綾子は、金曜日に渡す、手紙を書いていた。
啓太くへ
元気で。がんばってね。
いつも、ベランダのしたから、声をかけてくれて、ありがとう。
クリスマスには、まだ早いけど、わたしからの、クリスマスプレゼントです。
赤いぼうしのてるてる坊主。
ひっこしした家にクリスマスの日まで、かざってくれたら、うれしいです。
それでは、さようなら。 アヤコ
「アヤちゃん。何だか、今日から、また冷え込むって。今夜から雪が続くみたい。ママ、やっぱり心配だな。金曜日。」
「行ってみるよ。見て。手紙と、てるてる坊主。渡したいよ」
「わかった」
冷たい風が、昔住んでいた、町を、吹き飛ばしたようだ。今夜から、雪が降るらしい。風が強くなってきた。目の前の景色は、昔の面影は、何一つ存在していなかった。
「公宅も、全部、建て替えたんだな。」
僕は、5号棟。マミコは6号棟。その昔の公宅は、最新のデザインに変わっていた。短いようで、長い25年。
僕の背中の方にあるはずの、土管公園も、姿を消していた。全てが、きれいに、消し去られていた。
「本当に、短いようで、長い25年なんだな。」
そうだよなと思った。
だって、小さな、僕と、マミコが、この町に住んでいたのは、間違いのない事実だけど、あまりにも、目の前の景色ときたら、僕たちの状況ときたら。
「変わりすぎた」
確かめようのない、マミコの告白。25年振りの告白。
左頬に、冷たいものが、当たった。
「雪だ」
その、瞬間に、かなりの雪が、横にラインを描き始めた。
さて、これから僕が、マミコにしてあげられる事は、あるのだろうか。
祈ること、だけですか。
そうなのだと、思う。待つしかないのだと思う。
「帰ろう。この風じゃ、てるてる坊主が心配だ。折角の、赤い帽子が飛んでいってしまったら大変だ。今日は、バンドの練習日だったな」
綾子は、外を眺めていた。横殴りの雪が、予報通りに、降り始めたからだ。少し、センチメンタルになっていた。
「あーあ。雪。もう、嫌になっちゃう。てるてる坊主さん。何とかなりませんか」
その時、雪に混じって、赤いものが、一緒に目の前を通った。
「あれっ。ママ。ちょっと来て。ベランダの窓開けて」
「どうしたの。啓太君」
「違う。あっ、飛んじゃう」
お母さんは、慌てて、窓を開けた。その瞬間に、赤いものは、又、風に運ばれてしまった。アパートの裏の小さな小道の地面に落下した、白く染まりはじめた地面にとても、目だった。赤い物の位置を確認して、お母さんは、外に出た。
綾子は、わくわくして、赤い点を、部屋から、見ていた。
お母さんは、赤いものを拾い上げて、綾子に合図を送った。
そしたら、今度は、指を指して、笑っている。綾子は、目を丸くして、自分を指して、お母さんを見た。
お母さんは、違うという振りをして、隣っていう合図をしていた。何だかわからなかった。
でも、それが、赤いてるてる坊主の帽子である事だけは、わかった。
「何で」
お母さんは、ニコニコして、戻ってきた。手には、赤い帽子を持っていた。
「どこから、飛んできたんだろう。学校からなわけないよね」
「と・な・り」
「えっ」
「帽子のなくなった、てるてる坊主が、風にゆれてた」
「ひろってくれたんだね」
二人は、面白くて、笑い転げた。
啓太くへ
元気で。がんばってね。
いつも、ベランダのしたから、声をかけてくれて、ありがとう。
クリスマスには、まだ早いけど、わたしからの、クリスマスプレゼントです。
赤いぼうしのてるてる坊主。
ひっこしした家にクリスマスの日まで、かざってくれたら、うれしいです。
それでは、さようなら。 アヤコ
「アヤちゃん。何だか、今日から、また冷え込むって。今夜から雪が続くみたい。ママ、やっぱり心配だな。金曜日。」
「行ってみるよ。見て。手紙と、てるてる坊主。渡したいよ」
「わかった」
冷たい風が、昔住んでいた、町を、吹き飛ばしたようだ。今夜から、雪が降るらしい。風が強くなってきた。目の前の景色は、昔の面影は、何一つ存在していなかった。
「公宅も、全部、建て替えたんだな。」
僕は、5号棟。マミコは6号棟。その昔の公宅は、最新のデザインに変わっていた。短いようで、長い25年。
僕の背中の方にあるはずの、土管公園も、姿を消していた。全てが、きれいに、消し去られていた。
「本当に、短いようで、長い25年なんだな。」
そうだよなと思った。
だって、小さな、僕と、マミコが、この町に住んでいたのは、間違いのない事実だけど、あまりにも、目の前の景色ときたら、僕たちの状況ときたら。
「変わりすぎた」
確かめようのない、マミコの告白。25年振りの告白。
左頬に、冷たいものが、当たった。
「雪だ」
その、瞬間に、かなりの雪が、横にラインを描き始めた。
さて、これから僕が、マミコにしてあげられる事は、あるのだろうか。
祈ること、だけですか。
そうなのだと、思う。待つしかないのだと思う。
「帰ろう。この風じゃ、てるてる坊主が心配だ。折角の、赤い帽子が飛んでいってしまったら大変だ。今日は、バンドの練習日だったな」
綾子は、外を眺めていた。横殴りの雪が、予報通りに、降り始めたからだ。少し、センチメンタルになっていた。
「あーあ。雪。もう、嫌になっちゃう。てるてる坊主さん。何とかなりませんか」
その時、雪に混じって、赤いものが、一緒に目の前を通った。
「あれっ。ママ。ちょっと来て。ベランダの窓開けて」
「どうしたの。啓太君」
「違う。あっ、飛んじゃう」
お母さんは、慌てて、窓を開けた。その瞬間に、赤いものは、又、風に運ばれてしまった。アパートの裏の小さな小道の地面に落下した、白く染まりはじめた地面にとても、目だった。赤い物の位置を確認して、お母さんは、外に出た。
綾子は、わくわくして、赤い点を、部屋から、見ていた。
お母さんは、赤いものを拾い上げて、綾子に合図を送った。
そしたら、今度は、指を指して、笑っている。綾子は、目を丸くして、自分を指して、お母さんを見た。
お母さんは、違うという振りをして、隣っていう合図をしていた。何だかわからなかった。
でも、それが、赤いてるてる坊主の帽子である事だけは、わかった。
「何で」
お母さんは、ニコニコして、戻ってきた。手には、赤い帽子を持っていた。
「どこから、飛んできたんだろう。学校からなわけないよね」
「と・な・り」
「えっ」
「帽子のなくなった、てるてる坊主が、風にゆれてた」
「ひろってくれたんだね」
二人は、面白くて、笑い転げた。
ギターと歌を聴かせてくれる
お隣りさんが
赤い帽子のてるてる坊主を拾って
飾っていてくれたなんて。。。
アヤちゃんとお母さんの気持ちを考えます。隣人さんに会いたいでしょうね。
嬉しくて笑い転げたんだと
思います。
なんてすてきなんだろう。
嬉しくなりました。
嬉しくなってくれてよかったです。
これからも、溢れ出してくる、ストーリーに、今まで通り、付き合って下さい。
優しい言葉ありがとうございます
もう本当に、アヤちゃんの頭の中のコンサートホールと
私のポケ虹は同じなんです。
えへへへo(^-^)o