この前、ほぼ寝たきりの患者さんが車椅子に乗せられて外来に連れてこられた。家族は大変な労力であった様子。「先生、足の爪が食い込んで化膿しているようですが・・」と家族。みると陥入爪が食い込んで赤くはれて膿が出ている。「定期的に訪問診療をお願いしている先生が来られた時、治療をお願いしたのですが、『専門外だからこの治療は行いません』と断わられました」とのこと。そんなぁ~・・、しかしこの定期的訪問診療は制度的に「総合的に診てあげること」が条件だったような気がする。できないことをできないと言うことは悪いことではないが、簡単に断わるくらいなら定期的訪問診療料の請求は遠慮してほしいと思う。しかも、もうすでにこの医師が定期的訪問診療をしているので自分が後から参入することはできない。今後、ささいなことでも家族は大変な思いをして患者さんを自宅から医療機関に運ぶことになるのかと思うと複雑な気持ちである。「うちが定期的訪問診療を担当していたら内科系、外科系かかわらず全部在宅で診てあげるんですがね・・」という言葉は飲み込んだ。複雑である。
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