◆コメ 放射性セシウム汚染の影響
東日本大震災の被災地である岩手,宮城,福島,茨城4県のコメの年間精算料は156万トンで全国の約2割を占める。この供給量のすべてが失われることはないにせよ,生産規模は相当量落ち込むと思われ,食料安定供給に暗雲が立ちこめている。
◆福島県二本松市小浜地区の「ひとめぼれ」から500ベクレルの放射性セシウムが検出
9月23日,福島県二本松市の新米予備検査で国の暫定規制値と同じ1キロ当たり500ベクレルの放射性セシウムが検出された。検査をした県は公表前,予想外の数値に検査方法の誤りを疑い,検査をやり直す異例の対応を取っていた。それでも数値はほぼ変わらず,「なぜこんなに高いのか」と衝撃を受けている。
【二本松産米】予備検査で規制値検出 本検査で出荷判断へ
二本松市小浜地区の「ひとめぼれ」から500ベクレルという結果が出たのは15日。「検査方法がおかしくはないか」と,県農林水産部は再検査したが,19日に出た再検査の結果は490ベクレル。県は23日夜になって,最初に出た500ベクレルを検査結果として公表した。
福島県は,土壌からコメに吸収されるセシウムの移行係数を0.1(10%)とする農林水産省の指標に基づき,3月から土壌調査を先行して実施。1000ベクレルを超える地点も多数あり,当初は高い値が各地で出るのではと強く懸念していた。
だが,8月26日,二本松市(旧大平村)の水田で収穫された早場米1検体から,1キロ当たり22ベクレルの放射性セシウムを検出したが,暫定基準値の同500ベクレルを下回っており,県は同地区からの出荷を認めていた。白米に精米して再調査した結果,セシウムは検出されなかったという。
県によると,26日は郡山市と本宮市の3地区の4検体も調査したが,検出されなかった。そこで,県農林水産部は「福島の土は粘土質で,植物がセシウムを吸い上げにくいのでは」と楽観ムードが漂っていた。
それだけに,今回の結果の衝撃は大きい。問題の検体が植えられている水田の土壌の汚染濃度は3000ベクレル程度とされ,同部の幹部たちは「移行係数から考えると高くても300ベクレル前後のはずだが」と愕然としている。
▼ 福島県 公表日ごとの調査結果
- 平成23年9月23日公表(PDF形式)
- 平成23年9月19日公表(PDF形式)
- 平成23年9月17日公表(PDF形式)
- 平成23年9月16日公表(PDF形式)
- 平成23年9月15日公表(PDF形式)
- 平成23年9月14日公表(PDF形式)
- 平成23年9月13日公表(PDF形式)
- 平成23年9月10日公表(PDF形式)
- 平成23年9月9日公表(PDF形式)
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