コスモス薬品が進める,関西などへの広域展開は,店舗開設に掛かる初期投資負担は九州などよりも重いが,ディスカウント・ドラッグのスタイルが消費者にスムーズに受け入れられたこともあり,好調な集客ができている模様である。
関西進出を加速する理由は,九州に比べて人口が多く,今後も出店拡大余地が大きいことであり,固定費は高くとも,店舗を二層構造とするなどの創意工夫で 都会型ディスカウント・ドラッグのビジネスモデルの構築が見込める点である。九州と同様に,食品で来店頻度を高め,ディスカウントの魅力を認知してもら い,医薬品や化粧品などの買い回り機会増加につなげている。
なお,経済産業省は3月1日に発表の,1月に申請のあった「大規模小売店舗立地法に伴う新設届出」によるとコスモス薬品は,鹿児島,熊本,宮崎,大分,山口,三重県,京都市の6県1市に計10店舗を新規出店する。
新設場所(自治体),店名,所在地,建物設置者名,核小売業名,新設計画日,店舗面積)
三重県
●(仮称)ドラッグコスモス生桑店(四日市市野田),コスモス薬品,コスモス薬品,2016年9月30日 1,541平方メートル
●(仮称)ドラッグコスモス三日市店(鈴鹿市三日市町字中ノ池),コスモス薬品,コスモス薬品,2016年9月30日 1,685平方メートル
京都市
●(仮称)ドラッグコスモス吉祥院店(京都市南区吉祥院蒔絵町),コスモス薬品,コスモス薬品,2016年9月30日 1,316平方メートル
山口県
●(仮称)ドラッグコスモス遠石店(周南市上遠石町),コスモス薬品,コスモス薬品,2016年9月9日 1,438平方メートル
熊本県
●ドラッグコスモス武蔵野台店(熊本県合志市幾久富字建山),コスモス薬品,ドラッグコスモス,2016年9月29日 1,223平方メートル
大分県
●(仮称)大分県大分市宮崎店舗(大分市大字宮崎),日本アセットマーケティング,ドン・キホーテ,2016年9月16日 2,952平方メートル
●(仮称)ドラッグコスモス新玉川店(日田市大字十二町字下庄手),コスモス薬品,コスモス薬品,2016年9月26日 1,696平方メートル
宮崎県
●(仮称)ドラッグコスモスえびの店(えびの市大字向江),コスモス薬品,コスモス薬品,2016年9月7日 1,694平方メートル
鹿児島県
●(仮称)ドラッグコスモス西之表店(西之表市西之表字上ノ河),コスモス薬品,コスモス薬品,2016年9月6日1,987平方メートル
●(仮称)ドラッグコスモス中種子店(熊毛郡中種子町野間字野別府),コスモス薬品,コスモス薬品,2016年9月6日1,700平方メートル
>>>ドラッグストア業界の現状
日本チェーンドラッグストア協会によれば、2013年度のドラッグストアの推定売上高は6兆97億円。総店舗数は1万7563店である。。売上高が6兆円の大台に達したが、伸び率は前年比1・2%増にとどまり、鈍化傾向にある。
大手ドラッグストアは、積極出店を続ける一方、狭小商圏化に伴う食品強化や調剤併設を推進。都市部を含めコンビニとの競争は熾烈化しつつある。
● コスモス薬品の物流機能高度化への取り組み-物流を制するものが流通を制す
コスモス薬品がディスカウント・ドラッグとしての 競争力を一層高めるために取り組んでいるのが,物流・情報機能の高度化である。情報システムについては,ほぼ全店で自動発注システムを導入しており,人手 による発注業務の効率化が図られている。店舗の大型化と,店舗内作業の効率化をさらに進めるため,同社は在庫を持つDC型物流センターを構築し,食品を含 めた多品種の在庫管理,定期配送体制構築による配送効率向上,大型トラックの積載効率を高めることや,配送ルートの工夫などを通じてローコストかつ短時間で流通できる仕組み作りを目指している。
同社はもはやドラッグストア業界の枠組みを超え,コンビニのように食品から日用品までフルラインの品揃えで,価格面と利便性を両立させることを目指す業態へと進化しつつある。