吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

専門医 続き

2015年10月23日 06時51分29秒 | 日記
 一昨日、昔、修行していた病院時代の外科の同僚たちと会合を持った。
 それぞれ皆すでにいろいろな職種についている。今では総合診療科になったり、リハビリ病院の院長になったり、開業して内科クリニックへ転業したりで、ほとんどの者が外科専門医を更新・維持できなくなっていた。

 外科で開業した場合、食べていけるだけの患者さんが来るわけではない。しかも簡単な縫合や小さなケガの処置などの点数は極めて安い。単価もやすく患者さんも数は多くなく、しかも人手や器具の準備もあるので完全に赤字なのである。街中のクリニックで簡単に「指を切った」「ちょっとぶつけた」「おできやできものをとってほしい」という患者さんに対応する外科系の診療所(クリニック)が消えたのはそのせいである。

 ということで内科に転業する元外科医も多いのである。自分は内科もやるが、「老後の楽しみ」のため?このような小外科の診療もやっている。最近ではボチボチ処置の必要な患者さんも増えたが、もちろんそれだけで食べていける様な数ではない。幸い開業時に同僚から言われた一言「クリニックから外科の色を消した方がいい。一度外科系のクリニックだと周囲へ評判が立ったら内科系の患者はこなくなる」との言葉を守った。

 外科の看板はあげたが隅っこのほうにちょっとだけとした。つまり「あそこはもともと内科だけど、ちょつとしたケガなら診てくれるよ」というようにもっていったのである。

 しかしこんな策を弄するようなことをしなければならないような保険点数配分がおかしいのである。街からちょっとしたケガを診る診療所が消えた理由である。

 自分も老後の楽しみと外科専門医更新のためだけにやっているようなものである。なんか変だ?

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