吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

早く治る薬 その12

2013年03月04日 06時48分46秒 | インポート

 五苓散という漢方薬がある。二日酔いによく効くといわれているが、嘔気嘔吐、下痢の際に腸管の浮腫みをとり症状を緩和するといわれている。要するに組織でのむくみ(水分)を尿に出すという効果があるらしい。最近自分はノロなどの感染性腸炎でひどい下痢の患者さんによく処方している。実は自分もノロにかかったときにこの漢方薬のお世話になった。下痢の回数が減ったとは実感しなかったが、これだけ大量の水分が失われている割には口渇感はなく脱水にも陥らなかった。自分の元同僚である小児科医から、吐いている子供の直腸に五苓散を溶いた溶液を注入すると嘔気嘔吐がとまると聞いた。これもどうやら即効性が期待できる漢方薬のようだ。でも小児科を標榜していない自分のクリニックでは小児にそこまでするかどうか・・・。というか「吐いている子供のお尻に何だか分けのわからない漢方薬を入れるより、さっさと点滴でもしてくれたらいいのに」と、もしかしたらお母さんに内心そう見られているかもかもしれないというヘタれた想いがブレーキをかけているのである。ああ気弱な自分だこと・・(泣)。


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