吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

冷汗一斗 その3

2012年10月10日 06時56分11秒 | インポート

 その頭痛を訴えて来られた患者さんは歩いてきた。ただ頭痛は強いが我慢できないほどではない。夜中オリンピックをみていたら急に痛くなったとのこと。嘔吐もみられている。朝の診察時には神経学的所見や左右差はない。髄膜刺激症状もはっきりしない。頭痛の最強点やら圧痛点もない。意識はクリアでGCSは15点で満点である。特に視力障害やら眼球充血もない。熱もなく症状的には偏頭痛や三叉神経痛といってもおかしくはない。鎮痛剤を内服してもらったらほぼ頭痛は軽減した。CTが必要な場合は近場の検査センターに依頼して結果は数日後まで待たなくてはならない。通常の患者さんの場合は後日検査予約をする流れになるのである。・・・ところが、なんか変なのである。身体所見的な理由はないが患者さんの様子がどこか引っかかるのである。とにかく変な予感がしたので、誤診でもいいやと思いながら、専門病院の脳外科に紹介状をかいて救急車を呼んだのである。むこうの診療で「なんだ、吉田のところから送られてきた患者さんはなんでもないじゃないかぁ~、大げさだなぁ~」と思われるのを覚悟していたが、でもなんか変な予感がしたのである。