《本稿は,2010/06/02/21:27出稿文に加筆の第2稿です。》
薩摩川内市の生茶葉から微量のセシウム
報道によると,鹿児島県は薩摩川内市高江町で先月採取された生のお茶の葉から,放射性物質のセシウムがごく微量検出されたと発表した。 県によると,薩摩川内市で九州電力が5月24日に採取した生茶葉から,1キロあたりセシウム134が0.1ベクレル,セシウム137が0.37ベクレル検出された。原発事故のあと、県内の生茶葉からセシウムが検出されたのは、初めてである。
食品衛生法の暫定規制値1キロあたり500ベクレルを下回る1000分の1以下の濃度なので,健康に影響はない」,との見解を示している。
九州電力川内原発の排気筒データには異常がなく,鹿児島県は東京電力福島第1原発の事故の影響とみている。九電が同原発周辺で実施している放射線調査の中で検出,県に連絡した。

◇福島原子力発電所の事故に伴う放射線の影響について
また,別途,国から委託を受けて実施している調査で,本日,鹿児島市城南町において,平成23 年2月28 日(午前9時30 分)から3月31 日(午前9時30 分)までに収集した降下物(1か月間の累積)から,ごく微量のヨウ素-131(1.30 ベクレル/m2)が初めて検出されました。
検出された濃度はごく微量であり,この降下物から1年間に受ける放射線量は,自然界から1年間に受ける量(2.4mSv/年)の600 万分の1以下に相当する極めて低い値であり,健康に影響はありません。
なお,毎日測定している水道水,その他の項目には,放射性ヨウ素の影響は認められていません。
《出典:福島原子力発電所の事故に伴う放射線の影響についてhttp://www.pref.kagoshima.jp/__filemst__/69183/Kensyutsu_4_11.pdf)
◇「足柄茶」セシウム基準値超、計6市町村に 出荷自粛へ
神奈川県南足柄市で採取した「足柄茶」の生葉から暫定基準値を超す放射性セシウムが検出さ れた問題で、神奈川県は13日、新たに5市町村で基準値を超すセシウムが検出されたと発表した。県によると、足柄茶を生産する16市町村のうち南足柄市を 除く15市町村で11~13日に採取し、小田原市と清川村のほか愛川、真鶴、湯河原の各町で、1キロ当たり530~780ベクレル(暫定基準値同500ベ クレル)のセシウムが検出された。県は南足柄市に続き、5市町村にも出荷の自粛を要請した。県は「今後、出荷される足柄茶は全て基準値を下回るもの」と強調した。
《source:2011.5.14 産経新聞》
3.11大震災復旧もさることながら,地震の危険が去ったわけではない。日本は地震活動期に入ったとの指摘もある。
鹿児島県域(大隅半島,薩摩半島)が,地震の安全地域とは言い難い。2月4日に続いて,4月9日午後9時58分に震度3の地震が発生した。遡ると,大隅半島沖では昨年1月にも震度3の地震が起きている。
>>>M8・5で東海岸津波20メートル 琉大准教授予測
沖縄本島沖の琉球海溝を震源とするマグニチュード(M)8・5の地震が発生したとの想定で,本島沿岸部に押し寄せる津波の高さ(波高)を琉球大理学部の中村衛准教授(41)=地震学=が予測している。それによると,沖縄があるユーラシアプレートに,太平洋側のフィリピン海プレートが沈み込む同海溝は,巨大地震を引き起こすひずみがたまっている恐れがあり,予測によると東海岸の広い範囲で20メートルを超える津波が発生。5階建ての建物に相当する標高15メートルの地域まで,浸水する危険があると推定している。
琉大研究班は2008年から,名古屋大,県水産海洋研究センターなどと合同で地震発生予測調査を実施。沖縄本島の南約100キロの琉球海溝の海底で,プレート同士がくっつき,ずれる時の反発で地震を起こす固着域を見つけた。この固着域がずれることにより「M8を超える巨大地震が発生し,沖縄本島は震度6前後の揺れに見舞われる可能性がある」と指摘する。
▼2011年4月9日午後9時58分、鹿児島県大隅で震度3の地震 津波の心配なし
4月9日午後9時58分、鹿児島県大隅で震度3の地震を観測した。
震源地は種子島南東沖、震源の深さは10km、地震の規模を示すマグニチュードは5.7と推定される。
<地域最大震度>
震度3 鹿児島県大隅
震度2 大分県南部 宮崎県南部平野部 宮崎県南部山沿い 鹿児島県薩摩 鹿児島県十島村 鹿児島県種子島 鹿児島県屋久島 鹿児島県奄美北部
<市町村震度>
震度3 肝付町
震度2 豊後大野市 宮崎市 日南市 串間市 都城市 鹿児島市 枕崎市 指宿市 南さつま市 霧島市 鹿屋市 大崎町 東串良町 錦江町 南大隅町 十島村 三島村 南種子町 屋久島町 瀬戸内町 奄美市
▼2011(平成23)年02月04日18時16分 気象庁発表
04日18時11分頃地震がありました。
震源地は大隅半島東方沖 ( 北緯31.1度、東経131.5度)で震源の
深さは約30km、地震の規模(マグニチュード)は4.7と推定されます。
各地の震度は次の通りです。
鹿児島県 震度3 鹿屋市新栄町 鹿屋市札元 錦江町田代支所
錦江町城元
震度2 鹿児島市東郡元 鹿児島市喜入町
鹿児島市桜島赤水新島 鹿児島市上谷口
指宿市山川新生町 日置市吹上町中原
南さつま市大浦町 南さつま市金峰町尾下
霧島市国分中央 南九州市知覧町郡
鹿屋市輝北町上百引 鹿屋市吾平町麓
鹿屋市串良町岡崎* 垂水市田神 大崎町仮宿
東串良町川西 錦江町田代麓
南大隅町佐多伊座敷 曽於市財部町南俣
肝付町北方 肝付町新富
志布志市志布志町志布志
▼2010(平成22)年1月25日 大隅半島東方沖の地震
2010年1月25日16時15分に大隅半島東方沖の深さ49kmでM5.4の地震(最大震度4)が発生した。今回の地震の発震機構(CMT解)はフィリピン海プレートの沈み込む方向に張力軸を持つ型で、フィリピン海プレート内部で発生した地震と考えられる。余震活動はおさまっている。
今回の地震の震央付近(領域a)でM5.0以上の地震が発生したのは、2000年8月3日のM5.3の地震(最大震度3)以来である。
1923年8月以降の活動を見ると、今回の地震の震央周辺(領域c)は、M6.0以上の地震がしばしば発生している領域である。1996年10月18日に発生したM6.4の地震(最大震度4)では、種子島で17cmの津波を観測している。
◆地震活動の評価(文部科学省研究開発局地震・防災研究課)
・2010年7月の地震活動の評価
・2010年6月の地震活動の評価
・2010年5月の地震活動の評価
・(報告書)
全国地震動予測地図 2010年版
「全国地震動予測地図」の更新について (PDF 1,653 KB
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いうまでもなく,福島第1原発事故の事態収束は喫緊の課題である。それとともに,地震発生の危機が去ったわけではない事を肝に銘ずべきである。3.11大震災がきっかけとなって,日本は地震活動期に入ったとの専門家の観測もある。大地震の発生を想定して,電力,石油といったエネルギーの安定維持,食料自給,そして国家安全保障の観点からのリスク管理構築と戦略形成が求められる。
こうした点からすると,3つの石油基地が立地する鹿児島県の安全・安心は,日本の命運を握る。これは決して大げさな戯言ではない。
鹿児島県内には,薩摩川内市に立地する九州電力原子力発電所の20~80キロ圏内には,地下の岩盤タンクを使用した串木野国家備蓄基地(いちき串木野市),新日本石油基地株式会社(鹿児島市喜入 http://www.nost.co.jp/)がある。同社HPによると,喜入基地の原油タンクには,国家備蓄の原油とJXグループの原油が総貯油量480万KLが備蓄されている。
3.11の東日本大地震大震災では,いちき串木野市の石油備蓄基地と同様な地下の岩盤タンクを備えた岩手県久慈市夏井町の久慈国家石油備蓄基地(貯油量 67万キロリットル)が,津波被害災で地上施設ほぼ全壊という壊滅的な被害を受けている。
また,JX日鉱日石エネルギーの仙台製油所,コスモ石油の千葉製油所も被災し,操業停止に追い込まれた。
万が一でも,川内で原発事故が起きると,その影響は隣接する串木野国家備蓄基地,喜入の石油基地への影響とともに,有数の農業県,漁業県でもある鹿児島はもとより,熊本,宮崎県の農水産業にもダメージを与えることとなる。これは,即,日本の食料危機の到来を意味する。
また,海の守りの観点からすると,海の汚染は中国の介入を招きかねない
そこで,日本の安心・安全に向けての国家戦略の一環という高い見地から,「鹿児島県の原発」の是非を問い,リスク回避政策を構築すべきである。
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