、残念ながら今回のキットには付属しません。
多分バスター司令官に付属していたイオンブラスターの事と思われますが…。で、身長がほぼ同じなのでバスター司令官のイオン
ブラスターを装備出来ないかなー?と思ったのですが、残念ながら手首を握り拳にしてもイオンブラスター内のグリップと寸法が合っ
ていないので、手に持たせる事は不可能です。画像では土台と司令官に寄り掛からせて装備している様に見せていますが、サイズ
がピッタリなだけに惜しい。グリップと拳との中継パーツを作れば保持は可能と思いますが、大体この手首の指はポロポロ外れるん
だっての!それならパーツ通販で手首をもう一個用意して、指を接着&固定なりしてイオンブラスター専用に改造した方が楽そう。


これはご覧の通り、TFリベンジでディセプティコン兵士“グラインダー”の顔を引き裂く際に使用したバトルフックですが、本製品
には付属していません。トイザラス予約購入得点として配布されたもので、エナジーソードと違い手首にしか付けられないので
融通が利きません。それにソードの方が大きいので、設定上サイズは正しいのですがこのフックは小さく見えて迫力不足。


こちらは付属デカール、私の少年時代は“水シール”と呼ばれていたアレです。マーキング類では無くファイヤーパターン
のみな所を見ると、どうやら塗装派の為に用意されたもののようです。つまり、一度全塗装すれば元から塗装されていた
ファイヤーパターンが消えてしまう、だからその塗装面の上からコレを貼ると。中々気が利いています。


総評としては…完成すれば“素晴らしいッ!ハッピーバースディ!”と叫ぶこと請け合いな素晴らしい出来です。素体の上から外装パーツを取り付けていく構造なので、
腹部の可動がそれによって殺されてしまうのが難点ですが、細かいパーツ類を組み合わせ劇中CGを可能な限り忠実に再現したディテールは圧巻。ただ、やっぱり
その細かいパーツ類がポロりやすいので、“接着剤不要で組み立てられる”とは行きません。それにパーツ精度も悪く、ポロるだけじゃなく硬くて入りにくいと言うのは
どういうことか。私の様な似非モデラーレベルの腕前でも対応は出来ますけど、子供に強請られて数十年ぶりに組み立てるお父さん方にはかなり厳しいかと。それに、
そもそもパーツ類だけじゃなく取説の記述も異様に細かく組み立てにくい、“誰でも組み立てられます”というタカラトミーの謳い文句には「ちょっとそれは違うだろう」と
物申さずには要られません。ただし、その苦行の様な組み立てさえクリアすれば、現時点では司令官アクションフィギュアでは最高峰のアイテムなのは間違い有りま
せん。かっこいいから欲しい、でも難解な組み立てに二の足を踏んでしまうと言う方、今こそ司令官への愛が試されているのです。


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