胸痛を訴えた時、多くの場合まず「自分のこの症状は心臓の発作ではない」と否定すると教えられた。え~本当かなぁと思ったが、どうもこの反応はどうもそのようである。通常の外来で少しでも胸が痛いと「先生、私は心筋梗塞でしょう。この痛みはそうに違いない」という笑顔の患者も沢山いる。しかしこのような患者で心臓発作であったためしはない。逆に本当に苦しくて痛い場合は心臓発作ではないと否定するという思考過程は何となく理解できる。その後今まで心臓発作の患者をみたがこの訴えは当たっているようだ。一方、怖いのは糖尿病の併存である。この場合確かに典型的な症状が出にくく見落としがちなのでやっかいである。心臓発作の症状は当時の日本の教科書にはただ「胸痛」「胸部圧迫感」などと漠然と書かれているだけでちっとも臨場感がないし痛みの状況が伝わってこない。実際の現場ではあまり役にたたないのである。
最新の画像[もっと見る]
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます